米澤穂信が送る小市民シリーズ秋季・冬季、堂々完結。
春の短編から盛り上がって夏で大きい問題にあたる構成だったが、秋と冬はどちらも人間関係に強くフォーカスした印象。ミステリとしても流石の一言。
ラパントラック"らしい"映像表現もすばらしい。心象風景や不穏な空間の描写は強い印象がある。
小鳩くんや小佐内さんのキャラクター性も絶妙で、羊宮妃那さんの名演がバッチリハマっていた。
緊迫感のあるサスペンスを進行しながら過去の事件と現在の事件のつながり、そして事件の中心人物の顛末を見事に描く最高の解決編。
過去の事件があっさり解決したのも物語の雑味にならなくてグッド。堂島くんいいやつすぎない?
そしてすべてが終わったあとの小佐内さんのセリフは彼女らしさが詰まった完結にふさわしい締め方だった。