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とても良い

予備校を辞めるだなんて大き過ぎる一歩を宣言した仁菜。波乱を巻き起こす彼女を桃香は認められない
歩むとは逃げにも進むにも通じる行為。仁菜の一歩は自暴自棄な逃げに見えるから桃香は批判する。でも、その進み方はかつての桃香と瓜二つ。今の仁菜の一歩がかつての桃香の一歩とリンクする構図が本当に美しい

焚き付ける形で共に踏み出した友達を見捨てるように逃げてしまった桃香は自分が間違っていたと悔いているから、似たように退路を断ち踏み出す仁菜に反発する
でも、桃香が最も気にしてるのは仁菜よりも自分の心境か?仁菜なら成功するかもしれない、仁菜も失敗するかもしれない
期待と恐れが交差する迷いが桃香を動けなくさせる

仁菜の在り方は眩しかった頃の桃香と同等以上。なら、仁菜の言葉はかつての桃香からの批判で、今の桃香の窘めはかつて桃香を否定した大人の言葉
仁菜の歌を聞きたいと願う桃香はかつての自分への期待を捨てきれていないようなもの。だからこそ、「逃げるな」と全力で訴える仁菜の言葉が響いてしまうのかもしれない

そこにダイダス3人の決心が届くのは本当に感動的
桃香は現ダイダスを正しいと、自分は間違っていたと決めていたから、彼女らが桃香が逃げた道を間違ってないと進み続ける様に押し潰されそうになる
だから、それに負けじと桃香が選んだ道こそ正しいのだと仁菜が堂々と宣言する様に救われる
ダイダスが正しさへ進み続けるなら、仁菜とて進めるのかもしれない

どちらにも正しさが有る。なら桃香は正しい道へ進む現ダイダスを批判できるし、新たなロックスターである仁菜と共に進み出せる
でも、それは再び他者からとやかく言われるロックと再び向き合う恐怖があって
それだけに桃香の全てを肯定し正しいと伝えてくれる「桃香さんが好きです」には本当に感動してしまったよ……



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