予備校編に入ってから他人と比較する描写が増えた本作。今回は自分を誰と比較するか、比較の際に相手を決めつけていないかという点が中心に描かれていたね
八虎が天才と考え引け目を感じる世田介と桑名。その二人だって自分と誰かを比べているようで
クリスマスにケーキは一休みかと思えば、それも課題。決めつければ痛い目に遭う
前回は自分の描き方を決めつけてしまった事で評価を下げた八虎、今回は逆に自分を下に見過ぎているかのような描写が目立つね
八虎がそんな風だから、隣に立つ世田介や桑名のスタンスが明白になってくる
世田介は自分には美術しか無いと考えている。だから何でも持っていて、絵への理解力を上げる八虎が羨ましく、劣等感を覚えてしまうのだろうね
それでも八虎は素直に自分の感情を口にして、素直に世田介の言葉に喜ぶのだから余計に堪らない。世田介に未知の感覚を与えている
桑名は姉への劣等感を持っていたようで。そして意識するあまり自分から姉の絵に近づけ、似ているという認識から抜け出せなくなっていたのかな
自分は姉より劣り、落ち込む者を見て心を整えていた。それでは自分を嫌いになる
そんな桑名の特性を見出して絵を評価した八虎の言葉は彼女を慰めたようで
八虎は世田介と桑名に対して嘘のない憧れを口にする。だから他人と比較して自分を決めつけていた二人にとって衝撃を与えるのだろうね
八虎は自分を天才ではない、武器を持っていないと決めつけてるけど、既に自分だけの誰にも無い特性を持っている気がするけどな
彼が受験日までに気付くことは有るのだろうか?