まことと付き合えて夢見心地となりつつも、現実を見据えている竜二はしっかりしている
それは浮かれていてもまことの心情を想像できているからで
そういった姿が描かれているからこそ、他者の内心への想像が足りていないまことや咲の父親の様子が嫌な感じに目立ってしまう……
竜二だけでなく咲も他者の内心の想像力に秀でたタイプだね。というか、母が居なくなった事で父親に嫌われまいとしてその能力を伸ばしたタイプと云うか
だから、浮かれた竜二から事情をすぐに想像できる。自分は邪魔とも理解できる
他者の事情を想像できる力は反面相手に気遣う遠慮に通じてしまう
そう思えばこそ、咲が恐怖の瞬間に竜二を頼ったのは印象的。嫌われて構わない相手と考えての選択だけど、遠慮が過ぎる咲にとって気を遣わなくて良い相手というのは貴重に思える
竜二の返しは良いね。明確に拒絶するのではなく、咲の不安など要らぬものだと諭してくれる
相手にとって必要な言葉を想像できる二人による優しい会話
そのような印象を抱いた後だから、咲の心情を全く想像できていない父親の言動がもう本当にキツい……
遠慮の無い言葉が原因で母親が去った認識を持つ咲にとって、父親に我が儘を言えるわけがなくて。娘の遠慮に甘えて自分の好きを貫いている様子はアカンとしか言い様がない
他方で、竜二とまことの様子も心配
クリスマスの予定は決めたものの、竜二の心情をあまり想像できていない為に思いっきり聞いてしまうまことには何とも言えない
まことがあのような事を聞けば竜二は相手の心情を想像して自制せざるを得なくなる、関係の真実を意識せざるを得なくなる
そうなれば苦しさばかりが際立つ。やはり二人の未来には破綻しか想像できないが…