All right 俺は大丈夫 All right お前だって大丈夫
当てなどない 宛名のない手紙
たらればをならべた だけの今朝
ベタ だけどもbetter
何より今より良くなる未来へ
人を見る瞳 声を聞く耳
会いたい奴のとこへ向かう足
この胸に抱く愛すべき
友達 仲間 家族
このアニメの放送年が2009年で、原作小説の発行年が2004年なので、今見るとどうしても治療内容に古さを感じてしまうが、「エンタメ」と「真面目な精神治療」をしっかり両立させようとしている姿勢に凄く好感を持った。個人的には、各話全体で感じられる「自分の性格や思考のクセを全部変える必要は無い」というメッセージが、それが100%正しいのかは置いておいて、とても素敵だと思った。
面白過ぎた。戦争をテーマにしながら、主人公達の国が比較的有利な状況から話がスタートして、回を重ねる毎に不利になっていくという、戦争系アニメにおける王道から反転させた構成を取っているダークファンタジー。物語全体だけでなく、各話毎で見ても、ベタから反転させた展開が多かった印象を受けた。しかし、ただ反転させたという訳ではなく、露悪的になっておらず、真剣に考え抜かれたような展開ばかりだったので、最初から最後まで見ていてずっと引き込まれた。
思春期の葛藤、宗教、幻想的で前衛的な世界観、性別不定同士のバディなど、物語に含まれる要素も盛り沢山で、何だか「宝石の国」の原型感があるなと思った。偶然なんだろうけど「シムーン」のキャラデザと、アニメ版「宝石の国」のキャラデザは、同じ西田亜沙子先生が担当しているらしい。
そして百合好きとしては、やはりドミヌーラとリモネのペアが一番萌え萌えだった。作中で最重要になってくる大技を、主人公達とは別のペアが先に決めるというのが良い。手塚治虫の「ブッダ」に出てくるアッサジ然り、非常に頭が良くて、それ故に早く退場する子供のキャラクターというのはやっぱり魅力的ですね。
というか、「シムーン」も「vivid strike」も「Extreme Hearts」も全部同じ監督がやってるのか。「vivid strike」と「Extreme Hearts」が同じ監督なのは納得だけど、「シムーン」まで同じなのは意外だった。「vivid strike」も「Extreme Hearts」も大好きだから滅茶苦茶嬉しい。