敗退のショックを抱える大喜だけれど、日々は彼の為に待ってはくれない。期末試験はあるし練習は続く。それどころか次へ向かう目標を書けだなんて言われる
表面上は現状を受け入れているかに見える大喜も独りの時には別の顔を見せる。特に千夏との差を感じた時は顕著
そんな折に体調を崩したのは流れる時間への反抗心を反映したのかのように感じられたよ
独りだと何処までも落ちていく鬱屈した想い。それに反抗してくれるのは千夏との思い出であり、何よりも本物の千夏が落ち込む大喜の心を引き上げてくれる
普段の大喜はポジティブ傾向が強いけど、大喜が弱ったとき代わりにポジティブに考えてくれる千夏の存在は大喜にとってとても有り難いものだね
でも、千夏と接したからって突然ポジティブに成れるわけじゃないから少しずつ物事の捉え方を変える必要がある
大喜はまだ試合前の約束を果たす気分に成れない。代わりに千夏が話すのは自分が落ち込んだ時の心境、掲げられた遠くの目標への想い
試合前の感覚に引き戻してくれるかのような千夏の「応援するよ」は大喜に苦さも辛さも飲み込ませるきっかけとなるね。控えめな目標になった張り紙を書き直す心構えへと舞い戻れる
と、前に進めそうになった処でふらついた脚が齎した驚きの接触。言葉を発せられない雰囲気で千夏が大喜へと伸ばした指にはどのような想いが籠められているのだろうかとドキドキさせられますよ