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とても良い

滝に質問できる時間も活用できず、部員への説明も不満が残り、幹部間での燻りも明らかになった。今の北宇治は全てが正しく回っていない
解決策は何なのか?その真っ当過ぎる疑問の果ては「全国金を取れる演奏とは何なのか?」という苦悩へと行き着いたような
誰も答えを持っていないから藻掻くしかなくて無様になる

滝を信じるか、信じないか。久美子と麗奈を分かつその問題は他方で信じた先に何があるのか?という隠れた疑問が存在する
麗奈は信じれば金を取れる、1・2年は信じても金は取れないとの認識差。そこに部の経営論が絡むから問題の根源を曖昧にさせた
誰もが北宇治で金を取りたいと思ってる。でも、北宇治に無かった手法が誰をも迷わせた

混迷を極める諸問題をずばっと分離してくれたのがあすかとは…
彼女は正論と我儘の二択を授けているね。でも、久美子に最も響いたのは別、誰もが迷っているという点。また久美子とあすかの関係における成功談
久美子があすかにぶち撒けた言葉は正論等では全く無かったが、彼女を動かすに充分な熱量を持っていた。根源の話には正論をぶん殴る力が有るのかもしれない

久美子が本番前の語るのも正論でも解決策でもなく、情けないまでに迷いながらも全国金を求める根源的な欲求
だから苦労を共にした緑や葉月が真っ先に呼応して、それが部全体に伝播していく。何故なら全国金を取りたい想いは皆同じだから
これまでと異なる形で告げられた次の曲の開始、関西大会で彼女らの曲は終わらないのだと感じられたよ



良い

天使だからとか、雪女だからとか、そういう理由じゃなく何か足りてない部分のあるとわやのえる。その在り様はネガティブなものでなくポジティブな人柄に繋がっていると思うのだけど、それはそれとしてこれまで足りてなかった要素が加わる瞬間は何時にない輝きを放っている
そんな風に思ってしまう回なのでした

とわは怒らない、というよりニコニコしている時間が多い彼女は、だからか森太郎にも善い日常を提供している
彼女が怒ったりネガティブな感情を抱くだなんて想像が難しい。だからこそ、森太郎がのえると仲良くしている風景を見てむくれている珍しい表情には思わずニヤニヤしてしまったり
なのに、その感情を引き摺れず自分に戸惑うなんてやはり可愛らしい人ですよ

友達という存在に過度に幻想を抱き、その対象が現状は森太郎に限定されているのえるはとわ達に面白い認識を抱いていたようで
確かに友達の友達って何時の段階で友達になるか難しいけど、だからってあのタイミングで暴露する感情じゃない(笑)
のえるはまず友達作りじゃなく、自分が他人に抱く感情の整理から始めた方が良いような気がする(笑)



良い

人型怪獣という最近のトピックスに対し保科が思いを馳せていたら、新たな人型怪獣が基地襲撃を仕掛けてくるというね…
こういった部隊系の作品で基地が襲撃されるEPは割と終盤に多い印象である点を考えると今回の襲撃が常識から外れたものであると嫌な程に伝わってくるよ…

基地襲撃、ミナの不在、知性ある人型怪獣、大量の翼竜…
どれを取っても容易ならざる案件。かと言って、すぐにカフカの出番とならず、各隊員が協働して殲滅に当たる様子は燃えるし、協働で倒せない敵をキコルが圧倒的パワーで捻じ伏せる様には更に燃えるね

また、他とは全く異なる戦闘模様となる保科と怪獣10号の戦いには魅せられる
これが隊長格なのかとも、これがナンバリングされた怪獣なのかとも、どちらの意味でも驚嘆させられる
だとしたら、戦闘力とは別の意味で周囲を驚かせる変化を見せた怪獣10号が持つ恐ろしさに保科は果たして並び立てるのだろうか?



