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良い

チセの右フックがキマッた回
一番印象的だったのは、朦朧としたチセが出会うネヴィンのセリフ
「君を導いているのは君自身」
ネヴィンとの出会いが確実に彼女の糧になっているのがよくわかる。
お話の流れとして、“自己犠牲”に高い価値を置いているのは分かるし、エリアスの選択がチセの信頼を裏切ってしまったというのも解るのだけれど。
私はエリアスの選択を醜いものだとして切り捨てることができない。
チセが前回に言っていたように「やれたからやった」のと同じようにエリアスも「出来るからやりたい」と考えてしまったのだろう。長い生の中で初めて出会えたと思えるかけがえのないものを失う恐怖から“悪魔の誘惑”に乗ったのだなぁ。
そして一度喪失を経験したルツもまた同じ。
かつては「その男死にかけてるじゃん。なんでかって?そりゃ、お前が傍にいるからでしょ」と言い放ったエリアスが、チセの死の影に怯え、チセを裏切ったことを詫び、嫉妬し。人間臭くなってきたな…。
チセから見れば、魔女の頭領の「自己犠牲による死」は眩しく尊い物に見えるだろう。
でもそれを見守っている事しか出来ない側の苦しみはどうなるのか。
自己犠牲こそが人間を人間足らしめる行動だ、と言うのがこのお話のメッセージのひとつなのではあろうけれども、それもまたひとつの傲慢かつ思い上がりだよな…と胸が苦しくなった。



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