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とても良い

あきらが正己と対する時はいつも緊張し高揚しているのに対して正己は意外に平静なことが多いです。想いを寄せるのがあきらなので当たり前のような気もしますが、若く美しい女性に寄られれば穏やかではいられないのが普通ですよね。
でもその辺りこそが非常に僕の好きなところで、身体が反応するのが遅くて理性が先に立ってしまう、抑え込められてしまう。それが年齢的にも正己本人の個性としても非常なリアルさを持って迫ってきます。
その意味で画の造形が極めて美麗できめ細かいあきらに対して、心情描写は正己の方に慎重なアプローチがされているように感じていて、ある意味ミステリアスなあきらと圧倒的な現実である正己、この対比が物語のバランスを微妙に保っているようで僕は目が離せずにいます。
そこに今話です。あきらの突き刺さるような想いが正己を覆う分厚い層を貫いてしまったわけです。動き出す身体、差し伸べた手に懸命に理由付けをしながらも抑えられない。その正己の行動にとても感動しました。
ラストシーンのあきらの妄想で2人が裸で抱き合っていたのは、正しく心と心が直接触れ合った事を視覚的に見せてくれているようでとても好きでした。
発作的なものとはいえ互いに触れ、肌の匂いを知り、その温かさを感じてしまった。これはもう元には戻れないはずです。これからどう動いて行くのでしょうね。



良い

前回に増して2人の関係においてのチセの力が増し、もはやエリアスの手の中から出つつあるような印象さえ受ける回でした。
エリアスに対してはっきりと異議を唱え、過失を責めることで有利に交渉を導く。セス・ノエルとのコネで雛の居所を突き止め、またマリエルとの間にエリアスですら知らない関係を築き水面下で道筋をつける。
チセに自主性が備わり能動的に動くことによって逆にエリアスが引っ張られて行くという関係に変化しているようでした。
独立というよりより夫婦としての関係が深まったように思うのですが一方のエリアスの思惑とは外れていっているようでした。これまで1人で生きてきた生涯だったのに依存する相手ができたことで自立することを恐れるようになってしまったようです。
個人的に心配していた小鳥の使いをこっそり埋めてしまった行為は、今となるとチセが離れることを恐れた幼稚な行為に見えてきて「おいエリアスちゃんとしろ」と言いたくなってしまいました。
ドラゴンの雛が暴れ出したことで、それを大切に思い激しく共振するチセと関係ないと切り捨てたいエリアスとの間に溝ができそうでどうなるのでしょう…。
またカルタフィルスが実は救いを求めていることや自分をぼく「たち」と言ったこと、欠損する体や本当の名前は何か、等々気になることはたくさんあります。
エリアスも色んな苦しみを知り思い惑っているようです。
力強い女性陣になんとかしてもらいたいものです。



とても良い

はるかとあきらの関係にクローズアップしそれぞれの少女の頃からの思いを描いた回でした。空(天候)と高さの演出に面白さがあったように思います。
はるかとの思い出、そして共に過ごす時間はずっと夏空の下にあり、2人の関係が晴れやかな溌剌としたものであるように意味付けられているのかなと感じました。
補習が終わって階段を降りると陽だまりの中に陸上部の一団があり、あきらは下駄箱の陰にひそむ構図。そして校外へ出て汗だくで坂を登った先に渇きを癒す水があり、ひらけた風景を青空が包み風の音がする。あきらに自身の思いを悟らせるかのようなシーンだったと思います。
‪またはるかの放ったカプセルは青空から降ってきてあきらの気持ちを誘うようにも見える一方、夕立ちの中で出会った正己のもとから離れ階段を登るとそこには走る姿の写真集がある。思わずそれを手に取ってしまう一連の流れはあきらが心の底で求めているものを映し出していたように感じました。‬

正己が図書館を海に例えたのは本の世界に耽溺する自分を思っての事のように思いましたが、水族館と感じたあきらにとってはあくまで外から眺める対象でしかないようで、2人の暮らす世界が違うことを示しているのかななどと思ってしまいました。

‪正己と別れた帰り道、天から吹き付ける風にかつてのイメージをよみがえらせたあきらでしたが、見上げればそこには淡い月の光。‬
真夏の照りつける太陽がそこに見つかる時がいつか来るのかなと思わせる余韻があるラストシーンでした。