良くない


とても良い

桃香や智の意識は改善されバンド活動に後腐れは無くなった。その上にスカウトの話まで降ってきた。後は上手くハマればトントン拍子で行けるかも知れない
そんなトゲナシ最後の問題、仁菜の家庭環境。東京(川崎)に逃げている間は家族からも逃げられた。けれど、親から接触してくるなら逃げ場は無くなっていく、衝突するしか無い

でも、家族を捨てた仁菜に家族と向き合う理由はない。頑なに、又は盲目的になっているからこそルパの言葉は響くね。問題は解決できる内に解決すべし
アパートや桃香邸の逃げ場が封じられた事は猛牛型の仁菜にはむしろ丁度良い。家族とケリを付ける為の闘牛場が出来上がる

家族との会話は重苦しい。特に向き合うこと無く言葉を交わし、「自分は間違ってない」と訴え合う様は会話にすらなってない。だから続く学校でのやり直しも必要な形式を満たしていない
紙切れも父親の誠意も仁菜の心は満たせない
何故なら仁菜の心は桃香の曲を聴いた時にどうしようもなく救われているから

それは家族にとっては遣り切れない話だろうね…
仁菜は確かに傷付いて家を出るに至った。新たな道に進もうとしている。なのにそこへ家族の絡む余地は無い
出来る事があるとしたら、仁菜が実家に居る間に気付く事が無かった愛の所在を教えてやる事だけか…
どれだけの衝突が有ったとしても、そこに間違いは無いのだろうから

家を家と思えない仁菜に実家に留まる理由は無かったから以前は家出した。でも、愛を認めたならそれは出立となる
全ての鬱屈が無くなった訳ではない。それでも以前とは違う心地で自分が叫ぶべき居場所に戻れたなら晴れやかな気持ちになれる
新たな境地に至った仁菜のカタルシスがロックへとどのように昇華されるのか、これからが楽しみに思える回でしたよ



良い

前回に続き、お花見キャンプより一足先に春の訪れを堪能するようなEPに
本格的なソロキャンをしているのではなく、それぞれが別行動しているだけである為に早春の楽しみ方も様々に映し描いていると感じられたよ
本作はグループ行動も楽しければ単独行動も楽しめる作品ですよ

一足先にという点では新学期になれば本格登場する後輩組も顔出しされたね
まだ本格的にキャンプ活動に絡んでいるわけではない二人からはキャンパーの匂いはしない。それだけに彼女らがどのようにしてキャンプの楽しさに目覚めていくかをワクワク期待しててしまう。まあ、その光景に関してこそ、春を待てという事なのだろうけど

春探しは意外なものをもリンとなでしこに見つけさせるね
リンは小さい頃の思い出の場所を、なでしこはレトロ電車の設置場を
特になでしこにとってはレトロ電車の情報が次のキャンプ目的地選定にも活きてくるのだから、こののんびりとしたお出掛けは想像以上の拾い物が出来たと言えるのだろうね

千明は場所取り兼ねてのソロキャン、趣味人な彼女だからこそ一人時間の過ごし方も趣味を突き詰める形に
カクテルにパラコード編みとは、少しの工夫で高尚な趣味かのよう。…そこで少しの失敗が含まれているのは彼女らしいけど(笑)
それにしても、出鱈目回想でもないのにあおいはどうやってあの場に混ざり込んだのやら(笑)



良い

アルとバーニィが協力してガンダムを誘い込む罠を作り上げる様子は緊張感よりも微笑ましさを感じられ、基地に潜入した時の事を思い出させる
あの時の二人は兄弟ではないのに、本物の兄弟みたいで
でも、そんなのは嘘っぱちで。平和を守る為に吐いた嘘を信じ込ませる大人になる為の物語。その終幕はとても寂しいものに感じられましたよ…

ガンダムと戦うのはコロニーを核ミサイルから守る為だった。なのに直前になってその理由が無くなるというのは皮肉と虚無が入り混じっている
一見するバーニィの死は無駄死にという事になってしまう。アルはガンダムを恨まずに居られなくなるかも知れない
だからこそ、バーニィの嘘と真が入り混じったビデオレターが響いてくるね。戦前には見せなかった本音と嘘、戦後に禍根を残さない為の嘘と本音。どちらもアルを慮ったもの
バーニィはコロニーは守れなかったかも知れないが、アルの心は間違いなく守っている

