<評価:S>
視聴2023.12.12
濃密にSFな世界観の完成度が高いし、知的さもあって良かった。
生と死に表象した善悪の話だと思ったら理性と野性の話だった。二元的な突き詰め方をずっとしてたけど結局は多元的な野性/意識/欲求を肯定をした結末だったと思う。
良い意味で「自殺は身勝手だ」をびしびし感じたし、死っておもしろいな
善悪や生死、苦楽といった観念の表裏一体さや相補性を思わされた。
管理された世界で生かされてる状況って生きてるの? 死んでるの? って感じのお話だった。
ちょいちょい百合成分もあってすき……。
メモリの争奪戦はしないけど社会の仕組み的には楽園追放だった気がする。
みんな社会を回すための歯車として生かされている感じ。
自分の肉体があって自分の意志で行動できるんだろうけどすべてが監視されているわけだし、
それって本当に自分の意志による行動なの? ってなる。
何もかも管理されて指示通りに行動している世界で生きる意味ってなんだろう?
そんな世界で長生きしていて意味があるんだろうか? って思った。
考えることたっぷりで見たあとじっくりと楽しめるお話だった。
Project-Itohが始まった時、一番不安だったのはハーモニーの映像化だった。ハーモニーのキモは「小説という媒体で描かれていること」だ。文章で語られるからこそ「etml」の設定とギミックが生きてくる。それを映像にしては、ハーモニー本来の魅力が損なわれてしまうのではないか?
そう思ったのである。
いざ見てみると、スタッフの「原作の魅力を損なわないようにする努力」が伝わってきて、そこまで悪くない映像化であると感じた。膨大なテキストの原作からうまく内容を取捨選択しつつ、根幹にある物語性は決して失われていない。
映像化としては、ある程度成功した作品と思える。
しかし、物語を2時間に詰め込んだことによる「ツケ」は確実に作品の各所に現れている。その代表が「全編にわたって多すぎる台詞」だ。
映画版「ハーモニー」は、昨今のアニメ映画としては非常に台詞が多い。SF的設定の解説は勿論、語り手であるトァンの心情描写、各キャラクターとの会話など、台詞の量がかなり多い。「説明的」に感じるほどだ。
代表例が、序盤の日本に帰国したトァンとキアンのレストランでの会話シーン。二人の会話中、ずっとアングルとカメラを変えながらレストランとその周囲の風景が流れ続ける。これらの膨大なセリフは原作既読者なら「原作のテキストが膨大なので、しょうがない」と思えるだろうが、映画版から入った人にとっては「セリフばかりで退屈」と受け取られかねない。
確かに「描写不足で視聴者の理解が追いつかない」よりは丁寧な説明があったほうが断然いいし、一種の「会話劇」として楽しめるようなシーンもあるのだが、少し「説明的」な感じは否めなかった。
Project-Itoh第一弾「屍者の帝国」と比較すると、先のように原作再現に拘った分、「一本の映画としての粗」が出てきてしまっている印象がある。屍者の帝国は映画化にあたってストーリーのメイン部分の改変や登場人物の削減などでうまく2時間に収めつつ「エンタメ方向に寄せた、もう一つの『屍者の帝国』」を作り上げた感じがあるのだが、本作は原作のエッセンスを損なわないことに注力した分、「映画『ハーモニー』にしかない魅力」というものが欠けてしまった気がしてならない。
「原作再現」というのはアニメ化において間違ったことではないし、「2時間で原作を追体験できる映画」と考えれば悪いことではないのだが「原作の映像化」以上のもの、或いは「原作にはなかった『映像化』ならではの一捻り」を期待しているとガッカリする。
しかし、もともとの出来が良いのでストーリーが破綻しているわけではないし、映画として評価できる部分も多い。
とことん有機的で病的なまでに白く彩られた日本、ヒマワリの群れや終盤のロシアの雄大な自然など、美術に関しては「屍者の帝国」もそうだったが素晴らしいし、特にディアン・ケヒト外縁の市街はよく描かれている。
作画も屍者の帝国に比べると少し汚い感はあるものの全編にわたって安定している。
総評すると、決して映画としてのデキが悪いわけではないのだが、映画化に際して一捻り入れて、初見の人にも楽しめるよう工夫しつつも原作既読者に対しても異なるアプローチを示した「屍者の帝国」と比べると、原作のトレースにこだわりすぎ、かつetmlなど重要なファクターが希薄化したことで「原作既読者向けのアニメ化」という、アニメ化によくあるパターンにハマってしまった感は否めない。
どうしても『虐殺器官』を観てから、時系列にそって、こっちを観たかったので、2年弱ほど積んでいたが、やっと観ることが叶った。
2年の歳月で若干CGの固さは感じるが、原作小説とは違う良さがあった。
原作小説『ハーモニー』の中で起きた事件をアニメ化した、というのが精確だろうか。
原作ではもう一枚外側の視点としてetmlが有るが、やはり映像作品でそれを描写するのは難しかったのだろう。
しかし、そうは云っても、良く出来ていたとは思う。
惜しむらくは、カプレーゼ『えう』のところ、余りにもコミカライズが良く出来ていたので、若干惜しいと感じた。
うえしゃまも、サワシロスも、チョーさんも好演だった、あと死にゆくミキシン、モブ位置山下誠一郎くん、など誰もが良い芝居だった。
「屍者の帝国」に続きDアニメストアで視聴。原作既読。原作の方も「ハーモニー」の方が好みだったが、アニメもこちらの方が良かった。声優さん達の声の演技もなかなか良い。原作と大筋では変わってなかったと思うが、再読してみるかな。
屍者の帝国に比べるとこちらのほうが個人的にはわかり良かった。
ミァハの生い立ち、過去、元に戻りたい欲求からの行動。
トァンはずっとミァハを追い求めてたんだろうなぁ。
ミァハ自身にしても、トァンの選択にしても、ハーモニーの起動にしても悲しい終わり方であった。
2月4日鑑賞。CGアニメーションとしてはよい。『楽園追放』を思い出した。
モノローグ多いって言われてるけど、
原作先に読んでれば、想い描いた風景がキッチリ映像化されてることを楽しめると思う
終盤は少し微妙。ラストの終わり方とか4足ロボとか。
原作みてないと訳わからないと思う
あと、肌の質感がいまいち
これ見てからニコマコス倫理学を読んでみるテスト(-ω-)
中盤の演出過剰を除けば、終わり方はわりと好きな感じが。良い感じの余韻も好き。
映像も素敵で、音楽もリラックスできる心地よい感じだったけど、物語そのものについては、もう少し理解が必要なのかもしれない。
原作読んだらもう一回チャレンジしてみたいと思う。
なんつーか精神難易度が高い
もう少しやりようはあったと思う