カプリスの繭1~4(前半)は、グリザイアの果実のときの雄二に至るまでの過去のお話。そこでキーとなるのは麻子の存在。オスロに殺人装置として育てられた雄二が麻子に拾われて"人間"としての人格を取り戻していく。殺人を犯した過去のトラウマから生きる意味を見失っていた雄二が生きる意味を探るようになっていく。
ブランエールの種1~6(後半)は、グリザイアの果実で雄二が守った少女たち5人が、とらわれた雄二を救うために奔走する。種を蒔いて、果実が実る。そしてその果実はまた種を蒔く。一期で雄二の蒔いた種によって果実が実った(少女たち5人が救われた)。そしてその果実がまた種を蒔く(雄二に救いの手を差し伸べるということだろう。←ここ感動 少女たちは迷宮~楽園前半にかけて、雄二の過去を知った。雄二が彼女たちの過去を知った上で救ってくれたのと同様に、彼女たちは雄二の過去を知った上で救うと決意した(雄二救出の過程でも彼女らそれぞれの個性が生きる。特に蒔菜に関しては雄二仕込みなのがいい)。
雄二救出の場面は、彼女ら以外にも雄二が関わった多くの人の協力で展開していく。これは間違いなく雄二が蒔いた種からなった果実である。「戦場では自分の撃った弾は自分に返ってくる」というセリフが迷宮(?)のときにあったが、それは弾ではなく恩でも同じであるように思える。自分のしたことは、その良し悪しに関わらず自分に返ってくる。そんなメッセージが伝わってくるし、雄二も自分の生きる意味について考えることがあったと思う。
エグい描写が多かったが、それゆえに見てる側としてもいろいろと考えさせられる作品だった。そういえばオスロと決着をつけたあと、ロビーの妻に殺すと言われていたが、そいつからは逃げ切ったってことでいいのかな?
手あるんかい
雄二が蒔いた種が果実を実らせて世界が一つ優しくなり、その果実がまた種を蒔いてまた一つ、一つと世界が優しくなる物語。
登場人物がだいたい便利属性を備えているのでデカいスケールの話がテンポよく展開していくのは観ていて楽しかった。
〇面白かった
☆☆☆
果実の続き。
物語の進行とともに明かされる、主人公・風見雄二の過去。
彼はこれまでの人生から何を知り、何を学び、何を得たのか——