サービス開始日: 2017-12-01 (2595日目)
なかなか良い出だしではないだろうか、と… 確かに輪郭線が「月がきれい」を思い出す感じ、自体は悪くないと思うんだけど、学校のシーンのロングショットで紙芝居のように見えてしまったのは何だったのだろうと… ここを除けばクオリティ的にはほとんど文句なしかと…
こういう引っ掛かりが個人的には大きい気もするけど、この辺が気になるのって、家具についた傷に気付いた途端変に気になりだすのに近い感覚な気もするし、他の方がどう思われるのか少し興味あるところ… just becauseでも同じこといってたけど…
はまってた人は最初からそうだったのかもだけど、終盤良い回が続くなと… 気持ち作画も上向いてた気もする、というより面白ければ細部は気にならないというやつかもしれない… 前回に引き続きセリフと行動(気持ち)が真逆になってるくだりが冴えていた…
敵方にドドンガなる憎めないキャラが出てきてがっつり掴まれたけど、これはやっぱり初期ドラゴンボール的な雰囲気、平和が約束されて安心して楽しめる冒険ファンタジーの感じで、面白いと… ピオリムやザメハといったドラクエの魔法描写も楽しくていい感じ…
ツボにはまったなあ、と… 脚本どうこうではない部分での言語化の難しい良さ、巻き戻して観たくなるような、この作品のこれまでの全てがあってこその奇跡的といっても良い瞬間… 作品評価を一段階上げるような話数だった…
瑛太小宮絡みの下りがかなり良かった… 下校での鉢合わせに思わずニタリ、からの小宮の「最悪」のセリフ(芝居)が秀逸… その後のお茶とコーヒーの交換エピソードもそうだけどこの二人って実は滅茶苦茶通じ合ってて、それに対比するような夏目とのすれ違い描写も見事かなと。
夏目と相馬の関係描写が弱い、というあたりも今回の話数で一応筋を通したし、なんかここ最近の話数でやけにこの作品に好意的になってきてて、ちょっと最初から見返さないと総評はできないかなとなってきてる。作画にがっかりで惜しいと思ってしまう箇所が時折あるのは変わらずだけど…
友達と本屋で立ち話してるのを割とロングで捉えるカットでもやっぱり惜しいとなったけど、ここでカットの説得力があるだけでものすごく名作感が上がってくる作品なんだよな、というのはある… 進路に悩む夏目が一期一会のこの瞬間を友達と本屋で過ごしているというシーンを大事にして欲しいというか…
プリンを食べるだけのシーンで何故こんなに幸せな気分になれるのか――言語化の難しいこの作品の良さ、面白さは「2016に起きた事件」といってもよいものだろう。黒猫の可愛さ含め「魔女の宅急便」日常版のようなほのぼのした雰囲気の中で冴え渡る粋な演出には唯一無二といってよい閃きと巧妙さがある。
2016年に起きた二つの事件――ひとつは冬クールに放送された「灰と幻想のグリムガル」、そしてもうひとつがその直後の春クールに放送された本作「ふらいんぐうぃっち」である、と私は考えている。
この二つは、明確なコンセプトを持ち、かつ極めてレベルの高い演出が冴え渡った作品であるという点で共通している。前者が従来の王道ファタジーに一石投じるような異端なコンセプトを持った作品であるのに対して、後者は、キービジュアルそのままのほんわかした田舎の日常風景の中で魔法というファンタジーを極々身近に存在するリアルなものとして浮かび上がらせるというコンセプトを持った作品、もっといえば、日常アニメとして(事件性や意外性のある展開や劇的なドラマで強い引きを生み出すような)ストーリー重視の作品に一石投じるような作品であった、ともいえるかもしれない(「灰と幻想のグリムガル」も魔法の扱い方には一癖ある作品であり、ファンタジー作品における魔法の扱い方に目を引くところがあるという部分でもこの二作は共通している)。