とても良い

2週続けて友人関係を発展させてきたチセでしたが、ルツの言うとおりエリアスとの間はすっかり立場が逆転してしまったようです。
チセの自信溢れる雰囲気が随所に見て取れた回となりました。
出会ったばかりの頃からすると考えられませんが、エリアスに対して怒ってみたり目覚めなかったら魔法(?)を試してみたりと結構やりたい放題で、「私にも考えがあります」なんてどちらの熟練夫婦ですか?と言いたくなるほどですよね。
(思ってくれていると自惚れてもいいのかな…)なんて殊勝なことを独白していましたが内実は随分違うようです。仲直りの後も随分と関係に自信が持てる表情を浮かべていたように見えました。
人狼の毛皮を被ったときに狐ではなく狼の姿を取り得たことは、孤独に生きる者から群れの成員として生きる者へのステップアップを成し遂げたということなのかな?と考えていました。
今回はエリアスの子供じみた態度という事で片付きましたが適度にヤキモチを焼いてあげるのは寧ろ大切なことですし、自身を“わがまま”と自制してしまうチセにこそ必要な感情表現なのかな、と思います。デイビッドの言う“無理をしない”というのはそういう事も含んでいるのではないでしょうか。
カルタフィルスと灰の目という作中特異な“繋がり”を持たない者達の登場で俄かにかき曇ってきたストーリーですが、2人には頑張って乗り越えてほしいものです。
なに、いざとなったら僕たちのシルキーさんがハンマーでなんとかしてくれます。



とても良い

書斎やベッド脇に乱雑に積まれた小説群と書棚にきちんと収められたビジネス書が正己の半生や性格を物語っていて、切ないような哀しいような気分になってしまいます。
決して田舎とは言えないような町で外出時に鍵をかけるほどのものも持たず、空腹を満たすためだけの飯を食い書に埋もれる生活。薄給の内から養育費を払ってもいるでしょう、そういう生活の中で本当に夢も希望も持たず長い時を過ごして来たのではないでしょうか。
散らかった生活感溢れる部屋の押入れから飛び出したあきらの衝撃は正己の人生に突如舞い降りた彼女の姿そのままのようで象徴的だったように思います。
短いスカートで倒れこんだり下着がお茶で透けたりするのを見ても、スケベ心より先に申し訳ないという気持ちが先走るその感じに共感が湧いてしまいました。

一方、自分の靴をそっと正己の靴に寄せたりシャツの匂いを嗅いだりと相変わらずのあきらでしたが、本当に正己のことが好きというよりはまだ恋に恋する乙女といった風に僕には見えました。でもその辺りのはっきりさせない感じが作品の魅力なのだと感じています。
また、自宅に押しかけたとあっていつも以上にときめいている場面が多かったのですけど、傘を持っての迎えに対する正己の「ありがとう」には何の変化もありませんでした。匂いのついた揃いのシャツになったことで家族のような気持ちになったのか、語られていない彼女の父親に向かうような気持ちになったのか僕にはわかりませんでしたが印象的な場面でした。

3話のモノローグに引き続き今回も出てきた『羅生門』。正己もいつか下人のように「生きる」ための決断を下す、そんな展開になっていくのですかね。彷徨うふたりの気持ちがどこに落ち着くのか見届けたいです。



とても良い

ループタイを気にするエリアスさんかわいすぎました。今話はチセよりも骨頭さんにキュンとするような場面が多かった気がします。
クマのプレゼントの仕掛けに得意だったり出かけるチセのことを疑ったりと、すっかりチセに気持ちが向いているようで人間らしくなってきたなあと思わずウンウンと頷いてしまいました。
灰の目に捕まってしまった時はチセの姿になってしまうし、無事に会えた時はなんとエリアスの方から抱きついたりとその傾倒ぶりにはとてもびっくりしました。
そんなエリアスなのでステラが愛しい「僕だけの」チセに抱きつくたびに心穏やかではない様子が映し出されていてかわいそうになってしまうほどです。
ステラから「友達」と恐らく初めて他人から強い好意を示されたチセがはにかみ喜んでいる時にエリアスが何を思っていたのかと思うと切なくなってしまいます。
求めていたチセが「私のものを!」と過たずに見つけてくれて嬉しかった気持ちに冷や水を浴びせられたような気分ではなかったでしょうか。
折しもその瞬間は獣じみたチセとチセの姿をしたエリアスという姿の転換に応じるように立場までもがこれまでと逆転していて、実は物語の重要な転換点だったのかもしれないな、と思ってしまいました。
少し前後してしまいますが、2人がステラの提示した対価を受け取ると決めた瞬間は目の色だけがチセに戻っていて、2人の主導権がチセに移りつつあることを示していたのかもしれないなあと深読みしてしまいたくなります。

灰の目の言う「強い言葉」では未だ結ばれていない2人だけに今回の成り行きには心がざわつくばかりです。迂闊な言葉が関係にヒビを入れてはしまわないかと心配です。

余談ですが、僕はセルキーも大好きなんですけど魚のプレゼントを寄越してましたよね。アレ日本で言ったら新巻鮭みたいなもので一生懸命良いもの選んだんだなあ、と頭撫でたくなってしまいました。
セルキーかわいいよセルキー



とても良い

2度のデートを巡って三者三様の思いが対比的に顕れていてとても見応えのある回でした。
天候やあきらの服装があまりに対照的で笑ってしまうほどでしたが、心情面でも丁寧な描写がされているように感じました

