高校辞めて東京目指すなんてかなりロックな生き方。でも、それは彼女の音楽性を体現してはなく、むしろ行き詰まっていたから別の場所を目指しただけかもしれなくて
マイクもギターも持たなかった仁菜が本物のロックに手を伸ばすまでを描いた初回、既に興奮度の高い内容になっているように思えましたよ
道を間違え時間に間に合わず人から逃げ。それは上京したと云うより追い詰められてしまった人の行動そのもの
何も頼れない彼女がそれでも拠り所としたのは初期衝動を模したかのような歌とその歌手
一方で追い詰められていた桃香も最後の夜に彼女を拠り所としたわけか
目指すもの無く行き止まりに居着けば進めないから帰り道しか選べない
桃香はそれに納得していた。納得せず反抗を初めたのが仁菜で、更に言えば仁菜はもっと前から反抗していた訳か
でも仁菜には居場所がないからその反抗を表現する場を持たなかった
そんな彼女に最後のトリガーを与えたのが諦めた桃香の言葉という流れが良いね
桃香の決断に納得せず、彼女が去るしか無い現実も己の負けも受け容れず。そうした彼女の反抗心が、天を衝く中指が桃香だけでなくロックという何かを呼び寄せるものになっていたかのよう
聞き届けてくれる誰かの為でなく、溢れ出る衝動を表現するように雑踏の中で歌い上げた彼女の姿には感銘を覚えてしまったよ