どうにも劇中劇タイプの作品は苦手だったりするんだけど、本作はちょっと変わった部分が幾つか見受けられる。
普通の人間が物語の中に入ってしまう作品も、物語の中のキャラクターが現世に現れる作品もあるけれど、一度物語の中に紛れ込んだ後でキャラクターと共に戻ってしまう展開は少し面白いかも。また他の作品のキャラクターも同じように顕現しているようで。
軍服娘の言った「神の世界」と「我らの世界」、タイトルと併せて考えると今後の展開に期待してしまう
颯太によって自分が創作されたキャラクターであると突きつけられたセレジアの心境はどうなっているのだろう?大好きな作品と興奮して語る宗太に対して、俯いていたセレジアの心の内は軍服娘が現れたことで語られることはなかった。けれど颯太の首につけた傷について二度目の謝罪をした際はどこか憑き物が落ちたような表情をしていたから、自分の世界とあまりに違う光景の中で戦うことによって何か踏ん切りがついたのだろうか?
彼女らがどうして現世に現れたのか全く原因が掴めない状況下で、コンビニで食糧を大量買いする様子や空気を和ませるために洒落を言い放ったメテオラにはちょっと笑ってしまった
そういえば軍服娘が颯太の顔を見て驚いていたり、出会ったことを奇縁と表現していたね。順当に考えればあの娘を作り出したのは颯太だったということになるんだろうけど
見えるものと見えないもの、それに基づいて想像することが話の鍵になっている印象
鬼頭は冒頭のバトルを警察のカメラを利用して見るけど、自分の眼で見る気はない。だから戦っている相手が誰か判らない。
紗名は蔵六の内面が見えるから自分を助けてくれると期待する。しかし自分の言葉がどのように届いているか判らないままだから何度も怒られる
路上を暴走する車はどう見ても日常性の破壊なんだけど、痕跡が見えなくなることで実際に何が有ったのか判らなくなる。
ただ、そんな中で蔵六は「曲がったことは大嫌い」な性格。一度壊れるところを見てしまった車は直っているはずがない。だから売却ではなくスクラップにすることで正しく壊す
また蔵六は紗名の力を見ても言動や姿から「物事を知らない」と理解するから、自分の力がどれ程危険に見えるかと紗名に正しく想像させる
しかし見えるものから想像したことで間違ってしまう事実も提示されているのは面白い。蔵六とヤクザが関わりを見て子分も刑事も視聴者も蔵六の職業を「ヤバイ何か」と想像するけれど実際はただの花屋。
このように紗名達が持つ力から危険な存在だと鬼頭や政治家達は想像するけれど、それをどのように裏切っていくのか今後の展開が非常に楽しみ
紗名が花に感動した場面はその始まりのような気がする。花を知らないはずがなく、想像したものを生み出せる力を持つ紗名がそれでも感動したのは、花の美しさが想像を超えていたからだろうね。その仕事を手伝う中で紗名はどんな風に変わっていくのだろうか?
テンポよく、そして面白おかしく話が展開されていくことで細かい不満とか飛んでしまいそう。よくよく考えなくても付き合っても居ない娘が突如ヤンデレ化するとか、家族が洗脳されているとかやばい展開が目白押しなんだけどね
他にも紬の謎バリアとか名字の違う姉妹とか有ったりするんだけど、グリのテンションの前に霞んでいる気さえする
この時点では青司の特徴があまり見えてこないな。事態に巻き込まれていただけだから仕様がないかもしれないが。唯一、「恋愛って大事なものだろう?」との言葉から彼の人間性が見えてくる気がするけど、直後に三股になったことに強く抵抗していないせいか不誠実な人間にも見えてしまう
グリが進んでカップルに入ったせいか青司にデレているように思えるけど、恋を調べたいとの発言から青司に恋しているのではないこと、実際は面白ければ何でも良いタイプであることが判る。また、悪魔のコスプレをして騒動を巻き起こしたせいか、グリがしていることは本当は天使のお仕事であることに違和感を覚える
一見するとデスノートパロのラブコメに思えるけど、もしかしたらグリが天使として成長していく物語だったりするんだろうか?
ナオトの褒め言葉に対し毒舌を吐きながらもどこか嬉しそうなリューズの表情は可愛いね。それによって他の機械群とは異なる存在であると明確に示されている
帰宅するなり妙なテンションで時計に話しかけるナオトの姿にはドン引きしたけど、彼には歯車の音=時計の声がが聞こえるという描写?
