女の子の可愛さを堪能するため邪魔にならない程度の差し障りのない会話をお楽しみ頂く不条理日常アニメの極北。中身なんて全くねぇ、落語なんて無関係――と言いつつ(言われつつ?)円盤特典の創作落語は異様に出来が良いわ、『落語天女おゆい』で主役を張っていた後藤沙緒里がメインにいるわで題材への愛もひしと感じる。そうはならんやろな脱線会話をひたすら続けられるのもボケたがりの落語家たちだからなのかもしれない。作者の思想が垣間見える時事ネタから危険なパロディまで、10年経っても古びれないのはひとえに唯一無二のマニアックさ故。ミッキーの声真似する流れが危険すぎてお腹が痛くなるくらい笑いました。
原作未プレイ。多分複雑なのであろう世界観はさて措き、物々しく武装した女子高生が重火器をぶっ放すわりに特に怪我人が出るわけでもないふわっとしたリアリティラインにいまいちノレなかったが、中盤以降あからさまなビジュアルの敵役が登場し、アビドスの土地を巡る地上げ屋との抗争が主題である『ナニワ金融道』的なお話であると明かされたことでいわゆる"JKにオッサンの趣味をやらせるアニメ"の流れだったのだと得心がいった。とはいえ、それが面白いかといえば……。OPに関しては文句なしに今期ベスト。
ソリが合わないJKふたりの崖っぷちで綱渡りな声優活動。ふたりに降り掛かる災難とその切り抜け方が(原作からそうですが)時事性の高さ故にあまりにも炎上商法紛いで危なっかしく、よく言えば若さだけが許される勢い、悪く言えばリテラシーの低さに肝を潰される。最終話の無音と息遣いでやすみの演技に呑まれるような緊張感が良かっただけに、対SNS術よりも業界のお仕事の方により力を入れた方がより面白くなったのでは。EDやキャラソンを聴くと、伊藤美来と豊田萌絵を逆のパターンでも見てみたい。
天使をはじめ雪女、吸血鬼、河童に人間のクラスメイトと異種族に囲まれたハーレム学園ライフはこれぞ伝統のガンガンラブコメ。ギスギス、ガツガツしすぎないのほほんとしたアットホームな中に下品にならない按排で(ここ、重要!)ちょっぴりサービスシーンを織り交ぜる。ひたすら可愛い女の子に癒される。それこそ90年代から何ら変わらぬ空気感がそこにある。が、平成の頃なら庭付き一軒家で全員同居していただろうところがマンションのワンルームなのは世知辛い。お気に入りはリリーシュカなれど、『シャドバF』視聴者としてはつむぎの集貝ボイスもハマり役だなぁと。