司先生がスケート靴を取ってくるのを待ちながらウォーミングアップをするシーンの春瀬なつみさんの演技が素晴らしく、思わず涙が。
今回は手描きでのプログラム滑走シーンが多いのに、グロス回で作画がこれまでで一番低調でしょんぼり。
脚本も原作からのカットや改変が多い。司先生が駅まで走ろうと判断するに至った検討がカットされ、判断の説得力が弱くなっている。星羅滑走シーンのモノローグは原作第8話の冒頭にあったものを持ってきているが、効果をあげているとは感じられなかった。原作では大会後に語られた絵馬のこれまでを、先にバラしてしまうのもいかがなものか。原作では「姿勢を(中略)しっかり踏もうとした」でスピードが出た理由を説明していたのに、「姿勢をしっかり保とうとして」に変えると説明にならないのでは。
演出も首を捻るところが多い。いのりのウォーミングアップのシーン、原作はすごくいい絵が多いのに、よりにもよって最後のキメのコマの絵を使わないのはなぜ? 金弓トレーナーも登場させているのに、いのりのウォーミングアップのシーンで映さないのはもったいない。「コムキッ!」の絵も好きだったので、原作の絵のニュアンスが再現されていないのが悲しい。鬼寅のジャンプ、俯瞰のアングルなのでジャンプの高さが伝わってこず、司先生といのりの驚きに共感できない。
かわいい強盗すず姉の登場待ってた!
ジャッキー先生本当にいい人だ……。
すず姉の「ジャッキー先生何が起こるって聞いて!」のところは実に子供あるあるで、原作でも感心した好きなシーン。
今回は、自分が原作を読んでイメージしていたよりも抑揚が小さく、淡白に感じた。すず姉はもっとあざとくていいし、大会でのライバル達が登場するシーンはもっと大げさでいいのにな。
え、なんで? なんで喜びGOE+5カットしちゃうの!? と思ったら、なるほどこういう構成にするためか。
司と加護家の寿司屋のシーン、最後が改変されてしっとりした感じに。わからないでもないけど、原作の加護家による天然なし崩しな流れが好きだったので残念。
瀬古間さんがいのりの料金を肩代わりしていたことはなんとかカットしないで欲しかった。物語の本筋に関わることではないけど、ツッコミどころを潰す意味で。
白タイツキャラリストに名港杯スケート衣装狼嵜光を追加。
ミケ太郎のプログラム、色と音楽と動きがつくとさらにかわいいな! この年齢のミケ太郎だけに許されたプログラム。
光のプログラムは原作から大幅増量フル尺で映像化されたことで、その異次元ぶりがより強烈に。あの年齢であの曲あの振り付けのプログラムをノーミスで滑り切れるっておかしいじゃろ!?
ミケ太郎と光のプログラムは演出も対照的。ミケ太郎はほぼ原作通りの流れで、曲を中断してコーチや選手の思考も挿入されている。対して光は原作にあった観客の反応は滑走後に回して曲を中断することなく見せている。
どちらも一長一短あると思う。自分の場合、光の方は見ている途中で集中力が切れてしまった。ライブシーンとかもそうだけど、映像作品だと一曲分って意外と長いのよ。
プログラムが終わった後にミケ太郎がナッチンから逃げる動きがかわいかった。このシーン、原作から結構台詞が変えられている。原作では太字で強調されてた(そして自分の好きな)「強い方が正しいんだ 正しいから勝つんだ」がカットされていたのは、意図がよくわからない部分。