魔族を勉強する前半部、人間を勉強する後半部に分かれていた印象
サリフィは街の様子から魔族と人間の共通項を見出しているね
魔族も人間も異物を恐れるのは同じ。だから両者から異物と扱われるサリフィは排斥されてしまうと…
その哀しさが有り余る程に描かれていたよ
魔族も人間もサリフィの正体を知る前は優しさと温もりに満ちていたのに異物と知り一変した
反面、相手の正体や異質さを知っても態度を変えなかったのがサリフィとレオの組み合わせ
魔族の世界において瘴気で弱るのは異物の証。だからサリフィは捨てられたと思ってしまった
でもレオだって瘴気がなければ姿を保てない異物。排斥する理由はない
サリフィが貰った指輪は瘴気という異質に少しずつ慣れていくためのもの。いきなり全てに迎合するのではなく少しずつの変質
また、サリフィが魔族の国を勉強し始めた点を併せて考えれば、今後時間をかけて彼女が魔族を受け容れ、また魔族から受け容れられていくのだろうと想像できた回だったよ
前回はトプロやアヤベが身を置く環境を支えであり負荷であると感じたけど、今回はその傾向がより強く見えたな
トプロは敗北で支えを負荷と感じてしまった。アヤベは負荷を罰と扱い更に力とした
二人の向かう先は対称的である故にライバルとして成立している
過負荷にも程があるトプロの追い込み。それは自分を信じる者達に応えられる自分にならなければという焦りの現れ
でもそれは本当の意味で信頼に応える動きではないんだよね。見えない期待ばかり追っては体が重くなるばかり
その意味では見える期待に回帰させたトレーナーは有能だね
対してアヤベはまさかの方向性…
勝負を楽しむなんて何も間違いではないのだけど、喪った者を支えにしてきた彼女だから得る事を否定してしまう。走る未来を失う自分に安堵を覚えてしまう
暗闇に落ちそうなアヤベをトプロやオペラオーは果たして引き上げられるのだろうか?
トプロやアヤベが迷う横で負荷とか支えとか些細な問題だと言わんばかりのオペラオーが癒やし
サイダーが顔に掛かった事をケチが付いたと考えず、箔が付いたと考える彼女は本物の王者だよ
敵が無限に分裂しそうだとか、子鉄達を助けるのは正しいのか?とか、考え過ぎても考えなくても正しい答えを出すのが難しい状況
必要なのは間違いの無い考えのもとに適切な答えを出すこと
その点を無一郎も炭治郎も巧く遣れているね
命を削り取られるような限界ギリギリの戦い、普通なら思考停止に陥りそうな境界で敵の戦い方や傾向を適切に見抜く炭治郎は流石
それでも何もかも見抜くまで待ってから攻勢を仕掛けているのではなく、時には考えを切り上げてタイミングに合わせている
だから半天狗の考えを上回れる
対して幾ら考えても正体が見えないような禰豆子や玄弥の特殊体質が半天狗に焦りと恐慌を齎すのは面白い
考えなければ答えは出ない。一方で戦いの中では命を諦めた時点で戦いは終わる
考える炭治郎と考えさせる禰豆子や玄弥。その組み合わせは意外な強さを生みそうだ