なんとなく物語を改変していたナツコが、はじめて自覚的に物語を変える。それはルークこそが自分の「初恋の人」だと気づいたからだった。このオチを知ると今までの「物語を改変しても特に気にしない」「原作の展開をあっさり否定しデステニー姫の変化をむしろ祝福する」「原作におけるメメルン関連を『謎』の一言で処理している」という今までの描写が全部腑に落ちる。「滅びゆく物語」が好き、というのは嘘ではないんだろうけど、実態としては「ルークが好き(≒それ以外の優先度は一段落ちる)」というのが近いんだろうね。
全体としては悪くないんだけど、今まで「ナツコの創作物はなぜ全てパロディなのか」「鶴山を自称する鳥は何者なのか」を軸に物語を考えてただけに、それらを全部放り投げられて肩透かし。