技術的にはまだまだなはずの彼をリューズがマスターと認めたのは「彼は自分の声を余すこと無く聞いてくれた」という感覚があったのかな?それだけでなくチンピラに襲われた際には庇ったり、オートマタであることを知っているはずなのにホテルでは「休みなよ」と声をかけている。
つまりナオトはリューズの機械的な部分、人間的な部分両方を認めていることになるのか。それは特異な存在であるリュートにはぴったりな相手だろうね
マリー達についてはイマイチ世界観を飲み込めていなかったせいか、どのような事態に遭遇しているのかがよく判らなかったな。
原作と比べてかなりアレンジされている。原作ではあくまで一つのエピソードだったのが最終回として扱われたことで立ち位置が大きく変わったのか
最初はトールが居なくなった日常の描写を冗長に感じたけど、あれって小林にフラストレーションを溜めさせ終焉帝に立ち向かう切っ掛けを作るとともに、現在の小林の生活はトール無しでは成り立たない、つまりは共に暮らしていくことが出来ていた証明にもなっているのか。
段々と増えていくゴミ、思い返せばトールが来る前の小林の家もそれ程綺麗ではないし、近所付き合いもしていなかった。そう考えれば小林とトールが共に暮らし始めたことで良い方向へ変わった事があまりに多いことに気付く
玄関先での会話シーン。原作では終焉帝ってインターホン鳴らした上で人の姿で家の中に入っていたけど、よくよく考えればあの描写ってテーマ性に反していたのか?
アニメでは終焉帝は宙に浮かび、小林たちはマンションの廊下に。その際に画面手前に壁や柱が映ることでどれだけ両者に距離があるかが強調されている。ここでは終焉帝が人間社会の中でドラゴンが生きることの歪さを強調するけど、そこには両者が実際にどう考えているのかは言葉にされない。小林がトールの言葉や意志を代弁することであの親子喧嘩の展開へ行くのは、変化の順序を丁寧に描いているなと思う
喧嘩シーンでは両者の想いが言葉にされぶつかりあうけれど、今度は終焉帝とトールの間に入るのは壁や柱ではなく小林なんだよね。だから両者の乖離を小林が埋めることが出来る。そこで小林が語るのは人間の都合ではなくドラゴンにも通用する言葉だから終焉帝も理解は出来る。けど認めることは出来ないから自分が去るしかない。
トールが良い子と判っているとか愚かな娘よとか実際の終焉帝は親バカなんだろうな~って部分も小林が間に入ったからこそ出て来る想いなんだろうね
最終回だけど他のドラゴンたちの描写は少なかった。それでもそれぞれの朝のシーンは印象的。ここでファフニールやルコアが見送る側になっているのは、逆に言えば滝谷や翔太にとって彼らが居る場所が帰る家になっている、つまり共に暮らしていることの証明でもあるのかな
登場当初はそれほど人間に友好的ではなかった彼らがここまで変わった過程や心情を思うとかなり感動的。
まだまだトール達の日常を見続けたいとそう思える最終回だった
修正とは「殴って気合を入れること」と変なフラグが立った今回、他にもジャブロー攻撃の話が出ていたり、アーガマにブライトがやってきたりと今後に繋がりそうな展開が数多く見られた
またカミーユがアンマンでの戦闘貢献を艦長に褒められたりとこれまでやってきたことの結果がはっきりと形に現れた印象も有る。それだけに再びあっさりとカミーユに敗れてしまったジェリドの足踏み具合が目立つ。今回の戦闘だってカクリコンのアイディアに乗っかっただけだからなぁ
救難船を強襲した新種のMA、パイロットの顔出しはしているのに彼が何者か、何故攻撃しすぐに去っていったのかが全く判らない。シャアが恐れを抱いた点も併せて登場シーンは少ないながら強烈な印象を残している
そういやシャアとブライトが会話するのって今回が初めてなのか。シャアはホワイトベースとの因縁が強いだけに既に遭遇していたり、ブライトの名前くらい認識しているかと思いきやそうではないんだな
1年戦争での功績を褒めるクワトロ、彼を大佐と言い間違えるブライト。この時、両者が何を腹に抱えつつ会話していたのか非常に気になるね
10年近く連載している作品ということで所々時代を感じさせるようなノリがちらほらと散見される
安心と緊張が同時に存在する不思議
戦闘では突然髪の怪異に襲われても桐葉の敗北など想像してないような信頼を見せるが、同時に相手の少女(実際は男だったらしいけど)を傷付けてしまうのではないかと危惧する
かずやにとって桐葉は母と同じ匂いをしていることで傍に居れば安心できる存在では有るけれど、同時に同年代の女の子に見えるから近くに居ると緊張してしまう。これと似たような描写は随所に有ったように思う
だからこそかずやが桐葉に母の影を感じるのに対し桐葉がかずやを下僕と表現したことに違和感が残る。今後、その辺りの理由が説明されるのだろうな
桐葉というヒロインはかなり強烈な個性を持ったヒロインだね。戦闘面では怪異を圧倒する程の強さを持っていて、日常面ではかずやとの距離が異様なまでに近い。同衾したり、混浴したりとサービスし過ぎじゃない?
