フリーレン達は旅をしているから一つの街に留まる事はない。すると自然と増えるのは出会いと別れ。それは今になって始まった事じゃなく、勇者一行時代にもしていた行為
ヒンメルが旅した痕跡がそこかしこに残り、更にフリーレンの旅が新たな痕跡を残す。そこに生じる連綿とした繋がりを感じられる最終回となったね
合格となったデンケンとヴィアベルに共通するのは、ヒンメル一行の痕跡を持っている点かな
デンケンはフリーレンに憧れて魔法使いになった。ヴィアベルはヒンメルの逸話を尊敬し生き方を選んだ
そうしたヒンメル一行の痕跡が各地に在るのはそれだけヒンメルが人の記憶に残る旅をした証
ヒンメルが道中でした小さな人助けはそれそのもので世界を救う事はないし、勇者の振る舞いではないかもしれない。でもヒンメルがして、フリーレンに受け継がれた小さな痕跡が今に繋がっている。そしてその繋がった今が一級魔法使いを目指す者達の助けとなった
ヒンメルは別の意味で誰かを救っている
旅の痕跡が今に繋がるという意味ではフランメやゼーリエがした行為にも似ている
フランメなんて伝説上の人物だけど、彼女の痕跡・功績は各地に今なお残っていてゼーリエも覚え続けている
レルネンが自身の行き止まりを悟り突飛な行動に出たけど、きっと彼の痕跡もゼーリエの中に残り続ける。それは人を生かす人生の旅と呼ぶべきかもしれない
なら、フリーレンがしている旅も物理的な意味だけでなく、精神的な意味も含んでいる筈で
ヒンメルと再び話す為に『魂の眠る地』を目指す彼女の旅はヒンメルの痕跡を辿りつつ、自身の痕跡を残す旅。同時にヒンメル一行を覚えている人々との会話を楽しみつつ、自分達を覚えて貰う為の旅
新たな旅でありつつ懐かしい旅である彼女の道中を再び見られる日が待ち遠しくなってしまうよ