一度だけのみんなでのお花見。まだ出会ったばかりで各々のキョリ感に慣れていなくてみんな初々しい。元気なクジョーやカイエの姿も。白豚姫の絵を覗き込むスピアヘッド一同の顔が揃ったシーンは、今となっては見ているだけでジーンとしてしまいます。
そして、またしても…。本作品、死に対して過剰な前振りや演出をせず、突然にあっさりとやってくるのが、物語を盛り上げるための装置としてだけ描くのではなく、きちんと戦争による結果としての死として扱っているという印象を受け、作品としての姿勢に好感が持てます。
そして、今回一番印象的だったのは、描かれた事よりむしろそうでない事。前回判明した真相に対するレーナの反応が全く描かれなかった事てす。彼女が知った事実は戦局に対する認識が一変する内容だったはずで、たとえジリ貧でも86に任せて2年戦線を維持すれば良かったものが、相手を粛滅せねば滅びるという自分たちアルバが直面する深刻な問題になったはずです。もはや一人のハンドラーの仕事でどうにか出来る問題でないはず。にも関わらず、前回から一月近く経つのにジェロームどころかアネットにも話していないようにみえるのは正直不可解に思えました。仮に話して誰も真面目に取り合わないにしても、今のレーナの人柄を考えればこの辺りの行動の描写はマストであったと思うのです。ここを描かないとなれば、今後、物語は世界全体を描く事はなく、レーナと86の関係性に閉じたお話として終始するのを示唆している気がしますが果たして。