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良い


良い


いよいよ閉館日が迫り、占いや幻に頼り始めるくくるの焦りと必死さが痛々しくて。なぜそこまで必死なのか。両親の喪失が尾を引いてるのだと、水族館の閉館は彼女にとって二度目の喪失を意味するのだと、家に帰ると泣きじゃくる幼い彼女の姿を見て初めて合点がいきました。

そんなくくるの背中を見守り続ける櫂。幻を見たはずの彼がくくるの問い掛けに首を横に振る姿には、もうこれ以上偽りの希望に縋らせるわけにはいかないと、自分が彼女を悲しみから守るのだという決意表明に思え胸を打ちました。そしてくくるも拳を受け止める彼の姿をみて、水族館は無くなるのだという事を終に受け入れたように思います。





とても良い


良い


とても良い

やまびこは孤独な旅の末にこだまという陽だまりを知り、その安らぎの中いつまでもいたいと望むように。それゆえこだまに太陽という女神でいてくれる事を暗に求め続けたように思います。彼女はその優しさゆえ彼の、皆の期待に応え続けた。いつか一人の唯の女の子になれる事を願いながら。

辛いことを忘れ穏やかな安らぎに心委ねることは心地の良い事です。しかしそれで外にある辛いことやそこから来る心配や恐れが解消するわけではなく、むしろ時が経つにつれ心の中でどんどん肥大してしまいかねず。こだまの優しすぎる優しさはそれを助長してしまったのかもしれません。そしてそんな心模様が疫病という形で具現化したようにも思えました。

今話は、前回のバベルの塔に続き、希望が見えない現実下におかれた人間の在り様が描かれ、その中を漂う閉塞感や登場人物の心の奥に潜む絶望や不安が心にズシリと響きました。そして希望とは、現実と向き合うとはどういうことなのか、強いメッセージとして表現されているように思えました。



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