宇宙だって遠い場所であることに変わりはないが、近年は日本人宇宙飛行士の目覚ましい活躍で身近に感じられる機会も増えてきた。けれど、南極で活躍する日本人は居るんだろうけど彼らが活躍する話を聞く機会は多くない。そういった視点で見れば南極を宇宙よりも遠い場所との例えは言い得て妙な表現
青春したい!と思うものの明確な目的もなく、今日はサボって旅に出ようと踏み出しても不意に怖くなり上手く行かなかった時のことを考えて学校に戻ってしまう。そんなマリが出逢ったのは南極へ行くと公言し続ける報瀬
そんな報瀬に出逢ってマリは一歩を踏み出す勇気を手に入れたようにみえるけれど、これって報瀬にも言えることじゃないかと思う。南極へ行くと言っていてもそんな彼女に出来るのはバイトをしてお金を貯めることがせいぜい。しかも貯めた大金を無くしても誰にも相談できずトイレで一人泣くしか無い
報瀬の目標を応援すると言ったマリはこれまで報瀬を応援すると言った子達と変わらないかもしれないけれど、マリは能動的に南極の本を読んでいた。だから報瀬はマリに一緒にしらせを見に行こうと試すように誘ったのではないだろうか
二人が踏み出した旅の先で怖いものなんて何も無かったのは、新幹線の中で様々な表情を見せる二人を見れば明らか。一人旅じゃなく二人旅だからこそ見つけられた楽しさなんだろうな
二人が南極へ繋がるかもしれない一歩を踏み出したのは確かだけど、どう考えたって何者でもない女子高生にとって南極はあまりに遠い場所。彼女らの行動がどうやって南極への道を切り開くのか少し気になってしまう