3話まではカブを手に入れた事で小熊の心の在り様が広がっていく様子を中心に描いていたように思うのだけど、遂に4話からは実際に小熊の行動範囲が広がっていく様子が感情豊かに描かれているね
カブを手にする前の無い無い尽くしだったこれまでの生活ではバイトの必要性を感じる事はなく、またカブが無ければあのバイトを受けられなかった。カブの存在が小熊をアルバイト生活へ導き、そしてこれまで行ったことのない土地や学校へ足を踏み入れることになったわけだね
でも、行動が広がったとしてもそこへすぐに小熊が順応できるわけではない
最初の時は緊張のあまり書類を受け取るのも忘れて出発しかけるし、相手の厚意も受け取れなかった
カブに慣れるために何度も走ったように、何度も新しい土地へ向かったことが小熊の心を変えていったようで
雨に振られた際にはタオルやお茶を受け取れるようになるし、簡単な雑談もしてしまう。ちょっと値段が張るレインウェアも購入に踏み切れるようになった
カブに乗って走行距離が伸びていくように、小熊の行動も広がりを見せていく
無事にバイトは終わり、走行距離1000キロ超えの整備も自分で出来るようになっていた
そうして新しい心持ちとなった小熊が向かう事になったのは礼子の家ですか。まだ友達ではなくてカブ乗り仲間の域を出ない礼子の誘いを少しの躊躇で受けた瞬間こそ、小熊の「もっと遠くに行きたい」という心を反映しているように思えたね