ネットで知り合った女の子に出張の度に会って仲良くしていたら相手がドン引きするぐらい本気になってしまい迷惑していた所に本妻登場して成敗!……という構図だろうか?
チセとエリアス、それぞれがやらなければならないことをした結果があまりに擦れ違っていて辛い。又、今回のメインではないけれどアドルフやマリエルも自分に出来ることを最大限やっているのにそれが報われておらず悲しい
でも行動の結果が報われないと取るか、充分な見返りが有ったと取るかはその人の気持ち次第でも有る。
ピュリスは樹に取り込まれた自身の姿を人に手を差し出した「証のようなもの」と捉える。この考え方はチセに少し似ているし、ピュリスの有様をマリエルが納得しない点はどこかエリアスとチセの関係を彷彿とさせる
そう見るととマリエルがチセに宿ったドラゴンの力を利用してピュリスの呪いを解こうとしていた行為すらエリアスと被ってくる
しかし、マリエルとエリアス最大の違いはその思惑を行動に移すかどうか。
魔女の集会でもチセを助ける有効な手段が見つからないどころか、命の代わりになるものは命しか無いと言われたエリアス。チセへの依存が凄まじいことになっていたエリアスはこの時点で相当切羽詰まっていた為にマリエルの言葉に飛びついてしまったんだろうけど、そんなエリアスの焦燥をチセが察せられなかったのが悔やまれる
これまでも散々人間とは異なる価値観を示し化け物を思わせる面も見せてきたエリアス。彼がマリエルのように命を命で補う行為を躊躇するはずがない。
ただ、よりによってステラを選んだ理由に人間的な嫉妬の感情が含まれている故にチセはエリアスの選択を理解できる部分がありつつそれを実行できるエリアスが理解できない
化け物の面を見せたエリアスの傍を離れ別の怪物カルタフィルスと共に行くことを決めたチセ。
視聴者的には最悪の選択にしか思えないチセの行動。それでも、今回の選択の中でもチセが己の、そして二人の幸せを掴むためのものだと信じたいな
「今の貴方」という表現に再び二人が隣に並べる未来を期待しつつ次週を待ちたい
柳原と島田のあまりに見窄らしいポスターや棋匠戦開催の裏事情からそれほど期待されていないタイトルに思える冒頭からゆっくりと双方が掛ける意気込みやどうあってもタイトルにしがみつかなければならない理由が見えてくる展開は面白い
島田の事情は以前、説明されていたけどやはり時間が経っているから少し忘れていた部分もあった。それが駅舎の横断幕や応援に来た高齢者達の様子から思い出され、更に何時になく気合の入った島田の顔で彼がどれ程タイトルを欲しているかが判る
けれどそれ以上に激しく、それでいて静かに伝わってくるのは柳原の背負っているもの
これまで真面目に対局する場面があまり描かれてこなかったために「気のいいおじーちゃん」に見えていた柳原の内面がこれでもかと描写されていた。
昔は零と二階堂のように仲間たちと楽しくやっていた柳原。それが一人減りもう一人減り続け、その度に涙を流す彼らから想いを託されてきた。
そんな背景があることを知ってからあの賑やかな宴会模様や一人寂しくタバコを吸うがんちゃんの隣へ行く姿を見ると、散々失って託されて将棋を指し続ける行為から逃れられなくなった彼がそれでも大切にしたいものなんだろうなと思う
そういった意味では島田はあの光景をアウェイと言ったけど、それは柳原の味方の集いという意味以上に柳原の棋士人生の集大成でもあるゆえに、あの光景を前に柳原の背負っている部分が垣間見えアウェイと感じられるのかもしれない
記者は「A級から落ちたらどうします?」と聞いてきたけど、柳原にだってそんな先のことは判らない。多くの襷に纏わり付かれ焼かれている真っ最中の彼には目の前の将棋盤が全て
起床時は普通のお爺さんと何ら変わらぬ姿から将棋盤を前に老獪な化け物に変化した彼が誰も見たことのない新手でどのように棋士人生を見せつけてくるのか非常に楽しみ。
これまで積み上げられてきた嘘によって多くの裏切りが生じた回
フレイヤによるあまりに大きな犠牲にニーナもスザクも動揺しているけど、これはシュナイゼルが巧妙にフレイヤが戦闘用だから敵殲滅にしか使われないとニーナ達を騙していた面が強いのだろうと感じられる
又、シュナイゼルは玉城達にゼロやギアスの正体を誠実に話しているように見えて幾つか考えを誘導するような言葉も放っている。何よりもあれだけの証拠を握りながらフレイヤが使用されるまでネタバラシしなかった時点で恐ろしい男である
というか斑鳩に乗り込む豪胆さを示しておきながら、操られていないか恐ろしいなんて大嘘としか思えない。
ルルーシュが全てを失ってしまったのは、これまでの彼の功績が絶対遵守のギアスや嘘によって形作られてきたから。そこに真実が差し込まれてしまえばあっけなく崩れてしまう脆い玉座。
シュナイゼルを前にカレンや騎士団を駒と言ったがそこには真実も嘘もある。そこで自身の顔を晒したのは敗者としてみっともない立ち居振る舞いは避けようという虚勢があった訳だけど、それでも最後まで忠実であったカレンにだけルルーシュの真実の言葉が届くのは印象的
そして最も今回の「嘘と裏切り」を象徴するのはやはりロロ
ロロは偽りの時間の中でルルーシュに出来た嘘の弟。これまでルルーシュがロロに投げかけてきたのは殆ど嘘ばかりで唯一の真実は今回の罵声だけ。でもロロはそれを嘘だと思い込みルルーシュだけが自分の本物なんだと言う。ルルーシュの嘘を信じて逝けたロロは幸せだったのかもしれない
同じくルルーシュも知らなかったのはロロがナナリーを殺そうとしていた点。これを知らない為にルルーシュは本当はナナリーに与える筈だったロケットを与える事が出来、ロロを偽りであっても弟として認められる
ロロとの嘘の絆によって再び立ち上がったルルーシュ。ある意味ナナリーの為に戦っていた過去の自分を裏切るような展開である
最悪のタイミングで裏切った扇だけど、その理由は千草(ヴィレッタ)をゼロから守るため。裏切りが横行する回で彼だけが真実の愛の為に戦うラブロマンスの世界にいるようでほんの少しだけイラッとしてしまう