アイリスの故郷とヴァイオレット命名の由来。
ヴァイオレットの率直に思ったことを口に出す性質はいつも人の心を揺さぶります。それは時に本質を穿ち感動へと導くこともあれば、触れてはいけない部分に触れ悲しみや怒りを呼び起こすことも。
例えば目的地へと向かう車内でのアイリスとのやり取りで、カザリの地勢の説明で彼女を納得させた後すぐに苛立ちを掻き立てるところなどこれまでも度々描写されている通りですが、やはりこの点がヴァイオレットのドールとしての持ち味になって行くのでしょうね。
またヴァイオレットが、自身の振る舞いで人を傷つけてしまったことに気づかされた時や他人の気持ちが理解できない時には真剣に悩んでいる様子もよく出てきます。表に感情を出さない分内面は寧ろ人より激しく揺れ動いているのかもしれません。
そして彼女は美しいものを感じとる感性が豊かです。泣かれようが怒鳴られようが動じないヴァイオレットなのに、平坦な口調ながら美に魅了されるシーンは正に心奪われるといった風情でとても印象的。やはりそれは秘めた感情の豊かさを雄弁に物語るものだと思います。
人の感情を訪ね自らも成長してゆくヴァイオレットの歩みは黄前久美子のそれに似ているようにも感じます。
余人ならば避けて通るような道を怯まずに進むヴァイオレットの姿が痛々しくも心地よく感じます。
☆☆☆(3)
1年以上ぶりに見た。このままだと劇場版を映画館で見れなそうなので……。
ヴァイオレットは依頼を受けた先輩ドールのアイリスに同行して、アイリスの生まれ故郷であるカザリに行く。そこでアイリスの両親からの依頼で、彼女の誕生パーティの招待状を書くことになるが、そのことがきっかけでアイリスの感情に触れることになる。
ヴァイオレットがカザリの自然やアイリスの花畑を見て、心を動かされているのが印象的だった。またヴァイオレット自身の謝罪の定義に従うならば、彼女は他人の感情をうまく理解できないことは自分の責任であると考えている、ということなのだろうか。
アイリスとお母さんのやりとりは見ていられない感じではあった。典型的な田舎の母と一人娘のやりとりというか。そりゃあ帰ってこなきゃよかったって思っちゃうよ……。この機会に、自分が努力して身につけ生計を立てている技術である文章を紡ぐ能力を用いて、両親に自分の思いを伝えられたのはよかったんじゃないかな。職業婦人か~。
花の名前の女性たち。名前は他人からの贈り物であることが多い。
社長とカトレアさんって結局どういう関係なんだ……。戸松遥の声は聞き覚えがあるのに、クレジットで名前を確認しないとわからないことが多い。
ところで自動手記人形って、職業名なのにどうして「人形」なんだっけ、理由ってすでに語られていたかな、すごく気になる。
アイリスの故郷に行き、誕生日の招待状を書く。
パーティーでフラれた相手に会い、家族と溝が出来る。
両親と招待者へ手紙を書き、名の由来を聞く。
アイリス回。田舎のお母さんのお節介
嘘の仕事依頼で帰省。プライドぶち折られる。
誕生会泣いて飛び出すとか子供っぽい
だからお母さんも心配してるんだけど何だかなー
ヴァイオレットには田舎よく効いたみたい
ヴァイオレットが言外の意味をほとんど理解出来てなくて、アスペルガーみたい。でも、「棚田の美しい風景が『大したもてなし』」みたいな小っ恥ずかしい台詞は言える。
依頼主の確認が適当だから、ドールが派遣先で性犯罪に巻き込まれる薄い本が作られそう。
戦争直後だから手足を失った人間なんて珍しくないと思うけど、ヴァイオレットの義手を見る人の多くは「うわっ」と驚いてるので、かなり高級な義手をつけてるのかなと思った。
アイリスの田舎娘らしい、ちょっとたくましい足の指が良かった。
人の気持ちに鈍感だからこそ、モヤモヤと立ち込める雰囲気をサクサク切り進んでいくヴァイオレットがとても爽快で好きなお話でした。感情が分からないからこそ、第三者の目線でよく観察し、想いをすくい上げるのがとてもうまくなったなぁとしみじみ感じる。アイリスに向けて身内なのに料金請求をするあたりもなかなかコミカルに描かれているなぁ、
水たまりに足を突っ込む描写は帰郷に際し歯がゆい家族、友人関係に対するアイリスの感情の描写かなぁ。ラストに渡されたアイリスの花束は親が自分の名前をどのように付けたかを想起させる。アイリスの想いの籠った手紙に対する返礼としてはシャレてるなぁ。好き。
ラストは少佐との初対面の続きかな。アイリスの名前の由来から思い起こされたヴァイオレットの記憶、少佐は元から彼女を一人の人間として接していたんだなぁと。だからこそ、彼の残した「愛してる」は重い…
初めてのアイリスへの指名。ヴァイオレットとアイリスはアイリスの故郷へ。自然豊かだからライデンの街並みとは違った感じに背景にも気合入ってるね。
自己紹介をするヴァイオレット、びっくりするほど美しい~~~~!!
