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とても良い

偽画と愛をめぐる人間ドラマを描いた屈指の名作です。ただの悪徳美術商狩りにとどまらない本作の魅力は、「偽物が本物を超える瞬間」、そして主人公・枝村の手による「鮮やかな結末」という2つの要素が見事に噛み合った点にあります。
真贋鑑定という冷徹な世界において、画家トーマスが手を加えた絵は紛れもない「贋作(フェイク)」です。しかし、トーマスの挫折も愛もすべてを知り、彼の情熱を誰よりも深く理解していたシンシア達には、市場価値としての「本物」を遥かに凌駕する真実の愛が宿っていることを知っています。オークションでの高額落札という「金の価値」に固執する悪徳美術商コールマンを嘲笑うかのように、絵の本質的な価値が見事に反転してみせます。
そして、この物語を極上のエンターテインメントへと昇華させたのが、枝村による鮮やかな絵画のすり替え劇です。土壇場で見せた枝村の機転によって、コールマンには彼が最も愛した「金という名の本物(と市場価値)」を掴ませ、シンシアたちには「想いが完結した真実の絵」を取り戻させました。誰もが自らの欲望や情念に応じた「手に入れるべきもの」を手にするという、見事な仕掛けです。
​枝村のこの大胆な仕掛けによって、傷ついた過去は優しく弔われ、強欲な悪党すらも自分の選択の果てに収まるべき場所へ収まります。単なる騙し合いの快感を超えて、登場人物全員が報われるかたちで美しく幕を閉じる本作は、コンゲームとしてもヒューマンドラマとしても至高の完成度を誇る傑作です。









全体
良くない
ストーリー
良くない

タイトルやプロモーションで「黒の組織との全面対決」を大々的に打ち出しつつも、ミステリー映画およびサスペンス作品としての完成度には大きな課題が残る一作です。
​本作の物語は、広域連続殺人事件の捜査に黒の組織の影が潜んでいるという魅力的な前提からスタートします。しかし、作品の本質を分解すると、中心となる「連続殺人事件の謎解き」と「黒の組織の動向」がまったく噛み合っておらず、シナリオの構成力に難があると言わざるを得ません。
​さらに決定的なのは、黒の組織という存在の扱い方です。本来であれば物語の根幹に関わる重要なお話であるはずにもかかわらず、組織の目的は被害者が持っていたNOCリスト入りの「カード拾い」に終始しています。本編のメインである殺人事件自体は野良の復讐劇であり、黒の組織が関わっていなくても成立する内容にとどまってしまっています。
​映画としてのピークは、終盤の東京タワー内において蘭が至近距離でピストルを避けるシーンに尽きます。彼女の超人的な身体能力とアクション演出が凝縮されたこの場面こそが本作最大のハイライトであり、極論を言えば「このシーンを切り抜きで見るだけで十分」と感じてしまうほど、他のパートの密度が追いついていません。
​大物キャラクターや組織の影をチラつかせながらも、ミステリーの深みと脚本の整合性を欠いた、非常に惜しい作品です。



全体
とても良い
映像
良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
良い
音楽
良い

この作品を一言で表すなら、「万人受けを完全にドブに捨てた代わりに、ギャグの爆発力のみを極限まで研ぎ澄ませた隠れた傑作」です。
​表面的には可愛らしい小学生たちの日常アニメに見えますが、その実態は容赦のない下ネタと変態的なシチュエーションが畳みかける怒涛のハイテンションギャグ。確かに、下ネタへの耐性のない層にはおすすめできる作品ではありません。しかし、その過激な皮を一枚剥いで本質を見れば、本作のギャグアニメとしての構造美とクオリティの高さに圧倒されます。決して「くだらない下ネタアニメ」として埋もれさせていい作品ではありません。
​本作のギャグの強靭さを支えている最大の要素は、「アンジャッシュのすれ違いコント」を思わせる巧みなロジックです。
登場人物たちの小さな勘違いや打算が積み重なり、ドミノ倒しのように事態が悪化。全員が噛み合わない会話のまま暴走を続け、最終的に破滅的な(しかし爆笑必至の)大混乱へと着陸する――。このテンポと計算され尽くした構成力は圧巻で、ただの下ネタに頼らない「純粋なコント・シナリオとしての完成度」の高さが光ります。
​そして、そのドタバタ劇を駆動させるのが強烈な個性あふれるキャラクターたちです。
​コンプライアンスが厳しくなった現代では、二度と作れないかもしれないギリギリの危険領域。だからこそギャグアニメというジャンルにおいて独自の光を放ち続ける「知る人ぞ知る傑作」として称えられるべきだと思います。