加瀬があきらのちょっとしたミスを手繰って約束を取り付け、心の傷を抉り、そこにつけ入ろうとするのは刹那的な関係で自分の利益だけを求めるアプローチの仕方であって、相手への思い遣りや気遣いといったものは微塵も感じられません。
‪また正己も独白したとおり、自分を守りたい、傷つきたくないという思いから何もアクションを起こせずにいます。‬
拒絶するでもない曖昧な態度は緩慢にあきらを傷つけるものであるのですが、一方で徐々に彼女に魅せられ揺れ動く様も描かれています。3人中最も難しい局面にあるように思います。
‪そしてあきらの姿勢も私を見つけてほしいという自己欲求から出ているのは2人と同じですが、ハッキリと異なるのは何より「好き」という気持ちが原動力になっている点です。一度観た好みでもなさそうな映画を褒め、乏しく不慣れな気遣いを発揮して砂糖を入れすぎて…と懸命な思い遣りを見せています。‬
別れ際の加瀬があきらの頬にキスしますが、あきらは妄想しつつも思い留まる。加瀬の行動はマーキングのようなものかもしれませんが、あきらのそれは自身の照れや羞らいではなく、恐らく求めていないだろう正己の心情への寄り添いがあるように感じました。

加瀬との時にだけ映された「航行禁止」の看板や1話に続いて屑かごから外れてしまった紙くず、要所要所で印象付けられる足の手術痕など気になる表現もたくさんありました。
あきらや正己の心の動きをしっとりと感じられるのがとても好きです。次回が楽しみです。

これは完全に余談ですが、個人的にはわざわざバイトに入ってきた吉澤くんがいつかあきらのピンチを助けてくれるのでは、と期待しています。彼、とっても好感が持てるキャラクターですよね。



良い

ヴァイオレットの率直に思ったことを口に出す性質はいつも人の心を揺さぶります。それは時に本質を穿ち感動へと導くこともあれば、触れてはいけない部分に触れ悲しみや怒りを呼び起こすことも。
例えば目的地へと向かう車内でのアイリスとのやり取りで、カザリの地勢の説明で彼女を納得させた後すぐに苛立ちを掻き立てるところなどこれまでも度々描写されている通りですが、やはりこの点がヴァイオレットのドールとしての持ち味になって行くのでしょうね。
またヴァイオレットが、自身の振る舞いで人を傷つけてしまったことに気づかされた時や他人の気持ちが理解できない時には真剣に悩んでいる様子もよく出てきます。表に感情を出さない分内面は寧ろ人より激しく揺れ動いているのかもしれません。
そして彼女は美しいものを感じとる感性が豊かです。泣かれようが怒鳴られようが動じないヴァイオレットなのに、平坦な口調ながら美に魅了されるシーンは正に心奪われるといった風情でとても印象的。やはりそれは秘めた感情の豊かさを雄弁に物語るものだと思います。

人の感情を訪ね自らも成長してゆくヴァイオレットの歩みは黄前久美子のそれに似ているようにも感じます。
余人ならば避けて通るような道を怯まずに進むヴァイオレットの姿が痛々しくも心地よく感じます。



とても良い

志摩りんはすごく長い髪です。手間がかかるのに大切にしてるんですね。それにソロキャンプ。今でこそバイクですけどそれまでは自転車で山道を登って、道具を買うためにバイトも頑張って…なんて自分の世界をとても大事にしてる人なんだと思います。
人との距離感も例えば長いベンチに座ってて誰かがきたら隣のベンチに移る、くらいの感じだと思うんですよ。でもそこになでしこが現れて、偶然だったかもしれないけどりんの世界に入ってきてやることにいちいち楽しんでくれて不思議と馴染んでしまった。
いつのまにかいっしょに夜空の下鍋を囲んで寝床も共にすることを許して…てな感じでいつの間にかあのりんがやらわざわざカメラに映って手振るまでになってるなんて!とか仕事中に考えてたらエモーションがアレして大変でした。ゆるキャン△のこと僕は何もわかってなかったですね。いいものです。
(補足)
スマホがとても重要なアイテムになっていることに今更気づきました。これって携帯電話の普及とキャンプ場にまで電波が届く今の状況がなければ成立し得ない趣味なんですね。それ以前は孤独そのものだった冬のソロキャンプが完全に変質してしまった、ということです。
1人でいても1人じゃない、2つのキャンプが繋がっている、りんはソロでありながらパーティなんですね。だから少女たちのストーリーが成立する。冬の寒空でひとりなのにあったかいドラマになるのはこんなポイントがあるからでまさに現代の物語です。よくできてますよね。
でも盛り上がってる野クルの3人は冷たいスイーツを食べてソロのりんはあったかいボルシチを、なんてところがさりげなく配置されていて心憎いです。
相変わらず劇伴もいい仕事していてほんわかするいいひとときです。楽しかった。



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