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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

2015年おそらく最もSNSで盛り上がった青春音楽アニメの傑作。刺激的な演出が後の作品に与えた影響も大きいと思われる京アニの看板タイトル。アニメ史においても稀少な原作とアニメの幸福な関係を体現した作品でもあるが、原作のポテンシャルを大きく膨らませた1期の功績は計り知れない。

2015年、『SHIROBAKO』ロスに悲しむ多くのアニメファンを救ったことでも記憶に刻まれる作品。
原作、アニメともに素晴らしい作品だが、特にこの1期アニメにおける原作が持つポテンシャルを大きく膨らませた京アニによる梃入れとヒロイン・黄前久美子のキャラ造形は、その後豊かな広がりを見せるユーフォシリーズにおいての全ての始まり、といってもよいぐらい大きなものであったのではないだろうか。オーディションの時から、自らの演技プランで制作陣を納得させてしまった久美子役、声優・黒沢ともよの功績にも計り知れないものがあるだろう。

『響け!ユーフォニアム』(以下ユーフォ)では宇治の街並みや学校での日常風景、吹部の生徒達が手にするリアルな楽器、リアルな演奏姿……などが京アニの恐るべきハイレベルな作画によってこれ以上ない素晴らしいクオリティで再現されており、そこでキャラクター達がしっかり生き音楽に情熱を傾けているのだ、と確かに感じられるリアリティある作品世界の説得力は十分高く評価できるものであると思う。
また、詳しい言及は避けるが、映像の質感やモブへの異常なこだわりはさながらアニメが実写的表現を手にした、と思える驚きもありそこも大きな評価ポイント。
ジャンル的には学園青春音楽アニメということで斬新さにはやや欠けることにはなるのだろうが、その中でも、序盤の部内における不穏で倦怠した部活動あるある的雰囲気には意外性と刺激が感じられ、そこも強く印象に残っている。

この作品の凄さのひとつは、脚本で読めばおそらくたいして面白い内容でもない、日常のなんでもない出来事を綴っただけのようなものが、演出の力によって何度も見返したくなるような魅力的な映像に仕上がっているところにある(裏を返せば、ストーリーの力に頼らない話の作り方がそのような映像を作り出すのだ、と)。
特に、登場人物達の無意識(や生理的反応に基づく行動)を画面に刻みつけた手腕はまさに演出(と作画)に拠るところが大きく、この点に関しては、アニメ史においても白眉なものであるのではないだろうか。
シナリオ的に計算されて理にかなった行動、というよりは、キャラ達が無意識にそのような行動を起こしている、のが感じられるのである。その無意識の行動が複数のキャラ間で掛け合わさることで生まれる予想外、かつ有無を言わさないような説得力とダイナミズムを持った刺激的な映像が心に斬り込んでくる、そんな感じだ。



全体
良い
映像
良い
キャラクター
良い
ストーリー
良い
音楽
良い

いわゆる廃部阻止もの、だが、現場と企業上層部の二方向での奮闘から描く逆転劇を軸に、恋愛、友情、あっと驚くどんでん返し展開なども含めて構成される脚本の秀逸さはなかなかのもの。2015年当時、深夜アニメもここまで来たかと感嘆した映像や劇伴クオリティの高さも、本作品を推す要因として大きい。

スタッフクレジットでは、やはり「冴えカノ」の丸戸史明氏、「俺妹」のかんざきひろ氏の参加に特別目を引くものがある。放送当時、これだけのクオリティの高さにもかかわらず、序盤で視聴をとり止めてしまった人が多かったような印象もあったのは、この両氏の参加から期待されるようなラブコメ的なもの、と大きくかけ離れた堅いストーリーにも原因があったかもしれない。結果、放送終了後もそこまで話題にならなかった印象だが、人目に触れず忘れられるにはあまりにもったいない作品、ということで今回レヴューを書くに至った(同時期、同年に話題作が多かったのも不運だったかもしれない)。

放送時、今や引っ張りだこ状態である林ゆうき氏の劇伴のクオリティの高さにも大きく反応した作品なので、そこも注目していただきたい点。映像、音楽、ストーリー、キャラクター、どれも隙がないクオリティだが、強いて一点、この作品を強く推したくなる要因を挙げるとするなら、終盤訪れる(ある種の尊さを持った)どんでん返し展開の存在というのは大きいかもしれない、のでそこも是非楽しみに観ていただけたら、と。



全体
良い
映像
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キャラクター
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ストーリー
良い
音楽
良い

ラノベやオタク的要素が濃厚な作品、だが、どんな奇抜な趣味や性癖を持っていても人としての価値や魅力は変わらないのだ、と熱く訴える普遍的なテーマと気張らずに楽しめる安定した面白さを備えた良作。妹の過激な性格と兄妹の関係に賛否あるようだが、非オタク層にも思い切って勧めてみたい一本。

2017年4月に放映された同原作者による「エロマンガ先生」では、本作において一部で不評の声もあった(?)妹と兄の血のつながり、妹の性格の点において改良が加えられている(個人的には本作、「俺の妹~」の過激な設定の方が好きだが、「エロマンガ先生」での改良された兄妹の関係・世界にも捨てがたい魅力がある)。

中村悠一さん演じる兄・高坂京介、竹達彩奈さん演じる妹・高坂桐乃の際立った存在感、の他にも、花澤香菜さん演じる黒猫、早見沙織さん演じる新垣あやせ、など脇役陣もキャラが立っており、その辺はキャスティング含めかなり充実感のある作品といってよいだろう。兄妹の関係を軸に、脇役陣も介してのラブコメ的面白さはもちろん、オタク仲間の間で交わされる友情も大きな魅力になっている作品である。
他、 ClariSが歌うオープニング曲、神前暁氏による劇伴も注目点として挙げたい。



全体
良い
映像
良い
キャラクター
良い
ストーリー
良い
音楽
良い

加賀香子と林田奈々。二人のヒロインの魅力が拮抗した三角関係を軸に描かれる恋愛の結末への興味がもたらす引きの強さはなかなかのもの。最大の仕掛け、主人公の記憶喪失設定が終盤に引き起こすシリアス展開も見応え十分。諸々粗もあるのは否めないが、恋愛ものが観たい気分の人にはお勧めしたい一作。

放送当時、大学生カップルのリア充ぶりを濃厚に描いたという点が一部で不評を買ったらしいが?(筆者にとってはそこが恋愛ものとして新鮮に感じられたし好印象でもあった)、それ以外にもヒロイン・加賀香子の高飛車な性格(キービジュアルもこのイメージを強めるようなものになっていて、あまりよくないかもしれない、とは思う。筆者自身も、このキービジュアルが原因で本作に手を出すのが遅れてしまったところが少なからずある)や原作より話が少しわかりづらい点など、観る人によって好みが大きく分かれてしまう不安材料は多い作品かもしれない。が、フィットさえすれば(加賀香子が好きになれれば、といってしまってもいいかもしれない)、ハイテンションな笑いとシリアスを自在に行き来する手付きが見事な竹宮ゆゆこ作品のエッセンスが感じられる恋愛物語、声優陣の好演も光る2大ヒロインの魅力、ビジュアル的充実など、最後まで楽しく視聴できるはず。

【注目話数】 1/6/12/15/16/21/23



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