あいと天衣の関係性はもっと破滅的な因縁が発生するかと予想していたけど、案外綺麗な落ち着き方をしたなぁ。夜叉神天衣という大仰な名前やそのカラーリングからダークサイドに身を置くようなキャラに勝手に想定してただけに普通に弟子入りする展開は驚き
ヤンデレ気質のあるあいと相手をすぐに挑発してしまう天衣。破滅的な関係にはならなかったけど、並べてはいけない組み合わせであることは冒頭の問い詰め描写から確実。「痛みと恐怖で自白してもらいます」とか脅迫してくる小学生ってやべぇよ……
自身と銀子の関係のようにあいと天衣には互いの実力を高め合うライバルになって欲しいと思っていた九頭竜。その想いが間違いで無いのなら、間違っていたのは天衣をあいに隠していた点。
あいを見捨てたわけではなく変わらず大事に想っている点を伝えないまま他の娘を指導し始めたら、不安になってしまうのは当たり前。特にあいは9歳ながら地元から遠く離れた場所にたった一人でやってきたんだから九頭竜は棋士としてあいを育てるだけでなく、大事な家族としてあいを育てる必要があったわけだね
そういった意味では師匠が九頭竜を育てる際に抱いた覚悟の話を聞けたのは良い経験
試験で天衣に負けてしまったあい。あいの負けた理由が「師匠が贔屓している相手だから勝てるわけない」と自分の力を知らず知らず制限したことであるなら、天衣が勝てた理由は小さい頃から凄い凄いと教えられてきた人の指し方を真似たから「自分は負けない」という想いを強く持てたからだろうね
同年代であるだけにこの敗北と天衣の出現はあいに大きな影響を与えるものになりそう
「まったく小学生は最高だぜ!」の台詞はこういった女子小学生がヒロインの作品で定番になるつつ有るのだろうか
知世の行動力にはもう驚かないつもりでいたけど、さくらが引っ張られる場面でまずカメラを手に取る行動には笑ってしまったよ
小狼に手作りお弁当を食べてもらっている時のさくらの表情が悶てしまいそうになるほど可愛らしかった
クリスマスプレゼントに多くを貰ったチセ。けれど無茶の反動から魔法を使うことを禁止されてしまい今の状態ではお返しが出来ないと痛感、だからこそ出来ることならなんでもやろうと決意する。つまり制限された環境で自分に出来ること、必要なものが見えてくる。そんな回だったように思う
チセは出逢ったばかりのステラの願いを聞き入れる。それは自分はもう弟に会えないから弟を探すステラの気持ちが判り、自身の血を差し出してでもイーサン捜索を行おうとする動機に繋がっていく。
エリアスを見つけるためにあの毛皮を纏うのを躊躇しなかったのも、前々回にエリアスと生きるていくことを選び取った自信があるからだろうね
ステラはイーサンが居なくなり両親が存在を忘れたことで弟が自分にとってどれだけ大切な存在か再確認する。エリアスの出現やらに驚いても「弟が戻ってこないことより怖くない」という台詞を自分の中から引き出せるようになる。
イーサンを探すためにチセの犠牲や灰の目による悪戯を経たからこそ、最後には名前を思い出せないままでもイーサンが自分の弟であることを再び認められる
ステラと喧嘩別れしたイーサンも姉の名前を思い出せないことで泣き出し「いらない」という言葉が本気じゃなかったと弁明する。エリアスとの問答を経て最後にはやはりステラが自分の姉であることを認められる
ステラがチセを友達と言う場面で影の中に潜むエリアス。普通の人間と普通の付き合いができる存在ではないからこそ、このような場面では表に出ることは出来ない。
イーサンの放った「他の誰かとなんて嫌だよ。家族ってそう思える人たちの事じゃないのかな」という言葉が響いたエリアス。人間と暮らすことは選べてもチセ以外と暮らすことをあまり想定できていない彼にとってチセが自分以外との繋がりを作ることはあまり喜ばしくはないんだろうなぁ…
悪夢だ、と震えるミツルから忠告されてもヒロはゼロツーと乗ることを諦めない。それはどうしようもなく自分の力で飛びたいから
彼の中では自分を優先する気持ちがまだ強いから、ミツルの惨状やゼロツーが叫竜の血を引いていることを思い出しゼロツーと距離を置こうとしてしまう。ヒロを特別と言ったゼロツーからしてもヒロの行動はゼロツーを恐れる他の人間と全く変わらない行動。
ヒロはストレリチアに乗る資格が無いまま少しずつゼロツーを恐れ始め、ゼロツーは別の場所に連れ去られようとしている。彼女が風呂場で「ここを出よう」と投げかけながら、自分のことを化け物だと思うのかと詰問してしまうのは表面に出ている以上に彼女も追い詰められていたからなんだろうな。
連れ去られる直前の角で突くような動作は欲しいものが有るのに手に入らないいじけた子供の仕草のように見えた
だからこそヒロはそれを切っ掛けにこれまでのゼロツーの行動の様々を思い出し、彼女が自分と変わらない人間であることを確信できる
自分のためではなく相手のために飛ぶと決意してからの二人の行動、そして戦闘は爽快の一言。「出来るさ、僕とダーリンならね」「ゼロツーとならやれる!」の掛け合いが素晴らしい
もし次もヒロがストレリチアに乗るようなことがあれば三回目の搭乗となる。そこで何か変化があるのかそれとも全く無いのか、どちらだろう?
