過ぎ去った時を紐解き直すかのようなエピソード
第一話では限られた時間に物語を押し込んだ為に甚太達が過ごす葛野での時も早く過ぎ去ってしまっていた。それだけに改めて葛野時代を描き直す事で、甚太がどのようにして白雪への想いを閉じ込め、護衛役としての人生を受け容れたのかが見えてくるようだったよ。他にも清正についての解像度はかなり上がったのも良かったな
ただ、それら全てが既に過ぎ去った時であるというのは少し悲しくあるけど…
無理に護衛役の立場についた背景や軽薄な態度により、清正にはどうも好意的な印象を抱き難いと思っていたのだけど、この話で彼の印象が変わる瞬間が確かに存在したね
家に取り残された鈴音を気にかける様子、閉じ込められた立場の白夜に本を送る行為、それらは彼が見た目以上に繊細な人間だと判る
けれど彼の想いは誰にも伝わらず。きっとこの点は第一話時点で描かれても視聴者にすら伝わりきらなかった部分だろうね
既に過ぎた時だからこそ染み入る表現となっている
過ぎたという意味では新オープニング等で描かれた諸々の要素も気になってくるところ
甚夜と関係が破綻した奈津の行く末、老いが目立つようになった定長、そして甚夜に抱き着く幼い女の子。時は流れ風景は変わっていく。その中で変わらぬ甚夜は過ぎ去り続ける時に何を思うのだろうと改めて思うエピソードだったよ