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とても良い

これまで描かれてこなかったしおの内面が描かれる回。さとうはしおを愛玩動物のように扱ってきたけど、しおはそこまでか弱い存在でもないし守られるばかりでもないよという点が判明する

しょうこを殺した反動か倒れ込んでしまったさとう。その姿はしおからすれば限界を迎えてしまった母の姿を思い起こさせる。だからさとうを元気づけようとカレーを作ったり、家事を手伝うことでさとうを助けようとするのだけど、その行為がしおに母の記憶を思い出させ、母を助けようとした際の強さを取り戻させていく

しおとゆうなが暮らした家の惨状はとても酷いもの。夫と共に暮らす間の生活は耐えるばかりで、そこから逃げ二人だけの暮らしになっても希望は相変わらず見えない。当然そんな生活で真っ当な愛情が育まれるわけがなくて。
その生活の様子や、しおとさとうが出逢った際の遣り取りからしおもさとうと同じように本当の愛を探していた人間であることが察せられる
そんなしおにとってさとうと共に暮らす家は本当の愛を育む二人だけの城。だからさとうが理由も告げずにその城を放棄しようとするならば反発するのは当たり前。

さとうにとってはしおを可愛がる環境を継続できれば何処へ行くことになろうと問題はない。けれど以前の自我を取り戻し不安定な状況から脱し、さとうを助けたいと思えるようになったしおからすれば、大事な事を何も話さず自分を愛玩動物かのように扱い続けるさとうには我慢ができない。

さとうが見つけた本当の愛とは与え尽くすもの。しおが愛玩動物のようであったこれまではその遣り方で良かったが、強さを取り戻したしおには相応しくない遣り方。だから拒絶されてしまう
ここでさとうが「独りぼっちは嫌」という本音を曝け出すことで、しおも同じように本音を曝け出し、さとうを守ると、共犯者でいさせてと言う。さとうからしおへ一方通行気味であった愛が、しおがさとうに対し与え尽くす姿勢を鮮明にしたことで双方向的な愛情となる
二人の間の愛情が今回の話を通して明確化し、結びつくがより強くなったことが判る

最後には外の世界に向かって決意表明するしお。変化した二人の関係性が今後どのようなものになるか気になるだけに、しおが未だ思い出せずにいるあさひの存在によってどんな波乱が巻き起こされるのか恐ろしい…



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