本日の夜実況。
自分は神回という言葉を安易に使わないようにしていて、自分にとって神回はプリキュア全体で十数話ぐらいしかない。この回はその神回に該当している。
この回も「わたしの名前は青木れいか」という自己紹介から始まる。この「自己紹介」シリーズは40話から始まっているけど、自分探しの性質が特に強いのがこの43話。
「わたしの名前は青木れいか」という台詞を、話中の一番大事なシーンの直前でもう一度言う。2回目は「わたしの名前は青木れいか。またの名を、キュアビューティ」で、プリキュアである自分に強いアイデンティティを持っていることがわかる。
彼女の「自分探し」は自分がプリキュアであることと、留学のチャンスを蹴ってでも友達と一緒に居たいというわがまま。この2点に集約される。
そう、れいかは「わがまま」という言葉を使った。この選択がわがままであることは、本人にも分かっていること。
劇中の言葉で言えば「寄り道」「脇道」「回り道」であり、必ずしも褒められた選択ではないが、「しかしそれらもすべて『道』」と迷わずに肯定してしまう。
「友達と少しでも一緒に居たい」という歳相応のわがままを、最高の優等生であるれいかが貫き通してしまう熱量が痛快だ。親友であるプリキュアたちが相手であっても、絶対に敬語を崩さない優等生がれいかなのだが、この回での感情が決壊する一部のシーンだけは唯一の例外となる。
スマプリが放送された時期と比べると、映像通話等も当たり前のものになって、たとえ留学でも「離れ離れ」というほどでもなくなった。この回は成田良美さんの最高傑作のひとつだが、今後この様な脚本は書けないだろうし、作劇も出来なくなるかもしれないな。
ジョーカーとキュアビューティには元々、23話からの因縁がある。そのジョーカーとの一騎打ちの為に、サーカスの空中ブランコという舞台が用意された。
れいかを絶望させるためにくす玉を割ったり、レトロなテレビを召喚して嫌がらせ映像を映したりする演出は、タナカリオンの手によるものだろうか。憎たらしくもただ者ではないジョーカーの悪らつさが際立つ。
そこから一転、開き直って迷いがなくなったキュアビューティは、23話同様の氷の剣を造って、剣技だけであのジョーカーを圧倒。殺陣のシーンではキャラクターソング「あなたの鏡」が再生され(自己紹介シリーズでキャラソンが流れるのはキュアビューティだけ)、アクションでも鮮烈な印象を残す回となっている。
西村ちなみ生誕祭として、毎年観ている回。
以前は生誕祭に色々な回を観ていたけど、この回をあえて避けるのは不自然な気がして、自然にそうなった。
「留学をやめる」という一見後ろ向きな選択を、れいかは自信と確信を持って選んだ。
迷いなく選んだその回り道こそが、れいかの「道」。
自分にとって何が大事かは、自分が決めていいし、自分が決めなければならない。
劇中のれいか同様、自信に満ちた成田良美さんのメッセージが込められた脚本だ。
今日のところは、ちなさんへのお祝いとして、この神回への分析は改めて。
1日遅れだけど、おめでとうございます。
1日遅れだが、西村ちなみ生誕祭として視聴。
この回は何度観てもすごい。書き足すことは特になし。
最高最高神回優勝ありがとうスマイルプリキュアキュアビューティーが真のヒロインや!!!良い最終回だった!!!!!!
とんでもねえ個別回だったな……悪役としてのジョーカーがあるからこそ輝いたところもある。ありがとう成田良美、ありがとう田中裕太。お前ら最高だよ。
残すはキュアハッピー回。これはとんでもなくハードルが上がったぞ。
本日の朝実況。
西村ちなみさんの誕生日に、キュアビューティ回を視聴。
れいかの座右の銘、「道」。つまり、何かを選ぶことに対する掘り下げを行った、れいか最後の当番回。
留学のチャンスを得た他の多くのプリキュアは夢の為に留学を選んだけど、れいかはあえて留まることを選んだ。普段の優等生らしからぬ、明らかに意外な選択ではある。
「友達と一緒に居たいから留学をやめる」という一見後ろ向きな選択だけど、卒業というそう遠くない日のうちに、否応無しに別れが訪れるのもまた事実。一生に一度しかない選択肢という重みはどちらも変わらず、どちらが優れているわけでもない。必要なのは、自分に必要な選択肢を自信を持って選ぶことだ。
「寄り道、脇道、回り道。しかしそれらも、全て道。
わたしが歩くわたしの道。わたしが決める私だけの道。
たとえそれが遠回りだとしても。これが嘘偽りのない、わたしの想い、わたしの我が侭。わたしの、道です」
尊敬する祖父からの助言、そのれいかなりの解釈が込められた台詞。
後ろ向きの選択だったかは、気力の充実したキュアビューティの戦いぶりからわかる。迷いがあってはプリキュアではいられず、だからこそ迷いが極限に達した時に変身が解かれた。自信を持って「回り道」を選んだキュアビューティの剣の冴えは、その心の在り様同様の力強いものだった。
脚本、成田良美。演出、田中裕太。両名による、プリキュア全話屈指の神回。
自己紹介シリーズ、4話目。ネタバレ指定。
プリキュアシリーズ全話の中で最も好きな回のひとつで、「とても良い」では収まらない。同じぐらい好きなドキプリ40話同様、何度も観ている。そういえば、タナカリオン演出回という共通点もあり。
何度もリピートしてて今さら感想というわけでもないからw、いつもと少し違う切り口で。
少し前にみきたんの当番回(フレプリ9話)で、「自分の夢とプリキュア活動のどちらを優先するか」というお題の回が他にもある話をした。
この二択で、このスマプリ43話こそが、最も積極的にプリキュア活動を選んでいる回だなと。
「私の名前は青木れいか。またの名をキュアビューティ」。
プリキュア活動自体が友人との関係性を象徴していて、れいかはプリキュアであることに、メンバーの誰よりも強いアイデンティティを持っている。有名な「道」台詞以上に、今回を象徴している様に思う。
ここから余談だけど。宮本佳那子さんのライブのゲストとして、西村ちなみさんが招待されたことがある。
「あなたの鏡」を歌いながらこの回の名言をひと通り再現してくれた、至福の時間だった。ちなさん、ありがとう。