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とても良い

全国大会本番まで来たのだから語りなんて必要な量だけで構わないよね?と言わんばかりの構成が素晴らしい…
久美子達があの会場に辿り着くまでの全ては既に幾つもの物語に拠って描かれている。直前の日々だから、本番の舞台だからと今更描くものは少なくて
種蒔きの如き努力が大輪の花を咲かせる最終回はシンプル故に強い

他方、本番までの日々は3年生にとって高校最後の日々でもある
だから自分の未来を意識しつつ、先輩達がしてくれたように高校生としての未来が有る後輩へ残すべきものがある
それがあの楽譜となるのは感慨深い。実力主義が吹部全体の伝統であるならば、あの楽譜はユーフォだけの特別な伝統。それはきっと久美子だから残せるもの

本番当日はそれこそ余計なものなんて無くて
積み上げた様々を披露する。だから今更語り直さなくても、彼女らが発する一言一仕草にこれまでの日々が詰まっている
その意味では種蒔きの集大成。特に全部員の顔と名前が次々と映されるシーンには感極まりそうになってしまった…
あのシーンで映った一人一人が居たからこそ北宇治は全国まで辿り着けたのだと思えたよ

そして演奏シーンがこれまた凄かった……
京アニならきっと全シーンを奏者の手元に使う事だって出来るかもしれない。けど、あのシーンで映すべきはやはり種蒔きの日々で
辛さも悲しさも嬉しさも全てが詰まっている。だから聞かせるべきは音のままで見せるべきは北宇治の日々となる
彼女らがこれまで過ごした日々こそが演奏に成る

多くの者が願いつつも辿り着くのに多大な努力を要したゴールド金賞
喜び涙する面々の様子だけでもこちらも涙ぐんでしまうのに、「悔しくて死にそう」から始まった物語が「嬉しくて死にそう」へ帰結したのだと実感させられて感動もピークへ
その勢いのままに種蒔きが実った事で花開いた笑顔が映されたものだから「本当に良かった」って気持ちで一杯ですよ……

後日談として描かれる久美子の進路はやはりそういう方面でしたか
桜並木を抜けて北宇治に入り、そこで過ごす内に「北宇治が好き」と思うようになって
そんな彼女が新たな桜が芽吹いた北宇治へ戻ってきて、何処かで見た仕草で吹部に入った者達を出迎えた。伝統が繋がっていくような様子には感極まってしまったよ……

いや、本当に良い作品に出会えた……
実を言うと、今年から本シリーズに触れた私にとしてはまだ見ていない作品とかも有ったりするので、今回の感動を思い出しつつも過去作にきちんと触れていきたいと思いますよ
そうして改めてこの素晴らしい最終回を再視聴したいものです



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