サービス開始日: 2019-06-04 (2435日目)
いや言葉通じるんかーい!いかにもラノベな天晴の傍若無人さは時たま癪に障るけど、天晴の言動がシャーレンなど周囲の人物の「壁」を壊していく爽快感もあるので難しいところ。
17年の『正解するカド』がガッカリだっただけに不安はあったが、終わってみると『カド』に比べて面白かったと思う。
正崎たちを弄びまくる曲世や、どこまでも自殺を肯定する齋の言葉と振る舞いは、視聴するこちらの倫理や正義・悪への観念を揺さぶり、試すかのようで、これほど考えさせられたアニメは久しぶりだった。
演出面も優れており、特に7話の、九字院の自殺や曲世の殺人とある日常の風景がリンクする悪趣味にすぎる演出にはゾッとした。
しかし、そうした我々の心への強い揺さぶりは多くの人が言う通り7話がピークで、それ以降は『カド』ほどではないものの失速してしまう。
正崎の渡米以降は齋と彼が掲げる自殺法がフェードアウトし、「自殺は正しいのか?」という問いも有耶無耶にされてしまう。
正崎が執念で曲世に一矢報いるかと思いきや、結局正崎を含めて誰も彼もが彼女の掌の上で踊らされて終わる。
引っ張った割にあっさりとしたラストには、否が応にも「原作未完」という足枷の存在を意識させられる。
竜頭蛇尾…というのは言いすぎだが、後半の失速が本当に惜しまれる作品。
原作の完結を待ってから、しっかりとアニメ化してほしかった。
進次郎がウルトラマンスーツを纏い変身。アクションが高品質で良かったし、スーツの各種ギミックは元祖ウルトラマンをオマージュしつつも、現代的にアップデートされていて見ごたえがあった。物語そのものの評価は今後次第。
全体にチグハグなアニメ、という印象。
登場人物の掘り下げは丁寧だが、全て「過去の回想」という形で表現されており、彼女らが22/7として実績を重ねたり、チームワークを深めていく現在のパートとは独立している。このためにキャラクターの掘り下げこそ丁寧なものの、現在パートに割かれる時間が犠牲になっていて、22/7内のチームワークはまだしも、22/7が人気アイドルになっていくまでの過程の描写がかなりおざなりで、実感が伴わない。
このことが、終盤における演出のちぐはぐさにつながってしまっている。
「壁」はあからさまに、少女たちに理不尽を突きつける「大人」の象徴だ。「壁」は徹頭徹尾、8人の少女を振り回す。なんとなく「壁」に従っていた8人の少女が、終盤、その「壁」を破壊することで自立し、彼女たちは真にアイドルとしてのスタートラインに立つ。
しかし、後に、その8人の行動さえも「壁」の想定した筋書きであり、22/7は最後まで「壁」の手中にあったことが明かされる。このせいで、彼女たちの壁への反逆と成長にカタルシスが伴わない。
そして前述のように22/7が人気アイドルになっていくまでの過程の描写が弱いので、ファンの力で精神的に再起する、という演出にいまいち感動できない。
『WUG』の大田のように、ファンの視点を描くキャラクターがいればまだ変わったかもしれないのだが。
作画やライブシーンの出来はよく、各キャラクターの掘り下げもしっかりしていただけに、これらシナリオの「ねじれ」にモヤッとしてしまう。
そして22/7において欠かすことのできない声優の問題だが、主役の一人であるみう(西條和)に関してはあの声が妙にみうのキャラ性とマッチしていて、実は全然気にならなかった。
問題はニコル(河瀬詩)で、意識高い系の言動と稚拙な演技がミスマッチを起こしていて、特にラスト、「壁」に対して22/7の存続を嘆願するシーンは最大の見せ場であるにも関わらず棒読みが目立ってしまっており、ちょっとしんどかった。
トータルで見れば決して悪くないアニメだったのだが、前述のように盛り上がりが弱く、全話を見終えて「1クールに渡ってエピソードゼロを見せられていた」ような感覚に陥った。
「壁」を砕き、一歩を踏み出した少女たちの活躍は、今後あるであろう2期に期待ということか。
推し(山城)が12話中2分ぐらい動いて喋ったので100点中50億点!!!
…と言いたいところだが、正直なことを言えば「有象無象の戦闘美少女アニメ」の域は残念ながら出なかったと思う。
「アズールレーンとレッドアクシズの敵対関係」+「両陣営が敵対している第3軍・セイレーン」というややこしい構図に加え、最終的にはセイレーンを打倒する方向で結束したはいいものの、そのセイレーンも何をしたいかわからないので、いまいちストーリーに感情移入できず、盛り上がれない。
そもそも原作のストーリーに区切りがついていないのでアニメで勝手に決着をつけられない、というのは理解できるが、それならそれで『クロスウェーブ』のようなパラレルワールドにするなり、各種メディアミックスを原作とするなり、やりようはあったと思うのだが。
またキーパーソンの数も多く、「主人公3人組+ユニコーン」「エンタープライズ&ベルファスト」「一航戦姉妹」「瑞鶴」「プリンツ・オイゲンら鉄血艦隊」「セイレーン」など様々な人物を一気に描こうとしたことが、物語の散らかりに拍車をかけている。
明らかに主役として配置されているアズールレーン陣営の「主人公3人組+ユニコーン」「エンタープライズ&ベルファスト」はまだしも、それ以外は心理描写が浅く、加えて原作でも未だ謎の存在であるコードG絡みの描写を半端にやろうとしたこともあって、多くの登場人物が満足に掘り下げられていない。
このために、終盤の盛り上げようとしているシーンでも盛り上がりが足りない。
戦闘面も、大半の難局は「エンタープライズがなんとかしてくれた」で終わってしまうので見ごたえがない。
ストーリー以上に問題なのがグズグズな作画だ。
山城やレパルスなどの端役の作画がきれいかと思えば、ベルファストやクリーブランドなどメインキャラの作画が汚くなってたりとバランスが悪い。
そのせいで戦闘シーンも序盤以外は全く迫力がない。止め絵の連発でごまかしているシーンも多く、制作会社(バイブリー)の「もう限界だ」という悲鳴が画面から聞こえてくるようだった。
原作ファン視点では、主人公3人組+ユニコーンの可愛らしい日常や天城と一航戦の絡みなど「これが見たかった」というシーンもありそれなりには楽しめたが、トータルで見れば「凡作」の誹りは免れない作品だったと思う。