良い

ドタバタ劇の着地点として「家族愛」を感じさせてくれたエピソード。ただ笑えるだけのギャグアニメにとどまらず、観終わった後にどこか心がじんわりと温かくなる、まさに『みつどもえ!』という作品を締めくくる良い回でした。



良い

うなぎの蒲焼という「匂いだけで米が食える」最強のタレ料理を軸に、居酒屋のぶを舞台にした大騒動を描いた本話。タイトルの元ネタへのオマージュを効かせつつも、香ばしい醤油と甘辛いタレが焦げる匂いが画面越しに漂ってきそうな圧倒的な作画と演出が冴え渡っています。
​単なる料理の紹介にとどまらず、のぶを取り巻く常連客たちの欲望剥き出しのリアクションがテンポよく描かれており、異世界の人々が日本の「うなぎの蒲焼」という文化に屈服する爽快感が凝縮されています。
​本作の真骨頂とも言えるのが、Cパートの実写ミニコーナー「のぶプラス」です。「アニメのおまけコーナーでここまで心が躍ることがあるのか」と思わされるほど、単なるオマケに留まらない存在感を放っています。
また、ナレーションに実力派声優を起用している点も素晴らしいです。アニメ本編から地続きの「声の説得力」とプロの語り口が、実写の料理映像に圧倒的な高級感と深みを与えています。声優の洗練されたトーンで語られるからこそ、画面に映る料理の「美味しさ」や「シズル感」が何倍にも強調され、視聴者の食欲をダイレクトに刺激してきます。
アニメパートで極限まで高められた「蒲焼が食べたい」という欲求を、実写映像と上質なナレーションで補完する構成が見事です。虚構(アニメ)から現実(実写)への架け橋としてナレーションが完璧な機能を果たしており、最後まで視聴者を飽きさせません。
​第15話は、アニメ本編のコメディと料理描写のキレ、そして「のぶプラス」におけるナレーション起用の妙が見事に噛み合った傑作回です。おまけコーナーまで一切手を抜かない姿勢が、この作品の「飯テロ」としての完成度を極限まで高めています。



良い

​第1話のドラマチックなラストから一転、第2話はひきこもりという存在の「プライドと歪んだ自尊心」をリアルに描いています。
突如現れた美少女・中原岬から渡された「ひきこもり脱出カウンセリング」の契約書。救いの手を差し伸べられたはずの佐藤くんが取った行動は、感謝でも反省でもなく、「俺はひきこもりじゃない、クリエイターだ」という見苦しい見栄と嘘でした。
​この作品の本質は、単なる「可愛いヒロインが救ってくれる都合の良いラブコメ」ではないという点にあります。目の前に救済のチャンスが来ても、傷つくのを恐れてプライドを捨てきれず、自ら泥沼にはまり込んでいく。その滑稽でありながら痛々しい心理描写こそが、このアニメの真骨頂です。
​岬ちゃんのあまりにも純粋(かつミステリアス)なアプローチと、必死に「普通の人」を装おうとする佐藤くんの不毛な攻防。ギャグとして笑いながらも、観ているこちらの胸にじわじわと嫌な汗が伝わってきます。
​差し伸べられた手を素直に握ることすらできない、こじれた自尊心。この「リアルなイタさ」を突きつけてくるからこそ、2話目にして完全にこの作品の沼から抜け出せなくなります。