プリンを食べる、あるいはホットケーキを食べる――そういった日常のなんでもない風景をただアニメで描いているだけなのにこんなにも充実した気分にさせてくれるこの作品の面白さは、事件といってもよいものだろう(2話Aパート、学校から帰ってきた千夏が楽しみにしていたプリンを食べるシーンには理由もなく惹きつけられてしまう魅力と、そのシーンを何度も見返したくなってしまうような魔力、中毒性がある)。おそらく、実写でそれらを撮ればただのドキュメンタリーになってしまう可能性は高いだろうから、ここにはやはり「アニメだからこその何か」が在る、という点でも私は本作を重要作であると評価している。
まずは、騙されたと思って本作第1話での箒の飛翔シーンを是非観て欲しい。2016年放送時、SNSでもこのシーンの大きなインパクトが多くのアニメファンを本作品の虜にしてしまったという記憶があるが、率直にいって、胸が高鳴るような素晴らしいシーンだ。本作のコンセプトや演出の妙が凝縮されたこのシーンの素晴らしさは、先に「魔女の宅急便」の日常版と例えはしたものの、ジブリ作品でこういう趣の描き方はなかなかできないだろうというような唯一無二のものになっている(このシーンにおける閃きや高揚感を演出するにあたって出羽良彰氏の劇伴もなくてはならない大変素晴らしいものになっている。作品全編に渡って充実している氏の劇伴も本作の大きな魅力として是非注目していただきたい点だ)。
ゾンビものとしての緊迫感が薄れてしまうこの回は好みの大きな分かれ目になりそう、だけど自分は良い方に振れたかな、と… ハーレムもの、カースト最底辺野郎の反逆、そして二人乗りバイクで股間を触っている手(!)、などなど、もうなんでもありでここまで潔ければ良し、と(笑)
そんなカオスの中、話の最後に毎回のように入る(ファフナーEXODUSを思わせる)主人公の「全てが終わってしまった日の前夜、僕は夜更かしをした」みたいなバッドエンドを予感させるモノローグが、最低限の物語の緊迫感と引きの強さを維持するために機能しているようなとこなんかは結構好みな感じ…
ドラゴンボール初期のノリ(おそらくこんな感じだったはず…)とドラクエのゲームそのままな謎解きの感じとか、ファンタジーが苦手な人が苦手な感じ、とは少し違ってなかなか良い感じかも… アムロ、ヤムチャの古谷徹さん演じるアベルの声の充実感も高い…
揉みしだくシーン、田中将賀キャラデザによるヒロイン(のエロ)にかなりはまってきてしまっている… カメラワークを筆頭にコンテ、演出周りもやっぱりいい感じで、やっぱりその辺のバランス感が良い作品だなあ、と… 毎回変わる凝ったタイトルテロップの出し方も面白い。
バスによるカーアクション、バイクによる男女二人乗り逃避行、と絵になる定番ネタ?、ゾンビより恐いのは人間、を描くための伏線ともとれる新キャラの登場、などまだ想定内の進行だけど、これからどんなあっと驚く展開を見せてくれるのか楽しみではある…
EDの徳永英明「夢を信じて」が名曲すぎてサビで泣いてしまったけど、この曲は深夜アニメで十分再利用できるなあ、と… Bメロのコードに対するメロディの動き方が異質で唸った…
ファンタジーが苦手な人が苦手な感じだろうな、とは思いながら、ナウシカのメーヴェを思わせる飛翔シーンや、ヒロインとの別れの際のスライムの可愛さに閃くものが感じられた… すぎやまこういち先生の名曲群を堪能できるところも良い点だろうか… 全42話、果たしてどこまで続くか…
面白い。すっかり話を忘れていたけど、もの凄い引きの強さを生む仰天展開がそういえばあったな、と… ただこの作品、強いて弱点というか合わない人もいるかなと思う点を考えると、はじまりの樹の加護を受けているとかこの世の理とか、その辺の設定、世界観はあるかも、と。
息抜き回、と思いきや、あなどれない見事な脚本で少し唸ってしまった… この作品、全体的に回想の挿み方がよいんだけど、この話数では、真広と吉野それぞれの視点の回想を葉風が聞き役となって交互に辿る事で二人の思いがけない絆が浮かんでくるという妙技が見られた…
この作品、葉風と吉野達が互いの姿を見ずに声だけでやりとりする期間にほぼまるまる1クール使って遂に対面してから2クールへ、というのも区切りの良さやキャラを掘り下げる面においても構成的になかなか秀逸で練られたものに思える… しかし沢城さんの葉風は、トップクラスのはまり役ではないか…