アルがこのバーニィとの関わりを通して、少し大人になったと察せられる描写があるのは良いね
サイクロプス隊に心寄せている間はガンダムなど安易に憎んだ敵だった。なのに乗っていたのは隣人のお姉さんクリス、憎むなんて出来やしない
クリスは自分の役割を教えず、アルを悲しませたり心配させたりしないようにしている
なら、アルだってクリスを悲しませてはならない。バーニィの嘘を信じる彼女に優しい嘘を吐く彼の姿からは最早戦争を無邪気に喜ぶ少年の様子は感じられない

結局、この物語で描かれたのは戦争の一端でしか無く、ガンダムとザクの戦いなど戦局に何の影響もなかった
それでもアルという少年が戦争を理解するには充分過ぎるもので。校長の話を聞き涙を流す程の悲しみを抱いているのに誰にもその理由を言えず、むしろ友人からは「戦争はまたすぐ始まる」と励まされる
周囲より一足早い成長を迎えてしまった彼が後の宇宙世紀をどのように生きたのか、どうにも思いを馳せてしまうラストでしたよ……



とても良い

久しぶりの親子の対面は以前とは少し異なる光景となったようで
あの時はどちらもまだ子供な部分が有った。しかし分かれて過ごしていた時間が互いを成長させているね
パウロは確かに相当参っている。けれど自暴自棄にまで至らず相手を見る眼を残している。それがエリナリーゼへの謝罪にも繋がったのは大きい

時間がそれぞれに成長を促したなら、皆が揃った状態で得られるものも前進を含ませたものになる
ゼニスの安否や迷宮に関する情報は全く進展が無かったが、ルディが旅の過程で得た書物が攻略を進めさせる。更にルディの結婚や兄妹の再会はずっと離れ離れだった家族の時間を再始動させる
彼らにとって時間経過が良い意味で影響しているのだと判る

一方で不安な時間経過と言えるのがロキシーの消息。ヒントも何も無く迷宮で1ヶ月間も行方不明、ルディにすればもっと長い期間彼女と会っていない。彼女の事で判るものなど多くはない
だからこそ、迷宮内で覚えた僅かな違和感からロキシーの居所を探り出し、ピンチな場面にて颯爽と助け出してみせたシーンには感動してしまったよ!
何と言うかシルフィとは違った方面での真ヒロイン登場といった印象でしたよ



良い

炭治郎の前では柔らかな表情が出来るのに、他の隊士には手厳しく淡白な態度を崩さない無一郎の姿は近寄り難さを意識してしまう
それは思わず改善させたくなるが、これが稽古であると理解しているが為にむしろ無一郎への理解補助に徹した炭治郎は良い仲介役となったね

夜間行われた柱同士の稽古で示されるように、隊士への稽古は柱の稽古にはならない。それは実力差を考えれば仕方ないかも知れないが、本来はこちらにも意味があるべきで
炭治郎があの顔をした時には少しビビったが、まあ良い結果にはなったのかな?
剣の腕では競えなくても、紙飛行機なら楽しく競い合える

隊士の底上げを行って、一人でも生き延びられるようにする柱稽古
だから稽古にすら付いていけないと思わせたら失敗で
剣の実力とは別の方面だけど、誰よりも長く飛ぶ無一郎に食らいつこうと皆が楽しく研鑽したあの瞬間こそ、確かに柱稽古の意義を感じられたシーンであるように思えたよ



とても良い

実力者だった久美子や奏の序列が下がった事で静かな激震が確かな罅割れを生み、そこから全と個、公と私、レギュラーと非レギュラー等の対立が見えてくるのは面白い
久美子はこの分断を感じさせる問題に北宇治の部長として向き合うかそれとも黄前久美子という個人として向き合うか、そういう点が問われた訳だ

今回の騒動では久美子自身もショックの渦中にいるという要素は大きいね
本人に思う処は有るのに北宇治の部長として振る舞わなければならない
唯一『私』として悩む姿を明かせたのは親友である麗奈に対してだが、彼女は滝に恋する『私』や変わらずソリを取った『レギュラー』としての立場が久美子より滝を優先する心情を生んでいる

