サービス開始日: 2017-07-17 (3329日目)
シュールな笑いがジワジワ込み上げてくる作品。
小手先でなんとかしようとして因果応報を受けたり、食欲と感情で葛藤したりと、
行動の結果が自分に返ってくる、なにかを得ればなにかを失う、ということをブラックジョークを交えて上手く描かれていたと思う。
3DCGでセリフはないが、表情や仕草で感情が伝わってきたし、心情面からもキャラクターに人間味が感じられ楽しめた。
コミカルに描かれていたララと現代社会の邂逅に対して、悲愴感のあるリサの過去が対照的だった。
サブタイトルの「わたしを照らす光」は話の内容からすると、リサ視点のものでコータのことを指しているのだろう。
が、あえてララ視点で「わたしを照らす光」(支えてくれる人)を考えてみると、
茉里はじめ大津家の人々、ひめか、バイト先の人々、などたくさんの人が浮かんできて、
やはりララとリサの対照的な立ち位置を意識させられる。
キャラデザを見ても「自分ではなにもわからず『停止』してしまうララ:赤」「自分の意志で『前進』するリサ:青」という対照性を感じる。
この対照性を意識しつつストーリー展開を追っていくのも面白いかもしれない。
ちなみにリサの過去には、つい同情してしまったし、リサとコータの関係性は、主従を超えた信頼関係が感じられた。
恋愛感情があるかはさておき、二人には幸せな結末を迎えてほしいと素直に思う。
そしてラストは、王子のそっくりさんと出会って人魚化するララ。
引きも秀逸である。
ここまでのエピソードで、蔵から脱走や、喜八との発明品づくり、引きこもり奥様の説得など、
稲子の成長する姿が描かれていたように思っていたので、
父親に叱られ自分への劣等感で身動きできなくなる姿には、ちょっと今更感を覚えてしまった。
とはいえ、喜八の声で背中押されているあたり、絆は深まっているのだろう。
また、健吾のケイトパパに対する感情や、ケイトパパと清六との関係性、清六人形の手を取って語りかける洋輔の心酔ぶりなど、
そろそろ清六の人物像の深掘りが気になるところ。
それはそれとして、バンドの特訓シーンが昭和アニメ調だったり、
洋輔がいきなり半裸になって踊りだしたり、
稲子たちの音楽がデスメタルだったり、
どう受け止めればいいか戸惑いを感じるシーンもあった。
サブタイトルにある「革新」を視聴者側にも意識させる演出だったのか、
それとも考えたら負けで、そのま素直に受け取って、笑って見てればいいだけなんだろうか。
ちょっと受け取り方に困りつつも、印象に残る回でもあった。
律のみゅーたいぷ加入をビオラが提案していたのは意外だったが、
問題の当事者であるビオラの提案をすんなり検討しちゃう大人たちの描写に不自然さも感じた。
その不自然さは、描きたいストーリー(律をみゅーたいぷに加入させる)が先にあって、
その展開に合わせてキャラクターが動かされているように感じてしまったからかもしれない。
ビオラの行動原理がはっきり描かれていないこともあって、
ビオラの悪質ないじめによってストーリーが展開されてるだけという印象もあり、
なんか全体的に話に入り込めない感じがある。
キャラクターの「コレがしたい」という確固たる意志で展開されるストーリが個人的には好みなので、今のところ物足りなさを感じている。
単純に設定は面白いと思った一方で、その魅力を十分に活かしきれていないようにも感じた。
記憶を取り戻していく中で生まれる意外性や、その人の生き方・考え方など、内面が掘り下げられていくところには興味を惹かれた。
また、黄昏時の世界の記憶を取り戻すホテルで「誰ソ彼ホテル」という名前も雰囲気のあるシャレたネーミングだと思う。
一方で「生と死の狭間」に対する自分のイメージと、作品が描こうとしている世界観が噛み合わず、終始ちぐはぐな印象を受けた。
比較することにあまり意味はないが、生と死の狭間というと、自分には「デス・パレード」のような雰囲気のほうがしっくりくる。
そのため、あっけらかんとした支配人や、死に対する緊張感があまり感じられない描写は、
作品の設定から自分が抱いていたイメージとはかけ離れているように感じられた。
また、終盤に登場する「記憶を持ったまま現世に戻れるエレベーター」や「地獄送りにできる箱」も、
ストーリーをまとめるための便利な設定のように感じられてしまった。
もちろん、「生と死の狭間」に対するイメージは人それぞれだと思うので、自分とは違う解釈として楽しめた人もいると思う。
隣りにいるミミの幸せを考えるシーナに対して大局的な視点で現実を突きつける保健医。
理想と現実の間で自分の望みに悩むシーナって感じだったけど、全体的なストーリーは進んでいかない印象。
サブタイトルが「終わらない夜」で不穏に感じるんだけど、そろそろ進むんだろうか?
いや、話が進むとそれはそれで、悲惨な展開になりそうな雰囲気だし、今のままでもいいっちゃいいんだけど・・・。