多額の借金を抱え、
さらに医者から余命2年を宣告された大学生、佐々木常宏。
鬱々とした日々を過ごす常宏は、
ある日借金取りに追われ海に転落したところを、
釣り好きの少女ハナとその釣り仲間の貴明たちに助けられる。
ハナに勧められるまま人生初の釣りを経験し、
その釣り仲間とも親交を深める常宏。
ハナや貴明の働くコンビニでバイトも始め、
難解な釣り用語や生アミの匂いに苦戦しながらも、徐々に釣りにハマっていく。
手元に伝わるアタリは、生の実感──。
転落し続け世界を見上げるだけの人生は、そう簡単に変わらない。
そんな常宏が釣りを通して見つけたものとは……?
☆5
借金に加えて余命宣告を受け、どん底人生を歩んでいた主人公の常宏が貴明をはじめとする釣り仲間達と出会いそこから再び立ち上がっていくというシナリオで常宏の成長はもちろん周囲を囲む仲間達の温かさというものを感じられた作品だった。皆色々な背景はあれどそれらがあったからこそあの集まりが出来た、同じ趣味は人の輪を繋げるものなのだと
後半のシナリオの常宏と貴明がお互いをぶつけ合う所が本作でも好きなシーンだった、壊れそうになった関係も修復してくれるのは「釣り」というかけがえの無い趣味なのがエモポイント。男同士の友情物語とでもいうべきだろうか
どん底人生であっても何が起きるかはわからない、一つの出来事から再起する事も十分可能である。夢中になれる趣味というのは人の心を絶望の淵から釣り上げる、それを忘れてはいけない
人生転落中で彷徨い中の常宏が釣りをきっかけに貴明、ハナ、町田さんなど仲間と出会いもう一度前を向くことができるようになるまでの物語。この物語の大きな軸は釣りを通じての交友関係の変化や精神面の成長だったけど娯楽、趣味としての釣りを結構ちゃんと描きつつもそれぞれが抱える葛藤や苦悩を丁寧に描写していたのが良かったね。印象的だったのはバイト先の店長である町田さんの冷えた家族関係回かな。釣りがコミュニケーションツールになっていて、多少歪ではあっても前に進む形を見せてくれたのが良かった。
あとはなんと言っても最終盤の貴明の弟のトラウマを乗り越えるエピソードは良かった。いつでもいいやつだった貴明も過去の間違いを受け入れられず止まっていた部分があり、それを自分が救った常宏に逆に救ってもらえるアツい友情だったし、最終的な結論が「釣りって面白いな」という自分の原点になってきたのが良かった。
欲を言えばめちゃくちゃ可愛い西森こずえちゃんとかいうキャラクターをもっとメインに押し出した回も観てみたいです。
音楽にあまり印象はありませんが、楽しそうに釣りをする青年に釘付けです
いまいち