原作既読
『プラネット・ウィズ』放送時も驚いたけど、こうして水上悟志作品が、しかもあの名作がアニメとして放送されている事に驚きと感動を覚えずに居られないね
指輪の騎士達の物語としてはまずまずな滑り出しの印象
突然夕日の前に現れたトカゲが語る滅亡に抗う騎士の役目。普通は受け容れられないから夕日のように投げ飛ばすのはある意味正しい対処法
手にした力も芝生いじりやスカートめくりなんて目先の悪戯に使ってしまうのは、夕日が力の本質を受け容れていないから
それが変わらざるを得なかった瞬間が泥人形襲撃とさみだれの拳か
圧倒的な迫力は受け入れるとか受け容れないとかそんな想いを問題にさせてくれない
また、夕日から見れば華奢なさみだれが騎士と姫の物語を当たり前のように受け容れているのも夕日の価値観をぐらつかせるもの
トドメがあの大光景!
滅びの象徴、再度の生き死に、それらを上回る覚悟を見せた魔王に魅せられる夕日。それは強制的に受容や価値観を塗り替えるもの
ひねくれた態度だった夕日がまるで中世の騎士のように忠誠を誓う構図で終わる初回は遂に始まったという感動で一杯にさせてくれる
原作既読
風変わりな異世界転移モノとして知られる本作、開幕は異世界から帰ってきてからだし、異能の使い道もユーチューバー
テンプレを抑えつつ敢えて外した内容は浦島状態のおじさんの如くズレているからこそ面白いといったところ
おじさん的に異世界での冒険譚や異能よりセガの趨勢を気にしていた点は現代感覚からすると変わってる感満載だし、おじさんの異能を現代無双より面白ユーチューバーとして扱うタカフミも何処かズレているね
でも、そういったズレを積み重ねる事で本作の面白さは研ぎ澄まされるわけだ
そして最大の注目ポイントはやはりツンデレエルフか
ツンデレという概念を知らない為にテンプレ感満載の台詞でもその想いに気付かない。それが幾らかズレたラブコメとして視聴者に焦れったくも面白く映るという構図
てか、一人だけ逃げられて「…ったく」で許すエルフは普通に優しい人では……?
それにしたって指輪を贈る行為に換金以外の意味を見出していなかったおじさんはツンデレ概念を知らなくても、恋愛感覚がかなりズレている気がしないでもないけど
そして、そんな扱いをされても懲りずに関わろうとするエルフはメンタルが強い。だからこそ、オーク顔のおじさんと関われるのだろうけどね
原作既読
本作はロクサーヌ加入してからが色々な意味で本番なので、ロクサーヌ登場までトントン拍子で進んだのは好印象。ただ……
ギャグ描写とかでなくガチの規制としてピー音を連発する作品は久々に見たかもしれない(笑)
ゲーム感覚で入りながら現実と知ったらすぐに受け容れられるのは現状認識力の高さゆえか
でも高い分だけ自分の孤独も把握出来てしまう。それの回避策が奴隷売買となってしまうのは世知辛いが……
まあ、世のシステムがそうなっているなら仕方ない…のか…?
ただし、ミチオは無一文から盗賊退治の賞金を貰っただけの金欠人間。だから金が欲しいのは事実だが、欲しいのはその先にあるもの
非現実的な異世界にやってきて様々な能力や武器を手にしたのに、そこを現実と認識したばかりに現実的な問題が降り掛かるのは何とも奇妙な構図かも
あと、作中のピー音だけでもアレな雰囲気だったのに、EDで更にアレな雰囲気になってしまった気がするよ?
第4期ともなれば流石の安定した作り。またアインズが治める魔導国も安定した滑り出し
でも安定しているだけでは面白みがないし方向性も存在しない。そこでアインズが求めたのが国の導き方ですか
力や権威で抑えつければ相手は言う通りに動く。でもそれでは想像から外に出る事はない
だからアインズは何処までも酷さが想像可能なパンドラを変えたいし、寂れてしまったギルドにも夢を授ける
そうした行為がかつての仲間に胸を張れる自分へと回帰する点は彼の本質的な初期目標が変わっていないのだと示しているね
今回、アインザックをアインズの唱える理想郷に惹かれて心変わりしたように、アインズの目標は魔導国やそこに住むアンデッドや人間をどう変えていくのかな
亜人種と異形種、そして人間種が共存する未知の国。そこに至ることは有るのだろうか?
