素直と秋也、殻に閉じこもっていた彼らが自分の人生に向き合い始め喜ばしい反面、これまでそれを補完してきたナオとアキの居場所が無くなっていくジレンマ。温泉デートは仲睦まじいふたりにほっこりするのと同時に、彼ら二人が世界から切り離されていくような寂しさも感じ、もしかしたらレプリカはオリジナルから完全に必要とされなくなったタイミングで消えてしまうのではないか、そんな不安が頭をよぎりました。考えてみるとレプリカは誕生からしてオリジナルから強く必要とされた瞬間にだったわけだし。
面白い。ひたすら弱者でアキヤマに泣き付く役回りだと思っていたナオだけど、騙され続けても正直者としての信念を貫ける彼女の真の強さをみた感じ。囚人のジレンマは現実でもそこかしこで起こってて(核兵器とか)、やるせない思いをする事が多いだけにナオの英断にはカタルシスを感じました。
演じているかぐや姫劇とリョウの境遇を重ね合わせ、ナオとの対話を通して彼女の真の願いに迫っていく演出は素敵。誰しも相手や場面に応じて仮面を付け替えて(時に演じて)生きているわけで、レプリカという役に囚われていたリョウが自己を発見していく物語は共感を誘いました。
そしてラストはショッキングな結末に。ここまでの物語はレプリカが一人の自己を発見していくお話でしたが一転、オリジナルからは決して逃れることが出来ないという運命を突きつけられこの先辛い展開になりそう。この特殊な関係、運命によって本作は何を描こうとしているのか、楽しみです。