又、付喪神という和の属性を持ちながらプリンを好んでいたり、一般家庭の風呂に入っていても違和感がなかったりとギャップも中々
ただ、そんな本作で最も印象に残ったシーンは「17歳です!」だけど。あれは卑怯だよ(笑)
「戦い続ける限りはまだ負けてない」とかリヴァイに次ぐ実力者とミケを散々持ち上げた後でのあの惨劇。又、獣の巨人が話しかける際の動作があまりにおどろおどろしく描かれているものだから、尚の事獣の巨人に恐怖を感じる作りになっている
ただ、それだけに前半に明かされた「壁が全て巨人でできているかもしれない」という事実の衝撃さが弱まっている気がしないでもない
最終回なのに要素盛り沢山で感想に困る
花火はあの日の約束にも積み重ねた日々にも意味なんて無かったと述懐したけど、そんなこと無いのは明白。
例えば鳴海は眼鏡を辞めたことで花火は焦がれていた頃の鳴海を思い出すけど、苦しくなるほどではない。又、男子生徒からの告白に対して第一話の頃のような対応ではなく、「ごめんなさい。でもありがとう」と返したのは鳴海に告白した経験があるから。
他の面々も積み重ねた時間の意味を感じさせる描写ばかり。
自分の理想を叶えるためだけに着飾っていたモカは、麦のためではなく文化祭の小さなステージでドレスを着る
花火との絆の一つだった髪を落とした早苗も、loveは手に入らなかったけどlikeを取り戻すことが出来た。「さっぱりした!」という言葉にどれだけの意味が篭っているか想像は果てしない
ブーケトスと言っているのに一本しか渡さなかった茜、「次は取られちゃ駄目」という台詞は裏を返せば自分は「取られた無くないもの」を手に入れたということだろうね
そんな中一人だけ止まっていたのが麦。文化祭で盛り上がる時間に倉庫で寝ていたのは、要らなくなった備品と同じような存在になってしまったのかとすら想像させる。だから、麦は再び花火に向かって歩み出すことが出来ず、花火にとってもこの瞬間に麦は過去になってしまったのだろうね
それでも積み重ねた日々による成長があった花火は麦に対して「よく頑張ったね」と声をかけることが出来、それによって麦も少しは報われるんだろうな
衝撃的な展開ばかりだった本作だけど、終わり方も予想したのと大分違ったなぁ。せめて花火と麦にはもう少し幸せになってほしかったけれど、偽物の関係で始まったのだから、別の道を歩まないと本物に辿り着くことは出来ないということなのかな。何とも物悲しい
互いの夢を叶えるために行われた侵略戦争は結局のところ、どちらかだけが叶うものではなく両立するものだった。……と言えば聞こえは良いけれど夢の形が以前のままである倫也に対して、美智留の夢は様変わり。
いくら何でもロックバンドと思っていたものがアニソンバンドだったなんて事実をライブ直前に知らされるのはキツイよなぁ……。
それでも彼女がステージに向かったのは夢の形が変わっても、音楽を楽しむ心は変わらないからなんだろうね。もしかしたら倫也の言葉が影響したかもしれないけれど
ライブシーンでは空色デイズの歌い出しは掠れ気味なのに徐々に高揚していき、オリジナル曲で爆発する歌い方が印象的。曲と併せてこちらまで盛り上がってしまうね
ライブ後に美智留が激怒したのは倫也やバンドメンバーの裏切りに対しても有ったのだろうけど、あれは激怒することでオタクに混じってアニソンバンドやギャルゲ制作する自分を受け入れるための儀式だったのかななんて考えてみたり
前回あれだけ打ちのめされた英梨々はやはり美智留への苦手意識はあるままか。というかいつの間にか詩羽を実力と本気のあるメンバーとして認めていたことに驚いたり。
また加藤と名前で呼び合う描写になんとなく暖かいものを感じたり。英梨々って小学校時代に倫也を失って以来、趣味を打ち明けられる友人って居なかったんだよね。ゲーム制作開始により倫也とはまた話すようになったけど、最早友人枠ではない。そんな英梨々に本来の自分で話すことが出来る友人が出来たのは良かったねぇ。加藤はオタクではないけれど、これまでの描写からオタ趣味に対し許容的な姿勢を示しているのは確かだし
……先の展開を知っていると詩羽の「後で地獄を見る」という台詞をどうにも深読みしてしまう。多分第二期ではあの辺りまでやるんだろうなぁ……