スターはお飾りで、実際は別人が歌っている。
これくらいのことは、日本でも普通に行われている。
表沙汰になっていないから、世間に知られていないだけ。
舞台設定を中国にしたから、どうにか世に出せた。
おそらく舞台を日本にしていたら
どこからか圧力がかかり、世に出せていないはずだ。
造りは杜撰だが、制作意図だけは評価したい。
「続編」と銘打ち、登場人物やシナリオを新規に書いた別作品。
劇中、断片的に「前作」ヒロイン・ノリコの功績が語られるなど
世界観を引き継いではいるものの、画風に面影はなく、
これをシリーズ作と称するのは無理がある。
今作のヒロイン(ノノ)の無軌道な言動について
観衆が納得するに足る演出がなされているようには窺えず
物語に対する熱意は感じられなかった。
作り手は「続編をつくりたかった」のではなく
資金集めのために、過去の作品の名声を借りたかったのではないか。
時代を感じさせる「前作」の画風で続編を展開することは
商業主義にもとづく判断から無理とされたのだろう。
しかし、このデザインにするなら、題名も世界観も改めて
完全新作として企画すべきだったと思う。
タイムリープもの+ディストピアもの。
主人公が長期の睡眠から醒めると、世界は荒廃し
巨悪に脅かされる暗黒の世界と化していた。
主人公は一時的に過去に戻り、過去の人々に干渉することで
現在の結果を変える手段を得るが、状況は悪化するばかり。
凄惨な事態をもたらした根本原因をつきとめ、すべてを過去に戻し
陰謀の決行前に敵は拘束され、世界の荒廃は未然に防がれた。
この結末に批判はあろうが、最終決戦の時点で世界は
敵勢力と主人公とごくわずかな友人のほかに生き残りはおらず、
選択の余地はなかったと思う。
しかし、事態の原因は主人公が携わっていた研究にあった。
全世界を災厄に巻き込んでいながら、時間が戻り、人生をやり直せて
婚約者と幸せそうに暮らすさまを素直に祝福できる者はいないだろう。
エンディング曲を歌う声優ふたりは、
本編で主人公の婚約者マージュと友人ユーリィを演じており
このふたりがヒロインとみられる。
クレジットにおいて、表記順はマージュが先だが
本編でマージュの出番は回想ばかりで全般に少なく、
実質的なヒロインはユーリィである。
共同生活を送る若い女性五人によるコメディ。
三姉妹の長女が良い味を出している。
本編とオープニングムービーはCG、
エンディングムービーはイラスト。
コスト重視で制作したことは明白。
資金面でやむを得なかったのだろう。
ビデオソフトはアマゾンが独占販売。
マイナー作品ゆえ、売れ残りが確実視されたであろうから
商品知識に乏しい外国人経営者が仕切るアマゾンに
不良在庫を押しつけたとみられる。
序盤で画質が変化していることから、制作に着手した時期は
随分過去のことで、いちど企画は中断されており、
スタッフが交替したのではないかと思われる。
ふたりのヒロインは、両者とも
今の地位にいなければ紛争に介入していなかったと思われ、
信念で行動したのでなく否応なく事態に巻き込まれた感が強い。
護るべきものを護るために大義を背負って行動した者は
劇中ですべて死亡しており、紛争は鎮まるも
横暴な者が最後まで誅されることはなかった。
作り手に理念があったかどうか疑わしい。
頓挫した企画を形にするために仕事をしただけなのだろう。
下品。
主要キャラクターが劇中でぶっちゅぶっちゅキスするし
メインヒロイン? がケツ丸出しで仲間と私闘したり
美少年キャラクターが女学校潜入時に女装させられたりと
深夜枠とはいえ、スクエニブランドでここまでやるかと閉口した。
枠内のCMを観ると、どうやらスマートフォンゲームの
プロモーションとして企画されたとみられる。
一応、主人公サイドは世界の秩序を回復するという大義があるようだが
「棚ぼた的にチカラを得た者たち」を「持つ者」が上から目線で
再起不能にして回る構図に、共感できる観客は居ないのではないか。
オープニングの(本編と不釣り合いなくらい)爽やかな曲は、今季における指折りの名曲。
主人公に好印象が湧かない。
中性っぽいほうは、同僚らから損な役を押しつけられる
よくいる「かわいそうなやつ」なのだが
性格に問題があるので、同情する気は起きない。
いかついほうは、悲壮な過去を背負っているようだが
日頃の言動が尊大なので、応援する気は起きない。
脇役も量産された印象。
派手なアクションで販促する、娯楽作というものだろう。
設定は良かった。世界観は良かった。キャラクターデザインは良かった。
良くない点もあったが、大ヒットしたことで
良くない点ばかりが美化されて、間違った評価をされてしまった。
その傾向は近年の作品に多いのだが
通史上、それがもっとも強く表れたのがこの作品だろう。
あれほどプロモーションに力を入れて鳴り物入りで公開したのに
キャラクター、シチュエーション、プロット、何から何まで先行作品のパクリばかり。
エンディング曲は複数あり、メインは劇中に登場するアイドルのキャラクターソング。
一部のエピソードで「Hello, Again」のカヴァーが使われている。
エンディングテーマ曲をどうするか、オリジナル曲にこだわるか
スタッフの間で意見が分かれたものとみられる。
ここまで作品全般にオリジナリティが希薄なら、
アイドルのキャラクターソングは
劇中でアイドルグループが和解するエピソードに限定し、
正規のエンディング曲に「Hello, Again」を据えてもよかった。
作画スタッフはよく頑張ったと思う。