ロボットの内部図解が大好物な者としては、オーバーホールのシーンだけでお腹いっぱいになれる、メカ物として満足度の高い一話だった。サベージの内部機構、よくあそこまで作り込んだなあ。1tを超えそうな金属塊を吊るしているのに、移動が危険なぐらい速いのはちょっと気になったけど。塗装してマスキングを剥がすシーンも好き。
宗介が駆るサベージが連戦連勝するのを、機体にスポンサーロゴが増えていくことで表現していたのは、小説では難しい映像ならではの表現でよかった。グッスマ、めっちゃ目立っててオイシイな!
あのシーンだけで何種類の3DCGモデルを用意したのやら。オーバーホールのシーンと併せて、途方もない手間を惜しまなかったスタッフに頭が下がる。
そうかあ、次はアイツが来るのかあ。でもってアイツが出現する伏線も張られているし、次は地球最大の決戦ということ!?
メカゴジラは意外な形で、しかし本作の世界観からするとなるほどこうだろうという形で登場。前作と同様に「どうやってゴジラを倒すか」に焦点が絞られていて足踏みや寄り道がないので、ストレスなくアクションに集中できる。
そして、いよいよ打倒ゴジラが成るかどうか(いやまあ続編があるからにはゴジラを倒せないのはわかってるんだけど)というクライマックスで、主人公は非常に重い選択を迫られる。それは、彼自身の生き方を問う選択であり、さらには人とは何かを問う選択でもある。事件、人物、テーマの三つのピークがぴたりと重なる脚本の上手さには、唸るほかない。
本作には、地球外知的生命体が複数種登場するが、彼等の地球人類とは異なる価値観を通して「人とは何か」が浮かび上がってくる様は、まことに直球のSFで嬉しくなった。
前作のレビューでは、ゴジラの「目」が見えるカットが非常に少ないために怪獣映画感が薄いと書いたが、今作では目が見えるカットが増えていて、ゴジラのキャラとしての存在感がぐっと増していたと思う。
はあ……サベージたんイイ……。
原作「燃えるワン・マン・フォース」を読んでサベージ推しになったので、とにかくサベージを魅力的に描いてくれれば。
自分のイメージと合うかちょっと心配だったナミのキャスティングも、なかなかイイ感じ。第4話までと比べるとBGMがBGMの仕事をしていて、ちゃんとフィルムを盛り上げてくれている。
欲を言えば、ナムサクの街はもっと蒸し暑くて臭くてゴミゴミした感じが欲しかったかなあ。スタジアムのトイレとか、人殺しの現場になるような場所だし、真っ先に汚くなりそうなものだが、実にキレイに清掃が行き届いていて違和感が。
今回は総集編。しかし、再編集しBGMが一新されたことで、同じシーンでも結構印象が異なっている。
特にメリダ島の対べへモス戦は、第3話ではひたすら敵に追い込まれる一方な感じだったのが、タフな状況でもしぶとく戦い続けるという、自分が原作から受けた印象に近い感じに。
東京での対ベリアル戦も、第4話ではBGMがなかったシーンにBGMがついて、ぐっとキャラの心情に寄り添えるようになった。
第4話のコダール戦部分も、原作の地の文を使ったナレーションがかぶさることで、より喪失感が増しており、たいへんグッド。
総集編だけど原作者自身による脚本で、めっちゃ面白かった。特にEDの後。EDクレジットに「特殊効果音 楠木ともり」とあって「?」と思ったら、まさかそういうこととは。かわいすぎるだろ、特殊効果音。