司、素の性格がなかなかでした。常に自分の気持ちを踏み躙り、緊張を強いられる環境ではなかなかな性格にでもならなければやってこれなかった、のかもしれません。
鏡に映る構図が印象的な話でした。悟の傷を隠す場面で悟の背中、口紅するジンの口元、(傷のない)悟の顔。仕事の予定を桂木と話すフロントミラーに映るジン。イメージと潰しの練習をロンの前でする司の回想の前に、車の窓に映る司。飛行機の窓ガラスに潰したペットボトルと映る司。並べてみると、裏を語る(裏表がある、激しい)司と表で動く(裏表がない、少ない)ジンの対比、のような気がしました。何にしても緊張感を覚える場面が多く、それが印象に残りました。面白かったです。
追記。グラス越しに映るロン、ペットボトル越しに映る司もありました。悟とジン、司とロンもある気がしました。
第3話でみたいと思った景色が一層美しく見れました。「仕事」の仕える仕われる関係が逆転したように、petの意味が逆転しました。変われないことは変わらないこと。司が林の残した指示から逃れられなかったように、ヒロキも司にもらったヤマを忘れませんでした。それは司が林から受け継いだ「pet」の育て方の忠実な結果でもあるでしょう。
「イメージ」を使うもの、とりわけ水という不定形な「イメージ」を使う司は、何にでもなれる代わりに戻り方がわからなくなりやすそうだと想像をしていました。かつてヒロキも救いあげた清い水は、かつて確かに司の内にもあって、わからなくなってもそれもまた、間違いなく司の心だと思います。
速さが鍵の硬さ緩さによるという話、面白いと思いました。
夢の西片と現実の西片、現実の反応のほうが面白かった…かな?高木さんにとって。
西片の夢も現実も、今までの続きで(だからこその)、今までよりドキドキする感じで面白かったです。
ヤマとタニは壊してはならない。潰れてしまうから。
ヒロキが変えた桂木の煙草、もしもそれがヤマかタニに関わっていたら。彼はその時、人を殺したのでしょう。
禁煙をやめた側と禁煙をさせられた側と、紫煙に巻く巻かれる関係が前回と逆転して面白いと思いました。
金魚に水滴としてついていくアニメが素敵でした。
継承とは技を自らの生きた証(「武」)で伸ばすこと。因縁ある仇敵に敗北も味わわせて、トーナメントの途中でもすっきりした感じがありました(タイの御方がかっこよかったので敗けるところを見たくない気持ちもあり)。魔人ライアンはレフェリーが止めた後も立ち上がるんじゃないかと思えて怖くて、それだけ面白かったです。
自由と不自由。鎖につながれない大男の鎖。前話、帰るべき場所に帰った海の男の、負けて帰って気を遣われて居心地の悪さと良さを感じた場面が、なぜか思い起こされました。