平家の客人となったびわは、「さき」が恐ろしいと言った。
先とは未来そのものと言い換えていいけど、それが恐ろしいとはなんとまぁ身も蓋もない。先読みの能力を恐れているのか。
恐ろしい「さき」に対して「また今度」という前向きな言葉は明るい未来を象徴していたが、それを口にした徳子が渦潮に呑み込まれる様をびわは「視て」しまった。それは、徳子の入内の末に訪れる恐ろしい「さき」そのものなのではないか。
最終的には徳子は生還する様だけど、びわはこの先、どんな想いを持って「さき」と向き合っていくのか。平家の滅びはすでに決まっていることだとしても、びわ自身にはどうにか生還して欲しいものだ。