小柄な女学生がスカート穿き忘れたまま登校する姿なんて見た日には二度見どころか三度見する自信あるわ
本編では栄依子のそっくりさん探しがコミカルに行われていたのは面白かったな。
それにしても千石家において栄依子の存在はどのような扱いになっているのだろうか…?生写真を額に飾るかもって……
宗谷に音が届いていないって本当に聞こえていないという意味だったのか。観念的な意味合いかと勘違いしていたよ
他人の言葉が聞こえず返答がちぐはぐになっても人々は勝手に「流石天才」と解釈してくれる。元々の性格が影響しているとはいえ、その状況は非常に空虚に見える。
いつも一人で会話も上手くできない宗谷。そんな彼にとって他人と交信する唯一の方法が将棋だったのかもしれない。宗谷との対局が終わっても駒の音が零の内側に響き続けたのはその証のようにも思える
生きるために将棋を必要とした零と将棋以外の生を削ぎ落としたかのような宗谷。会長からすると二人の対局はとても面白く意思の疎通が図れていたとのこと。なら、零と宗谷は相通じる部分が有るということだろうか?
ただ、宗谷がどのように音を無くしてしまったか判らないけれど、現在の零が宗谷と大きく違うことは判る。川本家では豚の角煮や美味しい半熟卵で盛り上がり、不戦敗で黒星が付いた二階堂は周囲の心配を他所に新手を開発してとても嬉しそう。零の傍にこれだけ賑やかな音がある限り、宗谷のように音を無くしてしまうなんてことないのだろうな
次回放送が何で一ヶ月も開くのかと思いきやオリンピックのためか……。そうか、NHKだとこういうこともあるんだね
長かった本作も遂に最終回。実際はシロッコを倒しただけで中途半端な終わり方だしこの後に「ZZ」や「逆襲のシャア」が控えていることを思えば何も終わっていないと見ることも出来るのだけど
劇場での会話は人類と世界の在り方を説いたもの。けれどそれを語るのがシャア、ハマーン、シロッコと立場的に選ばれた人間である点は、どれだけ大きい言葉を使おうと彼らが狭い世界で語っているようにも見えてしまう。
人類をどう導くかを議論する三人の場にニュータイプとしてほぼ覚醒しているカミーユが乱入し目的のために大勢の人が死ぬのは間違いだという単純な主張をする場面は、彼の子供らしさを感じさせると同時にそれがどうしようもないほどの真理であるとも感じさせる
そんな作品の集大成とも言えるキーキャラクターによる会話劇が立場があるわけでもなくニュータイプでもない一般人のファによって終了してしまう辺りが本作がどこへ向かおうとしていたのかを判らなくさせてしまう要因にも思える
又、ラスボスの一人であるハマーンが強いのは確かだけど同時にシャアへの未練があまりに溢れているのだから少し面白い。富野由悠季監督が描くキャラクターは精神面が面倒なことになっている場合が多いがハマーンはその筆頭。
彼女がもう少し素直になっていたら、ミネバを守る立場にこだわらなかったらどうなっていただろうと少し考えてみたが、シャアが彼女を毛嫌って居た時点でどうしようもないと気付く。もはや運命レベルの面倒さ
そういえばシャアは戦いの中で生死不明になったという認識で良いのだろうか?聞くところによるとこのまま「逆襲のシャア」までほぼ登場しないというのだから驚き
エマの死を見届け想いを託されたカミーユ。強敵シロッコとの戦いの中でニュータイプとして完全覚醒し死んだものたちを呼び出しジ・Oの動きを封じる凄まじい働き。初代ガンダムなどはリアルロボットものなんて呼ばれることもあり、Zもある程度その系譜を引き継いでいることを考えるとカミーユの在り方がどれだけ異常な領域に達しているのかが察せられる
戦いが終わりニュータイプとして完全覚醒した後の彼がどのような立場になるか興味があったが待っていた結果は精神崩壊。これほど呆然としてしまうような終わり方をする作品は珍しい
自分の中で消化できない部分があまりに多く評価が難しいと感じさせるような最終回だった
新キャラの詩之本秋穂登場。クリアカードを中心にした不透明な事件が続く中で登場するキャラクターなのだから、もっと謎めいた少女かと思いきや普通に大人しく控えめなタイプだったのは驚き
それでもさくらと名前が非常に似ている点やこのタイミングでの転校、以前は香港やイギリスに居たという話から何か裏があるのではと勘ぐってしまうが
さくらがクリアカード封印する瞬間を捉えるために全力な知世は微笑ましい。衣装とカメラが入ったカバンを常備してるなんて中学生女子の行動力じゃないよ
さくらが何が何だか判らない事件の渦中でも自分に出来ることをやろうと決意しているように知世も自分に出来ることに全力な印象。本当にこの二人の組み合わせは良いなぁ
そんな二人を他所に何かを知りながらさくらに告げられずに居る小狼とエリオル。今回の事件の背後には一体何が潜んでいるのやら
とりあえずさくらに真実を告げられないなら、さくらのお弁当を食べたりとか電話の相手を小狼には誠意を込めてやってほしい所。どうやらそれが現状の小狼にとって「自分に出来ること」の限界値のようだし