早見沙織さん演じるニノの歌声が強烈なインパクトを残す作品だった。ニノの歌はすごく上手というわけではなかったけど、とにかく力強かった。もはや叫んでいるという程に力強かったし、その中に込められたニノの感情が伝わって来るようだった。ニノの歌には心を揺さぶられたし、キャラに合わせて歌声もそういう風に変えられる早見沙織さんの技量に感服した。ストーリー面では、ニノ、ユズ、モモの関係性、片想いに重点が置かれていた。音楽を通じて繋がっていて、幼少期に一度離れ離れになっていてまた再会できたのに、互いの気持ちとか、相手を想っているからこそ中々距離が縮まらない、本当の気持ちが伝わらない、そんなもどかしくて切なさもあるストーリーだった。そういうキャラの心情と、音楽面が見事にマッチしているからこそ、より感情を刺激してくる作品になっていたんだと思う。あと、ストーリー自体もシリアス一色というわけではなく、コメディ要素も少なくなかった。特に人の話を聞かずにマイペースなニノが面白かった。それ以外にも、もどかしい、切ないだけではなく、それによる苦悩とか困難を乗り越えて奮起するニノ達の姿はカッコ良かったし、胸が熱くなった。ストーリーと音楽がうまく組み合わさって展開されてたとても面白い作品だった。
上手い下手云々以前にアリス役の早見さん声とロック系の曲の相性があまり良くないのかなと感じた。
ストーリー面ではユズとモモがお互い正体を知るシーンが良かった。逆に言えばそこ以外はメイン3人が躁鬱を繰り返しているだけで関係性の変化や成長はあまり感じられず、今後の展開を原作で追いたいとまでは思えなかった。
作画なのかキャラデザなのか時折不安定なシーンもあってそういった点でも微妙と言わざるを得ないかな。
同じバンドが題材の恋愛モノでもギヴンの方が個人的には好みだった(あっちはBLだけど)。