シリーズ屈指の神回。
エルメスのファンネルを的確に撃ち抜くアムロ、化け物か。
ララァとアムロの精神感応、スピリチュアルな会話……2人が共に感知した人類の宿命とは。
そこにシャアとセイラが乱入、圧巻の四つ巴バトル。
人はいつか時間さえ支配できるという感覚を共有するララァとアムロ。
この辺りは、20世紀後半に勃興して米英を中心に流行したニューエイジ思想のスピリチュアル的要素からの影響が感じられる。ニューエイジでは人間個人が自己実現を徹底的に遂げることが至上とされる傾向があるので、共同意識が薄い。ララァとアムロは個々人が精神世界を介して時間を支配できる(至上の自己実現が可能)というようなイメージを持ったのではないかと思えた。そして、運命論的要素もニューエイジの特徴で、その影響があるとすれば、個々人はニュータイプに覚醒することで自己実現と相互理解が可能だが、群体(種)としての人類は戦争を繰り返すという運命を2人が悟ってしまったという解釈ができるかと。
因みに、富野由悠季氏は今年のインタビュー記事でも人類は滅ぶと言ってるので、ニューエイジ的気質から脱却していないと思う。毛色は違うけど、スティーブ・ジョブズもニューエイジ的傾向があった(標準的な癌治療を拒否するなど)。70〜80年代に青年だった層にその気質がある人が多い気がする。
ララァを失って感情を露わにするシャア。
そしてギレンの切り札、ソーラレイシステムの発射。
連邦軍との和睦に単独で踏み切ろうとするデギン公王諸共……。
ニュータイプ同士の強い共鳴が初めて描かれている。ララァの葛藤と死。アムロとシャアの悲しみ。
☆
キシリアはシャアの事とそしてザビ家のこと知ってたんだな。
アムロは尖って目立ってるんだな。
アムロとララァ普通に会話しておる。
徐々に覚醒し始める周囲の人々。2人は先に行き過ぎている。そして悟る。
デギン公は単独で和平交渉。今度はジオン側のソーラレイ。
アムロは全部見えすぎてやばい。
勝手に和平交渉を進めようとするデギンもあんな兵器をぶっ放してしまうギレンもどうしようもないな。まだ戦争は続いているのにジオンの中枢がバラバラになっていることがよく判る
キシリアがシャアの正体を見破っていたのも驚きだが、シャアがザビ家への復讐以上のことを考えるようになっていたとは驚き。それだけララァのインパクトは大きいのか。そんな驚きが提示された回でララァがアムロと深く共感するどころかアムロが殺してしまうんだからなぁ
シャアはこれによってララァにとっての絶対の存在になる機会を逸したわけだし、アムロだって最大の理解者に出会ったと同時に失ったとも言える。こうなれば二人にとって長い因縁が形作られてしまうのも仕方ない