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良い (4.1)

予定調和というかなんというか。変わり者には変わり者がお似合いということか

思えば鳴海って本作に登場する人物たちの中でも飛び切りに変わり者だった。皆欲しいものを手に入れるためにクズになってでも自分の思うまま行動し本懐を遂げようとする。そんな状況下で鳴海だけどこか浮世離れした印象を見せ更にはマザコンの気配すらあったちょっとありえないキャラクター性。
でもそんな鳴海だからこそ茜の在り方を全肯定できたのかなと思う。男好きとか浮気性を趣味とか好きでやっていると言い切れるのは、個人的にはどうかと思うのだけれど茜からすれば未知の存在で予測不可能。
求められる恋愛ばかりだった茜にとって「好きな人にはただ元気で生きてて欲しいんです」と言い切れる普通のようでどこか普通でない鳴海は最高のお相手だったんだろうね
その流れで鳴海が結婚まで申し込むとは思わなかったけど。プロポーズに対して浮気するって宣言茜は変わり者だけど、それ以上に浮気宣言など耳に入らなかったかのように喜ぶ鳴海はもっと変わり者だ

そんな熱烈な描写を見た後だから、麦と茜のデートが非常に淡泊に感じられる。最早茜は新しい自分に変わろうとしている訳だけど、麦が縋ろうとしていたのは変わらないままの茜の姿。でも変わらないはずの茜を変えたいと思っていたし、同時に変わらないで欲しいとも思っていたようで。そりゃ茜からすれば鳴海より劣って見えるのは仕方ないか
それでもおめでとうと言えたのはちっぽけなプライドのなせる業か

ややこしい人間関係ばかりだったこの作品もどうにか穏やかな終わりを迎えられそうな予感。あとは麦と花火がどうなるか?



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