サービス開始日: 2017-12-24 (2528日目)
登場人物のまとう雰囲気、音楽、背景……どれをとっても日常系なのに、なぜか主人公は“魔女”。文字通りの非日常が、のんびりとした田舎の空気を少しだけ揺るがせていく。無邪気で天然な木幡さんと、呆気に取られまくる周囲の人々との対比がいい。箒で空を飛ぶときの静かながら劇的な演出も好き。
このプロジェクトが一種の社会実験であることは分かった。けれど、依然園崎さんの最終目的は見えてこない。日染くんもミステリアスなキャラかと思ったらそうでもないし。言葉だけが先行する「キズナ」が具体的には何なのか、考えさせてくれる物語を今後に期待したい。
もう少し緊張感のある展開を期待していたのだが……。取って付けたようなミッションといい、過剰に感傷的な演出のわりに凡庸な秘密の暴露といい、密室ゲームものの悪いパターンに陥ってしまった感がある。何よりもまず、話がどこへ向かっているのか判然としない。
何故かノーマークだったのだが、TRIGGER×岡田麿里で面白くならないわけがなかった。傷の絆で結ばれた6人。他者の痛みを分かち合えば世界は平和になる……園崎さんの言わんとすることもわかるが、初回からこんなに話の方向性を規定してしまっていいのか少し心配ではある。
クーデリアの護衛任務を完遂するため、オルガの指揮の下、鉄華団の各部隊が動き出す。一方、内通者やギャラルホルンの監察官など、彼らの行く手を脅かす存在もしだいに姿を現してくる。三日月の「仲間」と「敵」に対する態度の落差が興味深い。
とうもろこし畑での三日月とクーデリアの会話が今回の見どころ。クーデリアは自然の中で癒されたことへの謝意を伝えようとするが、三日月は一見平和に思えるその風景が搾取や貧困と隣り合わせであることを語り、彼女がそうした状況を救う糸口を作ってくれたと逆に感謝する。クーデリアの胸中やいかに。
「ミカは矛盾した存在、だからこそ強い」とオルガは語る。助けを乞う捕虜の声も老兵の遺言も無視して即座に射殺する三日月は、徹底したリアリストだ。その冷酷さと、自軍に「鉄の華」と名づけるオルガのロマンチシズムは果たして相容れるのか……。
「小説家になろう」発の異世界転生ものの先駆け。RPG風の異世界描写やキャラクター造形には既視感が強いが、「死に戻り」という設定をうまく用いてループものの面白さとサスペンスの緊張感を盛り込むことに成功している。
Cパートの新谷真弓の長広舌が今回のハイライト。ハル子にしろ蛇崩先輩にしろ、やっぱり唯一無二の存在感がある。あと榎木淳弥のトボけた演技がうまい。
ΑΩ・ノヴァ君の、好青年のようでいて実はマッドなキャラクターがツボ。彼の存在を通じてルル子は「普通でない自分」を発見していくのかもしれない。ビッグバンのシーン、ルル子の顔に反射する星たちの光がとてもきれい。
有吉とマツコはこの頃から有名だったんだね。
3人の掛け合いの完成度がどんどん上がっている。「なんなん?」は本作屈指の名言だろう。
分析してもわからない「笑い」の不思議さというものが前半と後半の対比によって浮かび上がってくる。
モリのサービス精神・カトウの真面目さ・フジイの最終兵器感と、アドリブパートでそれぞれの個性が発揮されて面白くなってきた。しかし、ナレーションがいまいち。視聴者の心の声をわざわざ台詞にしてしまうのはセンスがない。
パンスト、キルラキルの流れを汲む正統派(?)TRIGGERギャグアニメ。過去作と違うのはヒロインが「普通の女の子」という点で、M・A・Oの上品な声がその演出に一役買っている。カット割りの素早さや無茶苦茶な変身シーンなど、とにかく目に楽しい作り。
原作は一コマ一コマの緩急でリズムを作っているので、アニメになるとどうしてもテンポが悪くなってしまう。そのせいか、むしろセリフのない雀の話が一番笑えた。必殺技のネーミングセンスはなかなかいい。
雨と夕焼けのディスコミュニケーション。
言葉が通じないが故のすれ違いと、だからこそ訪れる幸福な瞬間をこれほど美しく描けるとは。ちょっと感動した。
就活の話はやめろって……。
ストーリーよりも雰囲気。綺麗な映像と、花澤さん演じる物憂げな美少女と、センチメンタルなポエムを量産する黒猫をひたすら愛でるアニメ。あとクラムボンのEDはずるい。エンドロールで流れる主人公の小さい頃のかわいいこと。
4つの短編アニメーションからなるオムニバス作品。2作目の「火要鎮」、4作目の「武器よさらば」が印象深い。前者は平行パースの画面が革新的。水彩風の筆触も美しく、絵巻物を捲っているかのような新鮮な視聴体験だった。後者は大友の過去作「彼女の想いで」を髣髴とさせる廃墟潜入アクション。作画も素晴らしいが、結末はより皮肉に満ちている。
前半はラジ率いる商船団と海賊との海上の攻防。後半ではゼンたちが合流し、“海の鉤爪”が根城とする洞窟で白兵戦が始まる。この作品にしては珍しく、所々に作画の乱れる箇所が。商人たちの物分かりが良すぎたり、思いつきの作戦が成功するなど少々説得力に欠ける描写が目立った。
二重の誘拐に遭った白雪と、白雪を追うゼンやラジ達の一行、この2つの視点から物語が進行する。今まで脇役に徹していたキキに初めて焦点が当たる巧みな展開。いつもは冷静な白雪が感情を露わにするシーンが多く、彼女の中でゼンの存在が知らず大きくなっていたことが窺える。