割れる雰囲気の中で滝を肯定し続ける麗奈の振る舞いはより分断を意識させるものになるね。麗奈のスタンスが様変わりしたわけではないのだけど、なら何が変わったかと言えば、その原因を滝に求めると分断に繋がる構図となっている
幹部間ですら生じる意見の食い違いは部全体で起きている事態の縮小版。滝への肯定や否定が北宇治の実力主義スタンスを揺らがせている

麗奈との素を曝け出すような対話は互いの本音を明かしつつも、それぞれの根源的なスタンスをも明示するものとなったね
麗奈は『高坂麗奈という実力者』として、久美子は『黄前久美子という部長』として、役割に準じる己ではなく、役に就く中で形作られた自我を衝突させた
だからどちらも間違いではないし、それがしばしの別れを呼ぶのも覚悟の上

唯一、みっともない『私』として憤りを見せてくれたのが秀一か
なのに『公』として久美子が返したのは強がりなのかな…。久美子にとって今の秀一は泣き言を言える相手じゃないようで
泣き言を言えないなら役に準じるしか無い。そう考えると、同じく役に準じて平時と調子を変えない滝から引き出すべきは公私どちらの言葉だろうか?
部長として黄前久美子として、彼女は滝に何を聞くのだろう?



良い

必要以上に亜季や依に突っ掛かり学生バンドらしからぬ演奏を披露する志帆の思惑は誰にも見えてこない。そうまで頑なだとまるでこちらに落ち度があるかのように感じてしまう。亜季が陥ったのはそういう心境
亜季と志帆だけなら解決の糸口が存在しない関係、そこにバンドメンバーとして依達が関わる事で突破口が開く展開は良いね

SSGIRLSとローレライが本格的に対立を始めるなら、両者に関わるひまりも自然と因縁に関わってくる
亜季にとってSSGIRLSの関係が突破口となったように、志帆の後輩として懐くひまりの関係も突破口。無遠慮な興味ではなく知る為に聞こうとする姿勢。そんなひまりだから志帆も容易に明かさない過去を話してしまったのだろうね
原作既読組としては、キョウを出すならどこまで映像化するのかと気になってしまうが…

世界一のバイオリニストになると自惚れていた志帆の前に現れた『本物』キョウ
それは志帆の心を折るだけでなく、存在理由すら否定する大きな壁
キョウの居ない場所を新たに戦う場所と選んだのは代償行為か反逆行為か。キョウと持ってしまった関係が志帆に突破しなければならない壁を作らせてしまったのだとしたら因果なものですよ…



とても良い

闘牛めいた突進で相手の事情に突っ込む仁菜の棘は以前に言及されたけど、少し似た棘を持つのが智だったのか
方やバンドを固める突進型、方やバンドを壊す直言型。仁菜は自分は間違ってないと暴れ続けるが、間違っていると突きつけられた智はそうは行かない。人に対して臆病になってしまうと…

思った事をズバズバ言ってしまうのに、だからこそトゲナシに対して何も言えない智。そんな彼女にルパは良い同居人として寄り添っているね
でも彼女は智の為だけに行動しているわけではなくて
また、それ以上に自分の為に行動しているのが仁菜かな。クーラーが壊れたからって2件もメンバーの家を梯子する精神はそうそう真似できるものではない(笑)

なら仁菜は他人の気持ちや言葉を一切効かないタイプかと言えばそうではなく
その証明と言えるのが智にギターの腕前を聞いたシーンだね
仁菜はルパではなく智に聞いた、彼女の感想を知ろうとした。そこで智だけが逃げたなら、ズバズバ言ってしまう性格が間違っているのではなく相手と向き合わない姿勢が間違いという事になる

仁菜は智に否定されたのに、すばるにも桃香にも聞きに行った。それは闘牛的でありつつ、諦めない本気を感じさせる。その本気がバンドを強くさせる
智だって臆病を飲み込んで、本気で向き合えばバンドを強くさせられる
「詰まんない」の直言に「だよな」と返してくれるバンド、智がほんとうの意味でトゲナシトゲアリの一員になった瞬間に思えましたよ



良い


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