チセの怪我によって異形の姿になったエリアス。カルタフィルスが従えた生物を食い散らかす姿は化け物としか言いようがない。対するカルタフィルスも人間の姿であるが、ウルタールの一件から変化を感じない見た目やぶっ壊れた内面は化け物そのもの。
まさに化け物の競演としか言い様がない状況だけれど、決定的に両者が異なっている点は傍に誰かがいるかどうか。チセがエリアスを支えているのに対し、カルタフィルスを支える者は誰も居ない。エリアスは日常を思い出させるようなチセの言葉で元の姿になるけれど、カルタフィルスではなくヨセフだという彼はあんな体質になった原因すら忘れてしまっている
だから、あの場面ではエリアスよりもカルタフィルスの方が恐ろしいと感じてしまう。そもそもイザベルの亡骸を使ってキメラを使っている時点で疑いようのない正しい道から外れた存在としか思えないけど
自分が犬だったことを忘れ彷徨っていたユリシィ。本当の自分を思い出しチセによって新しい名前を付けられた彼が最初にした行為が以前の主人を眠りに返すことだったのは、ウィル・オー・ウィスプの言葉を借りれば既に死んでいるイザベルに子犬のように甘えることを辞め新しい道を進むと決意するために必要な儀式だったと取れるのかな
カルタフィルスの非道な行いに怒りを覚え暴走し掛けたチセを今度はエリアスが止めた。エリアスを止めるチセの描写が前半に有ることでどちらかだけがもう片方を支えるのではなく、エリアスとチセが互いを支え合う関係になったことが今回の内容からよく判る
ここに新しい家族として加わったルツ。チセがユリシィの過去を見たようにユリシィもチセの過去を見たのだろうか。使い魔の利点に挙げられていたように、彼はこれからチセを支える存在となるのだろうか?
凄惨な事件であっただけに一緒に帰ろうというチセの言葉がとても穏やかなものに感じられた