本作は超越者による蹂躙模様が楽しめるのは勿論のこと、今回のように国の運営や統治の仕方、そして部下の扱い方などそういった面も楽しめる作りになっているね
知識不足で不向きだと感じながらも、何だかんだ集団にとって必要な方向性を授けられるアインズはやはり頼もしいトップだよ
原作を楽しみに読んでいる作品だけに久々の続編も期待感を持って視聴したけど、その期待感に応えるだけの良さは既に見えるね
グループに潜む優待者。それを守って皆で勝つか、裏切って自分達だけ得をするか。ポイントという餌が試験の行方を単純にクリアを目指せば良いものではないとしている点は面白い
無人島試験のようにアクションによりクリアするのではなく、話し合いによって解決しなければならない試験でAクラスが採るは話し合いの拒否
話し合わなければ正体も見えず疑念も生じないという発想
ここで面白いのは綾小路のスタンスとAクラスの発想がが被る点かな
底力を隠す為に極力発言を控える綾小路。それは堀北の後ろ盾を探る龍園すら気取れない程
つまり発言が多ければ正体が見え、少なければ正体は見えない構図
発言を積極的にした一之瀬は主導権を握るし、返答をしなかった軽井沢は女子達から苛立ちをぶつけられる
こうして考えると、ラストシーンにて何も発言せずに嘆いていた軽井沢は何かしらの正体を隠していると考える事も出来るけれど……
EDにおいて意味深な構図を為す軽井沢と綾小路。正体を隠すこの二人が第2期において注目点となっていくと判る初回だったね
全くの守備範囲外だったんだけど意外と面白そうな
割と有り得そうな近未来社会というSF舞台でユーレイ探しが主題となりますか
鮮やかな、もしかしたら鮮やか過ぎる視界の中で人と違うものが見え始めたベリィはこれから何を見ていく事になるのかな?
デコによって自分好みに成形された風景、らぶという相互評価システムが生活レベルと直結する社会。これらは近未来SFとして申し分ない要素。そこにユーレイやら怪人0やら正体が不確かな要素を混ぜる事で完成された近未来社会を不完全かもしれないと思わせるヒントとなっているようね
らぶを集めたいだとかユーレイや怪人の正体を探りたいだとか、とても少年少女らしい感情をきっかけに見始める事になった社会の別の姿
この先、ベリィは少年少女らしさを失わずに社会の有り様を見ていくのか、それともハックに影響されて社会の裏へのめり込んでいくのか。その道行きがどうなるのか楽しみかも
ミカンの心に住まうウガルルに新しい仕事を斡旋する最終話
……こう書くと何だか全く別の話に思えるけど、要はこの話で行われたのはウガルルを正しく召喚し直す行為であり、ウガルルの形や役割を再定義する行為だったのだろうね
第2期で何度も行われたのはシャミ子がナントカの杖を自在に使いこなすこと。そこではイメージが最重要視された
同じ視点で考えればウガルルが暴走したのは正しい役割・イメージを得られなかったから。だから「守る」を心が震えた時の自動反撃と捉え、ウガルルは自分のイメージを間違えてしまった
シャミ子達は連携して再定義への道を開いたね。シャミ子は泡だて器で存在を固め、桃は今のイメージが間違っていると教え、ミカンはやり直しを命じた
その流れを小倉が導き、シャミ子やミカンが関わった者達が繋げた
一見都合の良すぎる一発逆転。でもシャミ子やミカンが培ってきたイメージの上に成り立っているから納得できる
再構築されたウガルルは皆が協力して再召喚したその生まれからして、街に受け容れられているという点が明白だね
ウガルルの新しい仕事はまだ見つかっていない。けど、この状態なら新しい仕事・役割がすぐ見つかるだろうことが容易にイメージ出来る
ウガルルからは街のボスと認められ、桃からは姉の桜に似てきたと言われた
シャミ子は魔族らしい魔族ではないかもしれない。でも手が届く範囲の街角を守る優しいまぞくに近付いていると判る
出来ればこれからもシャミ子の成長や桃達とのわちゃわちゃを見たいところだけど、果たして……