良い

ひきこもりという重い題材を扱いながらも、圧倒的なテンポ感とシュールなユーモアで観る者を一気に引き込む見事なつかみを見せてくれます。
​社会から孤立した主人公・佐藤達広は自分がひきこもりになった原因を悪の組織「NHK(日本ひきこもり協会)」の陰謀のせいだと思い込むことで、現実の残酷さや己の弱さから必死に目を背けようとする。その痛々しくも滑稽な心理描写は、誰しもが抱える葛藤や逃避願望を鋭く突いてきます。
​怒涛の妄想と空回りの末、絶望的な孤独のどん底に突き落とされたまさにその瞬間、突如として現れる謎の美少女・中原岬。鬱屈とした日常に差し込むあまりにも眩しい救いの光差し込むあまりにも眩しい救いの光――。運命的な出会いという最高のフックを残して終わるこのラストを観て、第2話に進まないなんて絶対に不可能です。
観始めたら最後、このアニメの陰謀に巻き込まれるしかありません。



良くない

デスゲーム系として期待して見た『多数欠』第1話。心理戦や設定の面白さは伝わってくるものの、映像演出や構成の面で少し「引っかかり」を感じるスタートでした。

特に気になった3つのポイントを挙げます。

1. 暗転挟みの基準が謎?テンポを削ぐ「黒画面」

場面転換の際、一瞬黒い画面(暗転)を挟む場合と、そのままカットが変わる場合があります。
「何か特別な意図(時間の経過や視点の切り替えなど)があるのか?」と思って観察していましたが、見たところ法則性があまり見えず、ランダムに使われている印象を受けました。
テンポ感を出すためなのか、尺調整なのかは不明ですが、頻繁に挟まれることで没入感が途切れてしまい、少し気になってしまいました。

2. 心理描写の「溜め」が足りず、緊迫感が素通りする

鬼気迫る心理描写や極限状態の葛藤を描こうとしている姿勢は大いに評価したいところです。
ただ、画面の展開やカット切り替えがあまりにも早すぎる。
キャラクターが追い詰められている命がけの状況なのに、感情を噛み締める「溜め」の時間がないため、視聴者側に緊迫感が波及する前に次のシーンへ素通りしてしまいます。原作の尺を消化する大人の事情もあるのかもしれませんが、もう少し間(ま)を意識した演出が見たかったのが本音です。

3. 謎が散らかされたまま置いてけぼり感

第1話ということもあり、怒涛の勢いで世界観や設定、謎が提示されます。
しかし、視聴者が状況を理解したり「どういうことだ?」と考察したりする余白がないままどんどん話が進むため、「謎にワクワクする」というより「置いてけぼりを食らった」という感覚が勝ってしまいました。

総評

設定や「多数決で人が死ぬ」というコンセプト自体は非常にスリリングで魅力的なだけに、演出のバタつきや尺の詰め込み感が勿体なく感じられた第1話でした。
とはいえ、ここからルールを使った本格的な頭脳戦や心理戦が加速していくはず。2話以降、この演出のテンポ感が改善され、ストーリーの面白さがしっかり噛み合ってくることに期待したいです。



全体
良い
キャラクター
良い
音楽
良い

コメディと熱いバトルの塩梅が秀逸で、シリアスに寄り切らない独自の演出センスが光ります。画面の端々にクスッとできる小ネタや間合いを仕込む手腕からは、制作陣が楽しんで作っている「良い意味での余裕」を感じます。全編を通して漂う「ずっとうっすら笑える雰囲気」が大変良いです。
予想の斜め上をいくストーリーの浅さとツッコミどころの多さが最大の魅力(褒めてます)。12話通して強敵を匂わせつつ結局仲間同士の対戦しかないのはツッコミを禁じえません(褒めてます)。
オープニングテーマも個性が溢れていて大変良い。気づけば一緒になって口ずさんでしまう楽しさがあり、作品の陽気なトーンを象徴しています。
​重くなりすぎず、最後まで独自のノリを貫き通した娯楽作品です。肩の力を抜いてご覧ください。



そういえば六宝玉を手に入れるお話でした。



良い




良い

表層的な羨望で他者の立場を奪っても幸せにはなれないという皮肉『慧月(ケイゲツ)』と、どんな過酷な状況であれ己の意思で適応し前を向く強さ『玲琳(レイリン)』。
第4話時点で、人間が持つ「価値観の多様性」と「生きるための順応力」の美しさを鮮やかに描き出した見事な作品だと痛感しました。



良い

アビーの抱える過去のトラウマと、それをぶち壊す枝村の行動が『BLACK LAGOON』の波動を感じて最高です。









良い


良い


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