誰かに構って欲しい欲求からネットに自撮り画像を投稿していた双葉。二人になってからの考え方の微妙な違いが面白い
眼鏡双葉は女子としての特徴が目立つ自分の身体を嫌悪しつつも、投稿して反応があれば救われる気分になると言うが今は投稿を辞めさせたいと考える。そして一つに戻せるかと聞かれれば戻せる気はしないと答える
ポニテ双葉は投稿をする自分を客観的に見て馬鹿なことをしてると思うために続け、それを自傷行為でありと自覚しながら自分が嫌いだと吐き捨てる。そしてどちらかの双葉を諦めた方がいいと進言する
自己否定からの自傷行為が続いてしまうのは自分で自分を傷つけているから。自傷行為が身バレによって他傷行為になってしまうなら途端に恐怖を感じてしまうのは仕方ないこと
ここで咲太がポニテ双葉に付いてあげるだけでなく国見を呼んで楽しい思い出で恐怖を上書きしてあげたのは良かったな。そしてこのような思い出ができたからこそ、咲太と国見の二人に見捨てられるのではないかと恐怖を感じていた双葉はその恐怖を克服することができる
夜中に突然集まって朝まで花火。こんな馬鹿なことを自分のためにしてくれる相手が居るなら何も心配することなんてない。それはどうしようもなく嫌いな自分を許せた瞬間でもあるのだろうね
そしてポニテ双葉が眼鏡双葉に突きつけた三人が並ぶ写真。これは眼鏡双葉が入り込む余地など無い光景に思えるけど、結局あの写真で咲太と国見に挟まれているのは双葉自身なのだ
ここで眼鏡双葉は写真という媒体を通し二人と仲良く映る自分を客観的に自分だと認識できるのかと試され、耐えきれず逃げ出してしまう
その後、咲太がしたのはポニテ双葉にしたことの繰り返し。台風の中、学校にいる双葉を見つけただ花火に行こうと誘う。当初は反発していた眼鏡双葉も咲太が倒れるまで自分を探していたと知り、そしてどこまでも双葉を慰めようとせず初めて会話した時のような下らない遣り取りをしてくる咲太が居てくれるなら何も心配することはないと判ってしまう
こうして見ると分裂した双葉に必要だったのは嫌いな自分を許せるかどうかだったのだろうね
分裂が終わり、ポニテ眼鏡双葉になった上に着物を装備した双葉。叶わない想いを国見に伝え、涙を一瞬流しても晴れやかな表情を崩さなかった双葉からはこの短期間で大切なものを手に入れられたことが伺えるようだった