可愛い絵柄に油断していると頭を殴られるような刺激と、爆笑必至の高度な勘違い劇が楽しめます。まさに日常アニメ界の無法者(アウトロー)。
『みつどもえ』という作品の本質と魅力がギュッと詰まった、完璧な第1話です。キレのある下ネタとテンポの良いコメディを求めている方には、間違いなくおすすめできる作品です。
演出やテンポ、一部の心理描写の省略といったアニメならではの課題を抱えつつも、「先の読めない不条理な展開」と「人間の業を描く物語の強さ」でグイグイ見せてくれます。
アニメーションのもっさり感や描写の抜け等へのツッコミどころはありますが、あの黒い球体が提示する絶望の続きを追わざるを得ません。まんまとGANTZの術中にハマってしまう、そんな魅力と歪みを併せ持った作品です。
この作品の最大の功績は、「落語」という音声と身振りだけの静的な芸を、動的な「バトルエンターテインメント」へと昇華させた点にあります。
私自身、落語については詳しくありませんが、それでも一気に引き込まれてしまうのは、観客の「空気感」や「会場全体が呑まれていく感覚」を描く演出が巧みだからです。
物語の原動力は、破門された父の無念を晴らす主人公・朱音(あかね)の「復讐」から始まります。
本作の大きな魅力は、朱音の圧倒的な「無双感」です。彼女は苦労して技を叩き込んだというより、幼少期から父という一番の師を特等席で見続けてきたことで、無意識に圧倒的な芸の土台を身体にしみ込ませていた「才能の怪物」。本人が無自覚なまま繰り出すその才能でライバルたちをなぎ倒していく爽快感は、まさに王道バトルマンガの醍醐味です。
そして物語が進むにつれ、彼女は父の復讐を超えて自立した一人の噺家へと成長していきます。また、宿敵・阿良川一生との芸の対立も重なることで、その戦いは単なる恨みを超えた「落語のあり方を巡る戦い」へと高められていきます。
伝統芸能をテーマに扱いながらも決して押し付けがましくなく、それでいて古典落語への深いリスペクトを忘れない。古典の持つ「人間の業(ごう)を肯定する温かさ」と、現代の少年マンガが持つ「圧倒的な才能の熱量」が見事に結実した傑作だと感じます。
第7話まで視聴しました。
全体として独自の緊張感があり引き込まれるのですが、1点だけどうしても展開の説得力を欠いていると感じた部分があります。
視聴者視点、彼女の呼び名が「岸本めぐみ」だったり「岸本けい」だったり(あるいは文字表記などのニュアンス含め)、何がどうなってその名前に至っているのかが非常に伝わりづらいです。
さらに厄介なのが、作中でその表記や名前の変化について「なぜそう名乗るのか」「いまどういう状態なのか」を分かりやすく視聴者に整理・補足してくれる描写がほとんどないまま、どんどんストーリーが進行してしまう点です。
キャラクターの複雑な境遇を描くのは良いのですが、視聴者が状況を理解・整理するためのタメや説明のシーンを削ったまま話を進められると、混乱してしまいます。もう少し視聴者側の視点に立った親切な構成にしてほしかったです。