ああきたよ「こっちに戻ってきてそろそろ結婚してほしい」って。嫌だね~。アイリスの気持ちも痛いほどわかるわ。
きちんと説明させるなヴァイオレット…傷をえぐらないであげて…;;;自分がみじめだよねぇ・・・
「あんたってほんと人の気持ちがわからないのね!」ってヴァイオレットには厳しい言葉だよ…
誰だって言葉は裏腹でいつだって気持ちがわかるわけじゃないもん。
「愛してる」はとても勇気のいる言葉。少しずつ「愛してる」や人の気持ちを学んでいくヴァイオレット。
素直な気持ちを手紙でなら伝えられるよね!ということでアイリスのご両親にお手紙。一面のアイリスの花畑。きれいだね、、、
シンプルな親子の話だけど、丁寧に描かれているのですっと心に入ってくる。ヴァイオレットの素朴さが周りの人に影響を及ぼすのと、それを経験してヴァイオレット自身が少しづつ成長していくのを見られていいなあ。
今回もちょっと目がうるる。今回もすばらしかった。
垣間見える少佐がめっちゃいい人。
少佐編ってのが始まったら絶対泣く。
いや、お母さん謝れよ。
ヴァイオレットを通しての"心の戦後復興"?
お話は、あくまでイメージですけど、小津安二郎な感じ。
依頼者の匿名・偽名がダメなら、ドールの守秘義務もありそうな感じですけど。田舎なのに、識字率が高いという偏見が。ランプが光源なので、影つけが大変です。
卒業バッジをアップにして、事実上の資格者を強調してくるかと思ったのですが、そんなこともなく。
毎回ええ話かよ…
アイリス回。この世界ドールは女性エリート的なお仕事らしい。いつの世でも田舎のひとびとや幼馴染の距離感は残酷なもの。ヴァイオレットも手紙がひとの心にもたらす作用については理解しつつあるようで。
母親も、娘が招待状を代筆してくれると思ってたのかと。
ヴァイオレットもいきなりこんなまともな手紙が書けるようになったのかと。
アスペルガーの物語かとも思うのだが、そうではなく単にヴァイオレットが雑な人間なだけかもしれないとも思った。
ところで、なんでアイリスとか英語読みなのかと。ドイツ語だとイーリス?
ヴァイオレット(スミレ)はなんて読むのかなと調べると「ファイルヒェン」だそうなのだが、ドイツではスミレは花の見た目から「殴られた目の周りの痣」を意味するらしい。
「目の周りの痣が似合う人」……そのまんまじゃないか。
名前って文化だから、架空世界といえども安直につけちゃいけないってことなのかなぁ。
今回もぐっときた。感情や人の心を題材にしているからか、表情の作り方がうまいよね。細かい眉の動きもこだわりがあるのかなあ。ヴァイオレット、少しずつ表情が増えてきたよね~
今回は特に面白かった。感情表現の乏しいヴァイオレットと対照的なアイリスの対比が良かった。親子愛、家族愛、郷土愛、失恋に終わった愛。様々な愛に触れて人間らしい感情を持ち出したように思う