主人公チームが、試合に向けて奮闘し
試合中も助け合う場面の数々は美しく、
その点は称賛に値するだろう。
公式戦の戦績には疑問がつく。
サンダースは中盤から車輌を大洗と同数にし、
プラウダは大洗の籠城に際し突入を急がず待機、
黒森峰は西住まほが増援を待たず、一騎討ちに臨んだ。
対戦相手が物量作戦や短期決戦を決行していたなら
大洗は負けている可能性が高く
「手加減してもらえたから大洗は優勝できた」という印象が残った。
あるいは、演出上の意図で
あえて「文句のつけようのない勝利」にはしなかったのか、
とも思える。
主要な登場人物の言動から、
「ホースにはモデルが存在する」と察しがつく。
作者が自分の私的感情を劇中のセリフにこめることは
先行作品でも行われてきたことだから、
その行為自体をとやかくいうべきではないのだろうが
主張の趣旨には同意できない。
その言い分を許容できるほどのカリスマ性が
ジョーロとパンジーには備わっていないからだ。
他者を罠にかけて恥じない者が
主人公とヒロインだとは嘆かわしい限り。
商業作品においてキャラクターの取り扱いは重要。
作者の手駒として使おうとしたことを厳しく評するしかない。
原作由来のようだが「臓物アニマル」とよばれる
内臓が露出したぬいぐるみの言動が醜かった。
主人公や主要な女性キャラクターの描写は秀逸。
これも個人的にリブートしたい作品である。