交渉材料を持っていなくてもスバルの傍にはレムが居た。それが狂気に堕ち、怠惰になっていたスバルに戦う意志を再び灯させ、交渉の席に向かわせた
だというのに突然襲い来る白鯨にレムの存在ごと奪われてしまう容赦のなさ……
こうなっては元々何の情報材料もテーブルに揃えていなかったスバルに誰かを信じさせる言葉なんて言えるわけがない
ラムだって信じないし、エミリアだってスバルの言葉を理解できない
何故なら、スバルの言葉には最早中身など無くなっているのだから
ならばとスバルはなけなしの切り札を切ろうとしたわけだけど……
魔女からしたら今のスバルから奪うものなんてない。だからエミリアの命を奪うということか……
何処までも容赦ないな、この作品
エミリアの死体を抱えるスバルの前に現れたペテルギウスに怒れるパック
彼らの登場はスバルに何か必要な材料を与えるものになるのか、それとも最後に残った命すら奪うものになるのか……
全ての情報は手元に揃っているのか?とスバルに問いかけたくなる一連の話
スバルの醜態が本当に酷いね
でもそれって彼が何も理解してないからなんだろうなぁ
幾度にも及ぶ死に戻り。その中でロズワール領が襲われると知ったスバルは未来の情報を手に王候補達に交渉を仕掛ける
スバルは必要な情報がテーブルに揃ってると思っている。でも、その情報はスバルにしか見えないものだから交渉相手はスバルに取り合わない
代わりに彼女らに見えるのはスバルの人間性だけ。今のスバルの言動は相手を全く見ないものばかりで非常に自分勝手
だから狂気の沙汰とか薄汚い豚とか侮辱されてしまう
唯一スバルに付き従うレムもスバルの言葉を信じているのではなく、スバルを信じているから傍に居るといった印象
その中でアナスタシアはかなり親切だね。スバルのテーブルには何も乗っていないことを理解した上で、彼から話を引き出しスバルが交渉材料と思っていなかったものを材料としてスバルの交渉に応えた。おまけに交渉のいろはまで教えてくれる
ただし、自分しか見えていないスバルはそれを取引とは考えないのだけど
競い合うあまり着地点を見いだせないように思えた山梨と静岡の対立
それが二つの県に跨るなでしこや富士山、マグロ丼の存在によってほっこりとした空気に落ち着く展開
対立して一つを選ぶよりも二つを味合う方がお得だよね
……あのマグロ丼は高すぎて中々手を出せるものじゃないけど